クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:余命数ヶ月の教授が昨年9月に行った「最後のレクチャ」の動画に日本語字幕が!

2008年05月19日

余命数ヶ月の教授が昨年9月に行った「最後のレクチャ」の動画に日本語字幕が!


昨年9月に、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ市のカーネギーメロン大学でランディー・パウシュ教授(コンピュータ・サイエンス)が行った「人生最後のレクチャ」の映像のことを取り上げたことがある。
その記事の一部を以下に抜粋する。

パウシュ教授は、専門とするコンピュータ・サイエンスの講義をしようとしていたわけではないのだ。まもなくこの世を去ろうとしている者が、自分のこれまでの人生で得てきた知恵と叡智をこの世に残る者たちに授けるための講義だった。

パウシュ教授の余命は数ヶ月しかない。だが、最後の教壇に立った教授は、まさか末期ガンに冒されているとは信じられないほど、陽気でエネルギッシュである。

下のビデオは「最後のレクチャ」の様子を収めたものだが、再生時間1:07あたりで、教授は床に手を突いて腕立て伏せを始めてしまう。途中で片手腕立てさえ試みるし、両手腕立てでも両手を床から浮かせる瞬発力を見せている。

だが、そのシーンに入る少し前に、教授の体内でガンがどこまで進行しているかを如実に示すCTスキャン画像が大写しになる。すい臓に生じたガンは既に肝臓に転移しており、CT画像には10個もの腫瘍が写し出されている。


昨年9月の記事に埋め込んだビデオは、4分40秒まで短縮編集された映像だった。筆者の貧弱なヒアリング能力で教授の言葉を聴き取り、その内容を簡単に紹介しておいたのだが、やはり日本語の字幕がついたノーカットのビデオが見たいところだった。

昨年9月の記事に常盤さんという方からコメントがあり、日本語字幕を付けた動画をYoutubeにアップなさった旨を知らせてくださった。「パウシュ先生の講義には、私もとても感動いたしました。一人でも多くの方にこのメッセージが届くといいですね」とおっしゃっている。

そこで、当ブログでも、この字幕付きビデオを紹介させていただく。1時間ほど続けられたレクチャが9つのクリップに分けられている。この記事には、最初のクリップだけを埋め込み、他のクリップについてはYouTubeの検索結果ページへのリンクを貼っておくことにする。





パウシュ教授の「最後の授業(Last Lecture)」は、自分の体の中に出来た腫瘍の断層写真を見せるところから始まる。これが自分の現実なのだ、と。

そして、その現実は変えられない、と教授は言う。「だから現実の受けとめ方を変えるのです。配られたカードで手を考えるほかありません」と、淡々とした口調で言葉を続ける。(教授のセリフは常盤氏作成の字幕からの引用)。




このレクチャでは、“dream”という言葉が最も重要なキーワードとなっている。自分の夢をどうかなえるか。そして、他者の夢の実現を手助けすることの楽しさ・・・へとレクチャは続いていく。

われわれは、夢をかなえようとしても必ずと言っていいほど壁にぶつかる。教授はそれをレンガの壁にたとえている。「しかし壁があるのは、夢に対する思いを証明するためなのです。思いが弱い人は、ここで止まってしまう」(クリップ3の字幕より)。

夢も希望もなくなった自らの現実をさらけだした上で、“夢”を持ち続けることの大事さを説くパウシュ教授の最後のレクチャは聴講者を触発してやまない。全編を観るには1時間以上を要するが、ぜひ皆さんにも観ていただきたい。

:このレクチャを行った2007年9月18日の時点で、パウシュ教授の余命は3か月ないし6ヶ月と宣告されていた。それから既に半年以上が経過している。だが、パウシュ教授は、まだご存命である。ただし、Wikipediaには、2008年5月2日に実施されたPET(ポジトロン断層法)スキャンの結果、肺および胸部数箇所のリンパ節にガンが転移していることが判明し、腹膜や後腹膜内にも転移が認められたとの記述がある。


揺るぎない秩序の船に乗ってカオスの海を行く ― ランディ・パウシュの『最後の授業』書評(2008年6月21日)


【蛇足】

そういえば、筆者もつい最近、“壁”にぶち当たったばかりである。当ブログのコンテンツのうち、サイエンス系を別とする珍ニュースを100本厳選して書籍化した本が苦戦を強いられている。刊行直後にテレビの生番組で紹介される話が持ち上がったかと思うと、放送日直前になって理由不明のドタキャンを食らった。まあしかし、教授の話を聞いていると、そんなことくらいでモチベーションをなくしているのも馬鹿馬鹿しい話に思えてくる。




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3. 2008年5月20日のpickup更新  [ Clue's pick-up 出張版 ]   2008年05月20日 21:31
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この記事へのコメント

1. Posted by jacklegdoc   2008年05月19日 21:31
以前この記事が取り上げられたときも感動しましたが、字幕付でフルで見られるのはうれしい限りです。
私は基本的に誰も尊敬しないようにしていますが、たまに「こいつには何年かかっても勝てないな」という人と会ったり、本で知ったりします。そうゆう人たちは人生の短さを知っているというか、普段から死を覚悟していて、目的をいかに達成するかいつも考えているように感じます。逆に、いかに自分が下らない事に時間を費やしているか考えさせられます。
2. Posted by shi-ta   2008年05月20日 09:38
mikkeyさん、常盤さん、掲載と翻訳ありがとうございます。ただただ感謝。
3. Posted by かな   2008年06月09日 23:53
うわー字幕すごくうれしいです!
最初にこの記事を観た時よりやっぱり細かい訳がわかった方がより感動します…
英語を一生懸命勉強してるんですけど
訳しながらだと感動が薄れちゃうんですよね^^;
すごく良い記事と訳を読めてよかった!
4. Posted by ハーネス   2008年06月20日 20:29
5 書籍化されましたね。
情報を書きこんでおきます。
『最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版』
ランディ パウシュ著
ジェフリー ザスロー 著
矢羽野薫訳
ランダムハウス講談社
改めて感動しました…。

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