2008年07月28日

15歳少年が摂氏150度のアスファルトの中に消える


真夏のアスファルト舗装は焼け付くような熱さだ。炎天下では摂氏60度を超える。カナダ・マニトバ州でアンドリュー君という15歳の少年がアスファルトに焼かれて若い命を落とした。しかし、彼はアスファルトの表面上で焼かれたのではなく、アスファルトの中に埋もれて焼かれたのだった。
マニトバ州の州都ウィニペグのベッドタウン、ストーニーマウンテンで暮らすアンドリュー君は、この9月に第10学年(日本の高校1年に相当)に進級する予定だった。彼は勤勉で自立心に富んだ少年だった。わずか7歳のときからアルバイトをして小遣いを稼いでいた。

そんなアンドリュー君にとって、夏休みは最大の稼ぎ時だった。今年の夏休みも、昨年と同様に地元の小さなアスファルト工事会社でアルバイトを始めた。マニトバ州の労働法には16歳未満の者が工事現場で働くことを禁じる条項があるものの、実際には有名無実化していて、夏休みには16歳未満の少年が工事現場や建設現場で働くことが珍しくないという。

アンドリュー君の姉の友人であるケイティ・コバーンさんは、カナダのFree Pressの記者にこう語っている。「アンドリューは真面目で働き者でした。ストーニーマウンテンの町中で草刈りなどのバイトを見つけては、せっせと働いていました。年がら年中バイトに励んでいました」

悲劇が起きたのは7月25日、駐車場のアスファルト舗装工事中のことだった。舗装工事では、高温で溶けた状態のアスファルトを土砂などと混ぜた「アスファルト合材」を使用する。その熱さは、炎天下のアスファルト舗装の表面温度の比ではなく、150℃前後である。

事故当時の詳しい状況はまだわかっていないが、その灼熱のアスファルトがアスファルト輸送車から地面に流し込まれるときに、予想外に大量のアスファルトが流れ出たと見られている。そして、その流れの中にアンドリュー君が呑み込まれてしまった。

ストーニーマウンテン消防署のウォレス・ドライズデール署長は言う。「私は現場に最初に到着したメンバーの1人だったのですが、アスファルトの表面には少年の髪の毛だけが露出していました。アスファルトは非常に熱く、消防隊員がその上に長い間立っていると足に火傷を負うおそれがありました。このため、4、5分おきに交代しながらアスファルトを掘っていかざるをえませんでした」

事故現場から100メートルも離れていない家の住人リチャード・ヒルさんは、少年の悲鳴を聞いて外に飛び出した。すると、おそらくアスファルト輸送車の運転手だと思われる男性が、流出したアスファルトの前に立ち「中に誰かが埋まっているぞ」と叫んでいた。

そこでヒルさんはシャベルを探し出して、現場にいた別の男性と共にアスファルトを掘り始めた。二人が必死になってアスファルトを掘り進むと、やがて少年の後頭部らしきものが見えた。これは、少年が灼熱のアスファルトの中にうつ伏せで倒れていることを意味した。しかし、その後頭部はぴくりとも動かなかった。

「あの熱さと重さです。何の望みも持てないことが嫌というほどわかりました。それに、アスファルトの中で息ができるはずがない」とヒルさんは言う。

ヒルさんと一緒にアスファルトを掘った“別の男性”は、アスファルト舗装会社の社長だった。社長はアンドリュー君を助け出したい一心で熱さも感じなかったらしく、気づいたときには、ひどい火傷を負っていた。

結局、消防隊員たちがアンドリュー君の体を灼熱のアスファルトの中から持ち上げてタンカに乗せるまでに15分もの時間を要した。その場で死亡が確認された。

アンドリュー君の両親と親しいブライアン・イードンという男性が地元のケーブルTV局の取材を受けて、こう話している。「アンドリュー君は良い子でした。家族全員が悲しみに打ちひしがれています。私もショックでたまりません。アンドリュー君とも、アスファルト舗装会社の社長とも親しくしていたのですから」

ドライズデール署長によると、アンドリュー君の死はストーニーマウンテンの町全体を震撼させた。「消防隊員たちだってアンドリュー君とは少なくとも顔見知りでした。小さな町ですからね。本当に辛い思いを味わっています」

事故当時の詳しい状況、事故の原因、そしてアンドリュー君の死因は、地元の警察と消防が現在検証中である。

日本で同様な事故が起きたことがあるのか調べてみたが、少なくともネットの検索では該当する情報は見つからなかった。科学技術振興機構(JST)の「失敗データベース」で「アスファルト」を検索しても、舗装工事中の“生き埋め事故”は見つからない。

真夏のアスファルト舗装工事自体、かなり過酷な環境での作業となる。ただでさえ気温が高い上、150℃という高温のアスファルト合材を扱うのだ。そう言えば、筆者も小学校5年での牛乳配達を皮切りに10代のころからいろんなバイトをしたが、真夏に高温の過酷な環境でのバイトをしたこともある。

グラスウール製造工場でのバイトだった。ガラスが真っ赤に溶けた炉が目の前にある。あまりの暑さに意識が遠のきそうになる。「やばい!炉の中に吸い込まれてしまう」と我に返る。その繰り返しのまま、単純作業を延々と繰り返した。もっとも、あまりに過酷すぎて、たった1日でバイト料ももらわずにトンズラこいてしまったわけだが。

評点チャート


※評点チャート追加(8月2日 02:15):だいぶ遅くなりましたが、コメント欄に寄せられた感想を反映させていただきました。Thanks!




■ Source: Teen dies in Manitoba after buried in hot asphalt

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この記事へのコメント

1. Posted by えめとん   2008年07月28日 22:53
凄く幸せな最期を迎えた記事の次に地獄の最期の記事…
心に反作用ボム指数10です…さすがに、冗談も冴えない…

従来の指数なら危険物取り扱い不注意度10
私的な指数なら灼熱地獄指数150…
やっぱり冴えない……
2. Posted by みずな   2008年07月28日 23:50
ご冥福をお祈りします
3. Posted by NAZ   2008年08月06日 13:58
比重からして、そこまで沈むとは思えないんだけど。アスファルトって、そんなに軽いか?
4. Posted by 開紀   2009年07月02日 20:24
日本でも起こりそうじゃのう・・
真夏は40度あるから怖いのう
5. Posted by     2011年10月10日 00:54
44歳女性の方はアンドリュー君には反応ないんですか。
6. Posted by 榊原聖斗   2012年07月17日 19:09
アスファルト樽の中の手紙…
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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

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