2009年05月04日

新型インフルエンザに関して今後考えられる7通りの極端なシナリオ ― 覚悟を決めてリスクを楽しんでしまえというスタンスで


少なくとも日本の民放を見ていると、今回の新型インフルエンザは“弱毒性”ということだし、メキシコ以外では死者も出ていないし(アメリカでの1名を除いて)、いまのところは、あまり心配しなくてよさそうだ。だから、GWも当初の予定どおり、海外旅行へ出かけた人が多数いる。まあ、日本のテレビだけでなく、ニューヨークの市長も感染が終息に向かいつつある、みたいなことをコメントしている。(カナダでは人間から多数のブタへの感染例が報告されているが)。


しかし、WHOは週明けには警戒レベルを6に引き上げる可能性があるとかないとか言い出している。ただし、あくまで警戒レベルというのは、ウィルスの伝染に関する警戒レベルであって、ウィルスによって大きな被害が出るかどうかは無関係だとか。


今後、新型インフルエンザがどのような展開を見せるかについては、さまざまな予想ができるわけだ。簡単に言えば、世界中に一気に蔓延し一気に病原性を増して、スペイン風邪を凌ぐ死者を出す・・・というのが最悪のシナリオだとすれば、実はたいしたことなくて急激に終息していく・・・というのが最良のシナリオだろう。


急に話が変わるが、私はその昔、ベルリンの壁が崩壊する直前の数年間、“エコノミックアニマルの使いっ走り”となって共産圏の国にしばしば出入りしていた。その当時、共産圏に出入りするとなると、さまざまなリスクに直面することを覚悟しなければならなかった。物理面で言えば、冷戦末期の共産国に運行していた飛行機といえばソ連もしくは資本主義国で使い古された中古なので、いつ墜落してもおかしくない。まあ、しかし墜落のリスクは回避のしようがないので、そのときはそのときだとあきらめる。


共産国の役人(もしくは特権階級者)相手の商売なので、せっかく役人とパイプが出来ても、その役人が何らかの理由で粛正されたりしようものなら、また一からやり直さないといけない。粛正された理由が自分の持って行った商売に関わるものなら、入国後に拘束されて牢獄に放り込まれるリスクや拷問に遭うリスクも覚悟しないといけない。これらのリスクを回避するには、あちらの秘密警察にも多少パイプをつないでおく必要がある。


その他、代金回収に伴うリスク(会社としてはこれが最大のリスクであり、大手商社がリスクを嫌って大阪ベースの中小商社にニッチが生まれてもいたのだが)もあれば、そもそも共産国と言っても東欧などではなくアフリカ諸国だったので、マラリアやその他の風土病に感染するリスクもあった。いや実際、マラリアの予防薬は長期にわたって服用すると肝臓を痛めることもあり、ときどき日本に戻ってくるのだが、パスポートを見た入国審査官に別室行きを命じられるのは毎度のこと。検疫のためだった。そりゃ、アフリカ諸国から病原体を持ち込まれたら困るから仕方のないことだと納得してはいた。(結局は、マラリア薬の長期服用で肝臓を痛め、“任務”を終えることになったのだが)。


まあ、ともかく、その当時はさまざまなリスクをノートにメモして対処できるものと、そうでないものを区別し、対処できるものについては思いつく限りの対処法を書き込んだりしていたものだ。それを楽しんでいた自分がいる。


そして今回の新型インフルエンザ。結局、大騒ぎしただけでたいしたことはなかった・・・で終わる可能性ももちろんある。しかし、それは数多く考えられるシナリオの1つでしかない(そうなる可能性は低くないと思うが)。今、われわれは、ほぼ全員が等しくリスクにさらされている。われわれ全員が(生き残れたとしての話だが)“歴史の生き証人”になる機会を与えられていると見ることもできるだろう。


もしかしたら自分自身の命や自分の家族を失うかもしれないのに、そんな悠長なこと言ってられるか・・・という声も聞こえてきそうだ。私だって身内もいれば、失いたくないものもある。しかし、制御できないリスクが現実のものとなったときは、もう覚悟を決めるしかないと思う。私としては、それなら、いっそのことこのリスキーな状況を楽しんでみようと思ったりしている。


制御できないリスクの最たるものは、ウィルスが今後変異して病原性を増すこと。感染のリスクは人混みを避けることなどで、ある程度緩和できそうに見える。だが、パンデミック警戒レベルが6に達すると、人里離れた山奥で仙人みたいな生活でもしていない限り、完全には回避できないだろう。レベル6は、いつ自分や自分の身内が感染してもおかしくないことを意味している。


日本の人口の半分が感染したとすると、仮に変異が起きず弱毒性のままであったとしても(たとえば死亡率が0.1%しかなかったとしても)、6000万人の1000分の1、すなわち6万人の死者が出ることになる。マスコミの煽り方によっては国民のパニック心理も引き起こされるだろう。


さて、極端なシナリオをいくつか思いついたので、以下に列挙してみよう。上記のようにこのリスキーな状況にパニックになるよりは楽しんでしまおうというスタンスなので、あくまでネタとしてご覧いただければと思う。


