2008年01月04日
オーストラリア・タスマニア州の州都ホバートの東、タスマン半島の沖に広がる美しい海。12月28日のこと、その広大な海の中に、直径1ミリ、長さ1センチほどの実に小さな装身具が沈んで行った。クリスティ・ブリテンさんという25歳の女性がクリスマスの1週間ほど前から鼻に入れていたスタッド・ピアスだった。
その日、クリスティさんはタスマン半島のスロープン・メインの海でニーボードを楽しんでいた。ニーボードは、サーフィンボードに似ているが、ひざまずいた姿勢で乗るタイプのボード。このボードで波に乗ることもできるが、水上スキーのようにモーターボートで曳いてもらうことが多いようだ。
その日は海が少し荒れていたようで、クリスティさんはニーボードから転落してしまった。彼女が気づいたときには、小鼻に開けたピアス穴から既にスタッド・ピアスが消えていた。
海には潮流というものがある。小さなピアスがどこまで流されたかわからない。ピアスが最終的に到達したはずの海底だって平坦ではない。たとえ潜水具を装着して潜ったとしても、そんな小さなピアスを見つけ出すことは不可能に等しい。
だが、この小さなピアスは、わずか3日後にクリスティさんの手元に戻ることになる。誰かが海に潜って見つけ出してきてくれたわけではない。どう考えても“出来過ぎ”にしか見えない偶然の多重一致が起きたのである。本件を伝えているMercury紙の記事自体、次のような冒頭文で始まっている。
上の英文の中では、“fishy”という形容詞が「眉唾」とか「疑わしい」の意味で使われている。しかし、“fishy”には「魚臭い」という意味もある。実際、クリスティさんのピアスは非常に魚臭い状況で見つかった。もっとわかりやすく言えば、魚の腹の中から見つかったのである。
しかも、その魚を釣り上げたのはクリスティさんの婚約者ダレン・トリフェットさんだというのだから、さらに“出来過ぎ感”が増す。クリスティさんが鼻ピアスを失くした3日後、ダレンさんは友人のティム・ホールさんと二人で釣りに出かけた。
二人が釣りの仕掛けを下ろしたポイントは、クリスティさんがピアスを失くした地点とほぼ一致していた。だが、二人の目的は魚を釣ることであって、ピアスを探し出すことではなかったので、これはたまたま一致したということだろう。
ダレンさんとティムさんはそのポイントで狙いどおりの釣果をあげ、意気揚々と引き揚げた。釣果には、1匹のコチ(flathead)が含まれていた。
コチは若干グロテスクな姿をしているが、日本でも高級魚として知られ、刺身でも天麩羅でもいける上品な白身の魚である。婚約者クリスティさんが待つ家にティムさんと一緒に戻ったダレンさんは、さっそくコチに包丁を入れ、三枚におろしはじめた(注:コチの場合は「五枚おろし」が正しいかもしれないが)。
すると、コチの腹の中に小さな金属片が見つかった。ダレンさんとティムさんは最初、それを見て釘か鋲のようなものではないかと思った。
魚をさばいている二人と話をしていたクリスティさんは、コチのお腹の中から取り出された金属片を見て、驚きの声を上げた。そう、それはまさしく3日前に彼女が海で失くした鼻ピアスだったのである。
クリスティさんは、鼻ピアスがきらめきながら沈んで行くのを見たコチが餌の小魚と間違えて一気に呑み込んだのだろう、と推理している。
「でも」とクリスティさんは言う。「海には魚が無数にいます。その中にたった1匹しかいない魚を偶然釣り上げるなんて・・・」
こんなとてつもない偶然の多重一致で戻ってきたピアスである。クリスティさんは、それを“幸運のお守り”として大事に取っておくことにした。「二度と失くさないように、小袋に入れて仕舞ってあります」とクリスティさんは言う。
クリスティさんは“幸運のお守り”のご利益を試してみる気になっている。ロトのチケットを買ってきて、その上に“幸運のお守り”を乗せておくつもりだという。そうすれば、再び偶然の多重一致が起こり、見事当選を果たすことができるのではないか、というわけである。
“幸運のお守り”としての効能はともかく、本件で最も凄いのは(作り話でないとすれば)、ピアスを呑み込んだコチをたまたま彼女の恋人が釣り上げたという点に尽きるだろう。他人が釣り上げていれば、ピアスが彼女の元に戻ることはなかった。
ロトを当てるなんてことより、二人が運命の赤い糸でつながれている証としてとらえるべきではないかという気がしないでもない。ソースにはそこまで詳しく書かれていないが、この二人は婚約中なので、もう長い付き合いなのかもしれない。
仮に出会って間もない二人の間で、こんな凄まじい偶然の多重一致が起きれば、間違いなく二人はお互いが運命の赤い糸でつながれているという確信を持ったことだろう。具体的には、次のような展開である。
■ Source: Lost stud turns up in fish
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その日は海が少し荒れていたようで、クリスティさんはニーボードから転落してしまった。彼女が気づいたときには、小鼻に開けたピアス穴から既にスタッド・ピアスが消えていた。
海には潮流というものがある。小さなピアスがどこまで流されたかわからない。ピアスが最終的に到達したはずの海底だって平坦ではない。たとえ潜水具を装着して潜ったとしても、そんな小さなピアスを見つけ出すことは不可能に等しい。
だが、この小さなピアスは、わずか3日後にクリスティさんの手元に戻ることになる。誰かが海に潜って見つけ出してきてくれたわけではない。どう考えても“出来過ぎ”にしか見えない偶然の多重一致が起きたのである。本件を伝えているMercury紙の記事自体、次のような冒頭文で始まっている。
IT is a tale some would say smells a bit fishy, but Kristy Brittain swears it is true.
