G- なんでも評点:香港で15歳の“中学生潜入捜査官”が大活躍、悪党117人の検挙につなげる

2008年01月05日

香港で15歳の“中学生潜入捜査官”が大活躍、悪党117人の検挙につなげる


2005年10月のこと、香港のとある荒廃した中学校に15歳の少年が転校してきた。彼は素性を隠し、偽名を名乗っていた。ある特殊任務を帯びていたからである。正義を守るために危険を顧みず同校に潜入したのだった。・・・こんな書き出しで始めると、「例によって、またこの少年が勝手に自分でそう思い込んでいたという話ではないのか」と疑ってかかる読者も少なからずおられることだろう。
だが今回は、“ありもしない能力が自分に備わっていると信じている系”の話ではない。少年は本当に特殊任務を帯びていた。危険な任務だった。自分の正体がばれようものなら、容赦ない制裁を受けた挙句、九龍沖の海に沈められることまで覚悟しなければならなかった。

少年の潜入先の中学校の荒廃ぶりはひどく、ギャング予備軍のような不良生徒がうようよしていた。いや実際、香港で発生している犯罪の3パーセントに関与していると言われるマフィア結社「三合会」の下部組織が同校の生徒たちに接触し、見込みのあるワルたちを末端構成員としてスカウトしているほどだった。

「三合会」はドラッグ密売シンジケートを動かしており、下部組織や末端の売人から上納金を吸い上げている。「三合会」の傘下にあるギャングたちと接触し、情報を得ること――それが少年に課せられた任務だった。

少年は、同校の内外で暗躍するギャングたちと積極的に接触を持ち、連中に一目置かれる存在となった。連中が生徒たちをスカウトしている様子を目の当たりにすることができたし、連中が他の生徒たちを叩きのめす様子も目撃した。

15歳とは思えないほど度胸が据わっている少年のことをギャングたちはよほど気に入ったらしく、ドラッグを取り引きしている現場に彼を立ち会わせるまでになった。

こうして、少年は2005年10月に同校に潜入してから翌2006年1月までの正味4か月間で、ギャングたちを起訴するに十分な情報を収集することに成功した。これを受けて一斉検挙作戦が展開され、117名もの検挙者が出た。

1月3日、ギャング団のリーダー格の若者がドラッグ密売、暴力、「三合会」への関与などの容疑で裁かれ、懲役14ヶ月の実刑を言い渡された。

リーダー格のほか、18歳〜20歳の若者5名も裁きを受け、12か月〜18か月の保護観察処分を言い渡された。メンバーはほかにも数十名おり、これから順次法の裁きを受けることになる。

注:中国本土と比べると、罪状に対して量刑が異常に軽い。本土なら、ドラッグ密売だけでも死刑を言い渡される。筆者にも、量刑が軽い理由はよくわからないのだが、以下のような点が考えられる。

  1. 香港(香港特別行政区)は、中国本土から独立した司法機構を有している。

  2. このギャング団が密売していたドラッグは、麻薬として分類されないドラッグである可能性がある。


さて、フィクションの世界なら、小中高生がこんな極秘任務を帯びて活躍することもざらにある。しかし現実には、まずありえない。まあ確かに、われわれは別に10代でなくても、「自分は特殊な任務(あるいは使命)を帯びてここに潜入しているのだ」と妄想したくなるときがあったりする。そう妄想することで、嫌気のさす現状に何とか耐えることができたりもするだろう。

ともあれ、この“少年”は当然のことながら15歳の少年などではなかった。香港市警所属のれっきとした捜査官だったのである。本件を伝えている英文記事によると、この潜入捜査官の実年齢と氏名は法廷でも明かされることがなかった。だが、15歳でも通用してしまいそうな童顔の持ち主らしい。

フランスでは、3年ほど前、どう見ても15歳に見えないはずの31歳の男が15歳の中学生のふりをしていただけなのに、周りの者が全員まんまと騙されていたという話があった(下記「関連記事」参照)。

香港市警は、この潜入作戦を立てる上で、1991年に香港で大ヒットした周星馳 (チャウ・シンチー) 主演の映画『逃學威龍・ファイトバックトゥスクール』を参考にしたとか。『ファイトバックトゥスクール』では、特殊部隊“飛虎隊”の指揮官が、銃の盗難事件を解決するために転校生として男子校に潜入する。

本件は、香港最大の英文日刊紙“South China Morning Post”が最初に伝えた。日本でも既出の話かと思ったが、まだ日本語では伝えられていないようなので取り上げることにした。ただし、例によって本稿は読み物仕立ての構成を取っているし、肉付けと情報補足をふんだんに加えてある。




■ Source: Cop goes undercover in school to trap Hong Kong triad gangsters

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この記事へのコメント

1. Posted by 男子高校生   2008年01月05日 23:36
この手の妄想はありがち過ぎるw
2. Posted by ToTo   2008年01月06日 03:51
これがホントのスケバンデカ!

あれ?
男ジャン!15歳じゃないらしいジャン!

じゃぁインファナル・アフェア?
ありぃ?ww
3. Posted by     2008年01月06日 10:45
日本の警察は囮捜査が出来ないらしいが、秘匿されてるだけかな?
4. Posted by     2008年01月06日 20:25
米3
麻薬関係は出来るようになったんじゃなかった?
5. Posted by    2008年01月07日 00:04
おっとり捜査は得意だよね。
なんてうまいこと言ってみたりして。
6. Posted by 某管理人   2008年01月07日 18:46
某ブログの管理人です。私のサイトでもこの記事紹介しましたよ。私は”Metro.co.uk”を見て書いたのですが、何でも評点さんの記事の掘り下げのすごさにびっくり...
あんだけのソース記事でここまで書いちゃうとは恐れ入りました。レベルが違うのを改めて実感です。
7. Posted by     2008年01月10日 22:17
いつも楽しく拝読させていただいております。
日本でもコントロールド・デリバリーは出来ますね。
それにしても、その潜入捜査員の顔が気になる・・・
15歳に見える成人ってどんな(笑)
あと、三合会って、実在する組織なんですね。
某作品に出ていて架空の団体だとばっかり思っていたのですが。びっくりです。

では、これからも、楽しい記事を書き続けてください。
8. Posted by     2008年01月11日 13:10
十五歳に見える若さのほうがうらやましい
9. Posted by ねじ   2008年01月12日 00:03
マガジンのシバトラみたいだな
10. Posted by あまはら   2008年01月28日 13:16
シバトラ!
まさに少年マガジンのシバトラですねー。
11. Posted by     2009年05月10日 10:55
5 小池徹平並みの童顔だったんだろうか
12. Posted by         2009年07月18日 22:45
>例によって、またこの少年が勝手に自分でそう思い込んでいたという話ではないのか

>だが今回は、“ありもしない能力が自分に備わっていると信じている系”の話ではない

管理人も黒歴史を持つのだろうか・・・?
13. Posted by    2009年07月20日 10:03
俺の兄貴もやばい童顔だわ。
ヒゲ生えないし27なのに、小中学生の弟に間違われる。
実際中学生の弟がいるんだが、兄貴よりずっと大人っぽい。
顔もいいから羨ましい。
14. Posted by click for info   2014年05月11日 06:44
dekang e-liquid なんでも評点:香港で15歳の“中学生潜入捜査官”が大活躍、悪党117人の検挙につなげる

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