■ シナリオA ― 自然鎮火


WHOや各国政府が警戒を高めたのと裏腹に、新型ウィルスは病原性を増すこともなく、急激に感染力を弱めていく。6月には全世界で感染者ゼロ宣言が出される。めでたしめでたし。


■ シナリオB ― ありふれたウィルスに


シナリオAと同じく、北半球が夏場を迎えたころには完全に終息したかに見えたが、冬場を迎えると、再び感染者が報告される。しかし、致死率は従来のインフルエンザと大差なく、1年目は感染者が爆発的に増えるものの、数年後には「香港型」、「ソ連型」と同列に「メキシコ型」と呼ばれるようになる。


■ シナリオC ― 予想を超える速さで変異


感染者が報告された当初は軽症者ばかりだったが、感染者数が爆発的に増えるにつれて、ウィルスの変異が進み、致死率が急激に上昇する。全世界の人口が半分以下に減ることさえ考えられる。最悪のシナリオの1つがこれだろう。


■ シナリオD ― スペイン風邪と同様の経緯をたどる


第一波の被害は少なかったが、第二波以降にウィルスの病原性が増し、全世界で数億人規模の死者を出す。


■ シナリオE ― Poverty Killer Virus(貧困者を殺すウィルス)


ウィルスの最初の発生場所と言われる村で大勢の死人が出たのと同じく、貧しい国や地域だけに死者が集中する。特定の栄養素の不足や、特定の細菌やウィルスに従来から慢性的に感染しているなどの要因により致死率が異常に高くなることが判明する。


先日の記事で「生物兵器ではないかという第一印象を拭えない」と書いた。あくまで極端な仮説(妄想に近いレベルの)だが、高リスク者(その多くは低収入者)を対象としたサプライムローンが金融危機を招いたことや公的資金を庶民の福祉より経済の立て直しに優先して注入せざるをえない現状から、経済至上主義の頂点にいる人たちが「もはや貧者は金儲けのタネにならない」と考えたとしよう。で、その切り捨てを実行するために、貧困地域に特有のなんらかの要因が引き金となって致死率が高まるようにプログラミングされた生物兵器が・・・(以下略)。


■ シナリオF ― 実は別の国で先に猛威をふるっていたことが・・・


どの国とは言わないが、某大国で実はすでに数万人規模の死者を出していた。情報を完全に統制していたため、外部に漏れなかったのである。


しかし、その国と人の行き来の多い国々(日本も含まれる)では、やがて、その国からの帰国者に異常に感染者が多いことがわかってくる。このシナリオこそが実はあらゆる意味で最悪のシナリオかもしれない。核戦争まで引き起こして、人類滅亡までありえるかもしれない。


■ シナリオG ― “日本以外全部沈没”


世界最高レベルを誇る日本の科学技術力により、新型ウィルスを無力化する装置が開発される。他国がその装置の供給を要請するも、当時の首相の英断により国内配備が最優先される。国内配備が完了したときには時すでに遅し。日本以外の諸外国は、急激に病原性を増したウィルスにより壊滅的な被害を受けてしまった後だった。






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この記事へのコメント

1. Posted by     2009年05月04日 04:36
日本の食料自給率じゃ最後のシナリオでも結局沈没しそうだな
2. Posted by clydemender   2009年05月04日 12:09
寒気がするシナリオもあって面白いです。まあなるようにしかならないから、パニックだけはごめんだな。もっと根本的な変異が起こったりして、H1N1とかじゃない感染様式の。
3. Posted by     2009年05月05日 22:00
発熱した時点で病院に行けるかどうかって、医療費の問題が大きいですよね
どこかの新しい偉い人が、国民皆保険を訴えていなかったかなぁと、そんな関係を考えてしまいます
本国に死者を出さず(統計として通常のインフルと同レベルに抑え)、他国では相当数の死者を出して恐怖をあおり、国民皆保険の必要性を訴える、とか
誰得という話ではありますが
4. Posted by     2009年05月06日 01:36
Fまでは有りそうだと真面目に読んでたから、Gで笑ってしまった。
自衛隊にガンダムが配備されるぐらいの可能性ですね。
5. Posted by QC   2009年05月16日 02:57
5 平和ボケのみんなには
いまいち飲み込めない記事だったのかも

アメリカで感染パーティーが流行っているとか
テレビも伝えているけど、ある意味でリスクを自分たちで
管理しようというアプローチにも見える
間違ったアプローチだけど消極的な日本人には見られないアプローチな気がする
6. Posted by     2009年05月24日 00:05
筒井のあの話は面白かったな。
7. Posted by     2009年11月02日 16:27
マジレスすると「貧者の〜」はないですね
奴隷を失った貴族は飢えるほかないのですから

そして微妙にどれとも違う方向へ進んでいる現在のシナリオ
弱毒性って言ったの誰だ責任者出てこいな状況ですなー
8. Posted by relevant web page   2014年05月10日 18:25
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