(眉唾な話に聞こえるかもしれないが、クリスティ・ブリテンさん本人は本当の話だと断言している)
上の英文の中では、“fishy”という形容詞が「眉唾」とか「疑わしい」の意味で使われている。しかし、“fishy”には「魚臭い」という意味もある。実際、クリスティさんのピアスは非常に魚臭い状況で見つかった。もっとわかりやすく言えば、魚の腹の中から見つかったのである。
しかも、その魚を釣り上げたのはクリスティさんの婚約者ダレン・トリフェットさんだというのだから、さらに“出来過ぎ感”が増す。クリスティさんが鼻ピアスを失くした3日後、ダレンさんは友人のティム・ホールさんと二人で釣りに出かけた。
二人が釣りの仕掛けを下ろしたポイントは、クリスティさんがピアスを失くした地点とほぼ一致していた。だが、二人の目的は魚を釣ることであって、ピアスを探し出すことではなかったので、これはたまたま一致したということだろう。
ダレンさんとティムさんはそのポイントで狙いどおりの釣果をあげ、意気揚々と引き揚げた。釣果には、1匹のコチ(flathead)が含まれていた。
コチは若干グロテスクな姿をしているが、日本でも高級魚として知られ、刺身でも天麩羅でもいける上品な白身の魚である。婚約者クリスティさんが待つ家にティムさんと一緒に戻ったダレンさんは、さっそくコチに包丁を入れ、三枚におろしはじめた(注:コチの場合は「五枚おろし」が正しいかもしれないが)。
すると、コチの腹の中に小さな金属片が見つかった。ダレンさんとティムさんは最初、それを見て釘か鋲のようなものではないかと思った。
魚をさばいている二人と話をしていたクリスティさんは、コチのお腹の中から取り出された金属片を見て、驚きの声を上げた。そう、それはまさしく3日前に彼女が海で失くした鼻ピアスだったのである。
クリスティさんは、鼻ピアスがきらめきながら沈んで行くのを見たコチが餌の小魚と間違えて一気に呑み込んだのだろう、と推理している。
「でも」とクリスティさんは言う。「海には魚が無数にいます。その中にたった1匹しかいない魚を偶然釣り上げるなんて・・・」
こんなとてつもない偶然の多重一致で戻ってきたピアスである。クリスティさんは、それを“幸運のお守り”として大事に取っておくことにした。「二度と失くさないように、小袋に入れて仕舞ってあります」とクリスティさんは言う。
クリスティさんは“幸運のお守り”のご利益を試してみる気になっている。ロトのチケットを買ってきて、その上に“幸運のお守り”を乗せておくつもりだという。そうすれば、再び偶然の多重一致が起こり、見事当選を果たすことができるのではないか、というわけである。
“幸運のお守り”としての効能はともかく、本件で最も凄いのは(作り話でないとすれば)、ピアスを呑み込んだコチをたまたま彼女の恋人が釣り上げたという点に尽きるだろう。他人が釣り上げていれば、ピアスが彼女の元に戻ることはなかった。
ロトを当てるなんてことより、二人が運命の赤い糸でつながれている証としてとらえるべきではないかという気がしないでもない。ソースにはそこまで詳しく書かれていないが、この二人は婚約中なので、もう長い付き合いなのかもしれない。
仮に出会って間もない二人の間で、こんな凄まじい偶然の多重一致が起きれば、間違いなく二人はお互いが運命の赤い糸でつながれているという確信を持ったことだろう。具体的には、次のような展開である。
- ある女性がクリスティさんと同じように海にピアスを落とす。
- その3日後、最近知り合ったばかりの男性の家に招待される。釣りたての魚を料理して食べさせてくれるという。
- 男性が魚をさばく手つきを眺めていると、自分の失くしたピアスが魚のお腹の中から出てくる。
- あんな広い海に1匹しかいない魚(自分のピアスを呑み込んだ魚)を彼は釣り上げた。彼と自分は運命の赤い糸でつながれているに違いない。
■ Source: Lost stud turns up in fish
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この記事へのコメント
1. Posted by あ
2008年01月04日 22:41
なぜ最近評価をしないのですか?この記事の評価はなんですか?
2. Posted by ・о・
2008年01月05日 10:10
たしか評価が(いろいろな意味で)苦しくなってきたため、評価は外されたと記事があったと思います。
なので私達で評価をしてみてはどうでしょう?
ありえる度
0□□□□□□□□□□
錫の兵隊さんを思い出しました。
なので私達で評価をしてみてはどうでしょう?
ありえる度
0□□□□□□□□□□
錫の兵隊さんを思い出しました。
3. Posted by あ
2008年01月08日 20:03
ピアスっていったって何個も同じのが売ってあるから
その女性のものとは限らないんじゃないかな
その女性のものとは限らないんじゃないかな
4. Posted by ・
2008年01月10日 20:57
まあそうだね
落とした時点と釣り上げた時点の間のピアスは観測されていないから、実は誰かが同じピアス百個を投げ込んでいて、それを釣り上げたってのもアリだな
随分つまらなくなるがw
落とした時点と釣り上げた時点の間のピアスは観測されていないから、実は誰かが同じピアス百個を投げ込んでいて、それを釣り上げたってのもアリだな
随分つまらなくなるがw
5. Posted by 333
2008年01月13日 12:41
その恋人がピアスをなくしたことを知っていれば、同じものを買っておいて、魚を捌いてるときに身と身の間にもぐりこませることもできたね。
6. Posted by
2008年01月20日 23:22
コチは五枚じゃなくて三枚でいいが
五枚はヒラメとカレイだろ
五枚はヒラメとカレイだろ
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