2008年01月24日

近親者間での子作りとホモ接合が男性の長寿につながる?


具体的な地名は明かされていないが、イタリア南部には90代の男性が特に多い地域があるという。地理的に離れた地域であり、外部から移り住む人はほとんどいない。この地域の存在に気づいたのは、同国カラブリア大学の遺伝研究チームだった。
ジュセッペ・パサリーノ氏が率いる研究チームでは、イタリアの国勢調査データを分析しているうちに、その地域を見つけ出した。さっそくその地域の電話帳を取り寄せてチェックしてみると、その地域には同じ姓を持つ人たちが非常に多いことがわかった。

僻地に長寿者が多く、しかも同姓の人が多い。――これは、血族同士の結婚が多いことを意味していた。もちろん、イタリアでも血族間の結婚が許されるのは4親等以上離れている場合だけであり、「いとこ同士」より近親の者同士が結婚することは許されない。

血縁関係が近い者同士が結婚すると、似通った遺伝子構成を持つ父と母の間に子供が生まれることになる。このため、2つの同じ遺伝子のコピーが両親から子へ受け継がれる割合が高くなる。このように同じ遺伝子のコピーが1つに接合したものを“ホモ接合体”(homozygosity)と呼ぶ。

ホモ接合体の最も身近な例は、血液型に見ることができる。O型の人は皆、ホモ接合体OOの持ち主だということになる。両親共にAB型で、あなたの血液型がA型ならホモ接合体AA、B型ならホモ接合体BBの持ち主ということになる。

ホモ接合型の遺伝子の割合が高い子は、さまざまな病気のリスクにさらされる。日本でも昔から「血が濃いと病気の子供が生まれる」などと言われてきた。

しかし、パサリーノ氏が“New Scientist”誌上で発表した論文によれば、血族同士の夫婦の間に生まれた子は、病気のリスクさえ乗り越えることができれば将来的に長生きできる可能性が高いという。

「血族婚に問題があることは誰でも知っている。生まれた子がさまざまな病気にかかるリスクが高くなるのだ」パサリーノ氏は述べている。「しかし、その一方で、子供のころに病気にならずに済めば、長生きできる可能性が高まるのである」

血族婚が繰り返され、遺伝子プールが一定に保たれていると、両親から同じ遺伝子のコピーを継承する“ホモ接合体”の発生率が高まる。血族婚の多いこの地域に長寿の男性が多いのは、まさに“ホモ接合体”の発生率が高いからではないか、というのがパサリーノ氏の主張である。

パサリーノ氏によれば、特定の遺伝子がコピーされることにより寿命が延びる。そして、そのコピーを二重に継承すれば、その効果が倍増する。

パサリーノ氏はこう付け加えている。「過去に行われたいくつかのDNA解析でも、100歳以上まで長生きした人のゲノムを調べたところ、特定の領域において異常に高い率でホモ接合体が発生していることがわかっている」

パサリーノ氏の主張を整理すると、次のようになるだろう。

  • 特定の病気の原因となる遺伝子が両親からコピーされて“ホモ接合体”になると、その病気を発症するリスクが大幅に高まる。

  • しかし、長寿に関連している遺伝子が両親からコピーされて“ホモ接合体”になった場合は、長生きできる可能性が大幅に高まる。


実際、農作物の品種改良などでは、ホモ接合体を作り出すことによって品種の安定化が図られる。

しかし、ヒトの近親交配が悪い結果をもたらすことは、遺伝学や医学が発達する以前から経験則的に知られてきたことである。さらに、ヒトやその他の動物の性行動には、近親交配を避けるためのプログラムが組み込まれているとする進化論的研究も多い。(もっとも欧州の王族の間では、近親婚がしばしば繰り返されてきた)。

シカゴ大学のレオニード・ガブリロフ氏は、血族婚のおかげで100歳以上まで長生きできている人がいたとしても理論的にはおかしくないとしながらも、長寿遺伝子ホモ接合体のメリットが男性にしか現れないというのは疑わしい、と述べている。

