2009年04月29日
ロボットが人間を襲う・・・と言えば、数多くのサイエンスフィクションで取り上げられてきたテーマだ。しかし、ロボット最先進国の日本ですら、いまだロボットが人間を襲ったというニュースは聞かれない。最近続々と登場しているヒト型ロボットはようやく自律歩行が可能になった段階であり、どう見ても人間に強力な攻撃を加えられるようには出来ていない。
だが、スウェーデンで、それが現実に起きたのである。男性がロボットにがっしりと頭部をつかまれてしまった。なんとか脱出に成功したものの、肋骨を4本も折る大けがを負ってしまった。
まあ、ロボットといってもいろいろある。最も古くから活躍しているのは、製造ラインで材料、部品、仕掛品などを持ち上げたりセットしたりする産業用ロボットである。そして、この男性を襲ったのも、産業用ロボットの1つだった。
“事件”の現場となったのは、ストックホルム近郊の町にある工場。何を作っている工場かは不明だが、重い岩を持ち上げるアーム式ロボットが設置されている。そのロボットが作動しなくなったので、男性作業員が点検することにした。
作業員は、ロボットの電源を切ったつもりだった。だから何の危険も感じずに、そのパワフルなロボットに近づいていく。ところが動作を停止していたはずのロボットがいきなり動き始める。アームが作業員の頭部の方へ延びてくる。ロボットにすれば、作業員の頭は、ふだん自分が扱いなれている岩と大差ない大きさだったのだろう。
作業員が気づいたときには、すでに頭をがっしりとホールドされてしまっていた。このまま持ち上げられたら、製造ライン（そのときコンベヤが動作していたかは不明だが、ラインの下流には岩を粉砕する機械などがあったはず）に投入されてしまう。作業員は必死になってもがき、なんとか頭を抜くことができた。
ソースには記載がないが、おそらく男性作業員は頭をホールドされたまま持ち上げられ、付近の金属物などに胸部をぶつけたのだと思われる。なぜなら、彼は肋骨を4本も折る大けがを負ってしまったからだ。
実は、この“事件”が起きたのは2年前の2007年のこと。先日、工場側を被告とする裁判が結審したことで、スウェーデンの英語ニュースサイト“The Local”が本件を伝えた。工場側に対し、約3000ドルの罰金支払いが命じられたという。
「ロボットがこんなふうに人間を襲ったという話は聞いたことがありませんでしたよ」本件を担当したリーフ・ヨハンソン検察官は言う。「作業員の男性は肋骨を4本折り、もう少しで命を落とすところでした。大事に至らなかったのは不幸中の幸いですね」
ヨハンソン検察官は、適切な安全手順を徹底していなかったとして工場側を非難したが、作業員にも十分な安全確認を怠った落ち度があるとしている。
というわけで、人間の忠実な下僕として働いているヒト型ロボットが突然凶暴化して人間を襲うのは、まだまだ先のことになりそうだ。いや、一般家庭にロボットが普及するよりも、ロボット兵士が実現される方がおそらく先だろう。ロボット兵士は敵を攻撃するように作られているわけで、ロボット兵士が登場すれば、当然、ロボットが人間を襲うこと自体、珍しいことではなくなる。
下のYoutubeビデオクリップの舞台は南アのヨハネスブルグ周辺の旧黒人居住区である。もちろん、これはフィクション映像。
■ Source: Robot attacked Swedish factory worker
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まあ、ロボットといってもいろいろある。最も古くから活躍しているのは、製造ラインで材料、部品、仕掛品などを持ち上げたりセットしたりする産業用ロボットである。そして、この男性を襲ったのも、産業用ロボットの1つだった。
“事件”の現場となったのは、ストックホルム近郊の町にある工場。何を作っている工場かは不明だが、重い岩を持ち上げるアーム式ロボットが設置されている。そのロボットが作動しなくなったので、男性作業員が点検することにした。
作業員は、ロボットの電源を切ったつもりだった。だから何の危険も感じずに、そのパワフルなロボットに近づいていく。ところが動作を停止していたはずのロボットがいきなり動き始める。アームが作業員の頭部の方へ延びてくる。ロボットにすれば、作業員の頭は、ふだん自分が扱いなれている岩と大差ない大きさだったのだろう。
作業員が気づいたときには、すでに頭をがっしりとホールドされてしまっていた。このまま持ち上げられたら、製造ライン（そのときコンベヤが動作していたかは不明だが、ラインの下流には岩を粉砕する機械などがあったはず）に投入されてしまう。作業員は必死になってもがき、なんとか頭を抜くことができた。
ソースには記載がないが、おそらく男性作業員は頭をホールドされたまま持ち上げられ、付近の金属物などに胸部をぶつけたのだと思われる。なぜなら、彼は肋骨を4本も折る大けがを負ってしまったからだ。
実は、この“事件”が起きたのは2年前の2007年のこと。先日、工場側を被告とする裁判が結審したことで、スウェーデンの英語ニュースサイト“The Local”が本件を伝えた。工場側に対し、約3000ドルの罰金支払いが命じられたという。