Wikipediaの「いとこ婚」の項には、次のような記述がある。

英国の研究ではイギリスに住むパキスタン人(55%がいとこと結婚する)の遺伝子障害の発生率が一般住民の13倍もの高率であり、いとこ婚の子供の10人に1人は幼年期に死ぬ或いは重大な障害を起こすということが分かった。イギリスではパキスタン人(人口の4%未満)が遺伝病の子供全体の少なくとも3分の1を占めている。


パサリーノ氏らは、英国在住のパキスタン人についても調査すべきかもしれない。英国在住のパキスタン人たちが上記のように幼少時に病気を患うことが多くても、そうでないグループの中に長寿者が多ければパサリーノ氏の学説が裏付けられることになるだろう。

【追記】

コメント欄に投稿しようとしたら文字数が多すぎて投稿できなかったという方からコメントがメールで送られてきた。livedoorBlogのコメント欄には全角400字まで(正確には800バイトまでで改行は2バイトとして換算)という制限がある。このため、コメントが長くなりすぎたときは何回かに分けて投稿しなければならない。不便な仕様である。

送られてきた長文コメントを没にするのは勿体無いので、3つに分けて代理投稿しておいた(名前欄が「管理人代理投稿」になっているコメント)。ただし、これに倣ってメールで長文コメントを送りつける人が続発すると、ただでさえ時間のない筆者の時間がさらになくなってしまうことをご理解いただきたい。

この長文コメントの投稿者の方は、この記事で取り上げている話題について何か危惧を持っておられるようだが、他所と被りにくいネタを血眼になって探してきて記事にしているというのが当ブログのスタンスであることもご承知置きいただきたく思う。

他所と被りにくいネタには、いくつかのパターンがある。要するに既存メディアが取り上げないネタが被りにくいネタになるわけだが、その中には“差し障り”があるネタも含まれる。この記事がまさにその典型である。

この記事では、かなり大幅に情報を補足してあるが、当ブログの記事にしては珍しく筆者の主観というものがほとんど加味されていない。そういえば、以前、この手のネタには「なんとも言えない度」という評点をつけていたことを思い出した。よって、カテゴリを「ありえる度」から「なんとも言えない度」に変更しておいた。

なんとも言えない度9■■■■■■■■■□





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1. インブリードの意外な効能か?!  [ 私的ニューススクラップ ]   2008年02月06日 23:25
なんでも評点:近親者間での子作りとホモ接合が男性の長寿につながる? 通説では弱い個体に生まれやすいといわれて避けられているが、一方では長寿のきっかけにもなっているということらしい。 結合する遺伝子は近ければ近いほど遺伝子にとってもハイリスクハイリターン...
2. エロゲオンライン?  [ 虚空に漂いて・・ ]   2008年02月11日 20:30
エロゲオンライン? いいえ ケフィアです          ∧_∧         ( ;;;)ω・) ごめんなさい         (#...

この記事へのコメント

1. Posted by アッ   2008年01月25日 03:35
アッー!
2. Posted by NB   2008年01月25日 05:48
これはぜったいウソですわ。
話題として取り上げるのはともかく、ネタ元の学者にはちょっと腹が立つ。
3. Posted by 会社員   2008年01月25日 07:28
ホモって…
狙いましたね(笑)
4. Posted by AAA   2008年01月25日 09:54
 品種の安定のためのホモ接合とは、「品種」として遺伝子が一様であるためのホモ接合であり、固体としての安定とはまったく違います。
 つまり、「品種」として安定してさえいればよく、その品種の個体の長寿性や頑健さなどはまったく関与しません。
 「ある同一遺伝子によってグループと見れる個体群」の特性として生得的に脆弱であろうが、多収穫、良味などの特性をも持てば一つの品種として成立します。この場合ももちろんその有用な遺伝子群についてのホモ結合を用い、品種としての安定性を作りますが、やはりその品種の固体は脆弱なままなのです。

 実際、作物というものは当然ながら野生の植物からのホモ結合を用いた改良植物ですが、野生の植物と比べるとその生命力は格段に落ちます。だからこそ農薬や除草などの人為的な補助無しにはまともに生きていけないのです。
5. Posted by     2008年01月25日 11:02
ホモ接合とか別のこと想像しちゃったじゃんかー
6. Posted by 管理者代理投稿(1 of 3)   2008年01月25日 15:39
長命の因子は近親婚によるホモ接合(?)によって新たに生じたのではなく
単にそこにあった長命な因子群がその隔離された小集団の中に受け継がれてきた、ただ
ただそれだけ、
と受け取るのがシンプルかつ順当な解釈だと思います。
逆に、短命な小部族みたいなのだって探せばいくらでも見つかるだろう。