「ロボットがこんなふうに人間を襲ったという話は聞いたことがありませんでしたよ」本件を担当したリーフ・ヨハンソン検察官は言う。「作業員の男性は肋骨を4本折り、もう少しで命を落とすところでした。大事に至らなかったのは不幸中の幸いですね」
ヨハンソン検察官は、適切な安全手順を徹底していなかったとして工場側を非難したが、作業員にも十分な安全確認を怠った落ち度があるとしている。
というわけで、人間の忠実な下僕として働いているヒト型ロボットが突然凶暴化して人間を襲うのは、まだまだ先のことになりそうだ。いや、一般家庭にロボットが普及するよりも、ロボット兵士が実現される方がおそらく先だろう。ロボット兵士は敵を攻撃するように作られているわけで、ロボット兵士が登場すれば、当然、ロボットが人間を襲うこと自体、珍しいことではなくなる。
下のYoutubeビデオクリップの舞台は南アのヨハネスブルグ周辺の旧黒人居住区である。もちろん、これはフィクション映像。
■ Source: Robot attacked Swedish factory worker
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この記事へのコメント
1. Posted by cocoa 2009年04月29日 08:05
襲われたんじゃなくて、過失故の必然的な事故。こういう事故なら、報道していないだけで五万とある気がします。
比喩のつもりだろうけど、ちょいｽﾞﾚてる。
比喩のつもりだろうけど、ちょいｽﾞﾚてる。
2. Posted by はんなり 2009年04月29日 20:01
そういえば…
非核三原則みたいな、
ロボットがしてはイケナイ三原則
ってあったような記憶がする
ロボット、サイボーグ、ヒューマノイド、違いが判らないけれど。
非核三原則みたいな、
ロボットがしてはイケナイ三原則
ってあったような記憶がする
ロボット、サイボーグ、ヒューマノイド、違いが判らないけれど。
4. Posted by ω 2009年04月30日 03:32
恐ろしいな…
後少しで体ごとグシャリ…
※1
同意
後少しで体ごとグシャリ…
※1
同意
5. Posted by ロボ 2009年04月30日 09:19
襲われたという見出しのほうが目につきやすいからであって、ずれているわけではないと思うが。
6. Posted by 2009年04月30日 11:06
>>1
単なる事故ではなく、
ロボットが人間を「処理対象」と誤認した事を考えるとちょっと興味深い話になる。
このロボットはロボット三原則から外れてしまっている。
というか、人間を認識する機能が無いってのは致命的。
単なる事故ではなく、
ロボットが人間を「処理対象」と誤認した事を考えるとちょっと興味深い話になる。
このロボットはロボット三原則から外れてしまっている。
というか、人間を認識する機能が無いってのは致命的。
7. Posted by shi-ta 2009年04月30日 12:54
アシモフのロボット三原則はロボットに知能がない現段階のロボットには習得できないでしょう…というより、知能らしきものを持って自律行動できる汎用自動機械が出来て後のお話ですから。（「汎用」という部分が意外と本質的に効いてくる）
8. Posted by 2009年05月01日 07:44
イレギュラー出現か
9. Posted by 2009年05月02日 12:31
プレス機にはさまれるのと同じだろ
11. Posted by VA 2009年05月02日 18:53
襲うも何もこれは只の人為的なミスでしょう？機械は普段と同じ働きをしただけであり、これを襲うと表現するのはどうかと…
12. Posted by 2009年05月04日 16:59
※2
アイザック・アシモフのロボット工学三原則ですね。
意味なくロボットが反乱するテーマに飽き飽きした合理主義者のアシモフが50年ほど前に考案した、ナイフの柄、高所の手すりのようなものです。
第一条 人間に危害を加えず、人間を危害から守らなければならない。
第二条 一条に反しない限り人間の命令に従わなければならない。
第三条 一条、二条に反しない限り自己を守らなければならない。
言葉の定義は、作品によって千差万別ですが、だいたい一般的なものとしては
ロボットは自律稼働する機械の通称、語源は「奴隷」、
サイボーグは肉体を機械で代用したもの、現実ではペースメーカーなど、
ヒューマノイドは、語意は「人間もどき」で、人の形をした人ならざるものの総称、
といったところでしょうか。
アイザック・アシモフのロボット工学三原則ですね。
意味なくロボットが反乱するテーマに飽き飽きした合理主義者のアシモフが50年ほど前に考案した、ナイフの柄、高所の手すりのようなものです。
第一条 人間に危害を加えず、人間を危害から守らなければならない。
第二条 一条に反しない限り人間の命令に従わなければならない。
第三条 一条、二条に反しない限り自己を守らなければならない。
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ロボットは自律稼働する機械の通称、語源は「奴隷」、
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