近親婚のタブーは奇形が増えるとかいった「経験則」による、というのは
パサリーノ氏曰く「誰でも知っている」とのとおり非常に流布した「常識」だが、
タブーの陰に科学的真理ありみたいな素朴な還元論は大抵眉唾もの。

近親婚のタブーも、人間はそうしたいのだという文化そのものかもしれない。
人間は出生時ほぼ白紙で、「プログラム」はすべてジーンじゃなくてミームに書き込ま
れてるということです。
7. Posted by 管理人代理投稿(2 of 3)   2008年01月25日 15:53
実際に実験がなされないのでどっちとも言えませんが。
勿論、近親婚で発現し得る特定の遺伝疾患は別だが、その稀な例がほぼ人類全体の強固
な禁忌の説明にはなりえない。

農作物として都合の良い形質が人為的に保存されるように、
ペットの犬や猫で、珍しい外見的特徴を固定する為の近親交配で、内臓奇形の頻出とい
うオマケがついてきたこともある。
近親交配で選り出されるのは「よい形質」「悪い形質」どちらも可能である。

そんな訳でわたしはこれは一種のジョークじゃないかとも感じたのですが。
「長寿村」のゴシップに、ゲノムがどうのと大袈裟極まる説明をしてみせるという。
あるいは科学めかした皮肉?としていかにもキリスト教規範に抵触しそうなネタを提供
してみたとか。
8. Posted by 管理人代理投稿(3 of 3)   2008年01月25日 15:54
どっちみちこの話自体はとくにインパクトのあるものでもない。
でも、ある「ガセビア」が意外なほど浸透していて、結構な影響力を持っていることも
ある。好例がちょっと浮かびませんが。
ナチスの優生学とかノストラダムスの予言本ブーム→オウムとか、その辺はまた微妙に
違うんだけれども、
ifの話として、こういう「科学ニュース」が巡り巡って後々のとんでもない災厄の元に
なったりして。伏流水が遠い土地で大きな流れを作るようにですね。
なんでわたしがこうしてこの件で妙にしゃかりきなのか、webmastarさんにもピンと来
ないかも知れないけど、ふとそんなイメージが浮かんだのです。
だれのせいでもない、ネットがそこにあったからというカタストロフが、今のとこはま
だ起きてませんが。
9. Posted by あ   2008年01月25日 17:43
旧約聖書によれば初期の人間(アダムやノア)などはみんな900歳ぐらい生きてますよね
なんかこの記事と関係あるんじゃないかと思ってみたりしました
10. Posted by www   2008年01月25日 21:22
つまり良い因子が近親婚で倍受け継がれてくっついて、
そのくっついた良い因子がまたまた近親婚で受け継がれて倍になって・・・
て事かいな?
そりゃすごいけど、実際はマイナス面が受け継がれるリスクの方が遥かに大きいんでしょうが
この学者さん、その辺忘れてないか?
11. Posted by ヴァル   2008年01月26日 00:36
ホモ接合でつられましたw
この部族が偶然優良な遺伝子を持っていただけでしょうねぇ
12. Posted by 谷岡   2008年01月26日 10:46
5 アッー!
13. Posted by わぉ   2008年01月30日 01:48
近親でキャリアだと劣性連載遺伝で病気発祥する人多くなるよ。
14. Posted by カシール   2008年02月01日 23:00
3 サラブレッドでいう、「アウトブリード」「クロス」ってのと一緒なのかも。クロス(血統的に近い交配)だと体質的に弱い仔が産まれる危険性はあるものの、能力的に非常に優れた馬の出る可能性もあるそうですよね。人間も馬もこうした点では一緒のところが有るのかもしれませんね。
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19. Posted by なままえ   2014年08月27日 13:55
> 2つの同じ遺伝子のコピーが両親から子へ受け継がれる割合が高くなる。

遺伝学のド素人が犯しがちな誤りwww
無知すぎてわろた。

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