2007年10月24日

14歳の少女に腎臓を提供して命を救った男性が翌年その少女の父に命を奪われる


セルビアのドラゴスラフ・テシクさん(58歳)は、昨年、ある14歳の少女が腎臓を病んでいると聞いた。彼女はまだ14歳という若さなのに、腎臓移植手術を受けないと、もう長く生きられないという。
テシクさんは、少女の両親に連絡を取り、自分の腎臓を提供したいと申し入れた。テシクさんから腎臓を譲り受けた少女は健康を回復し、失われかけた未来を取り戻した。

犠牲を払ったテシクさんも少女が元気になって、さぞかし喜んだことだろう。当然、少女の両親は、テシクさんに心から感謝したことだろう。

ところが、今年の10月15日、ロズニツァとバリェボを結ぶ道路上で、テシクさんはミレンコ・ブルマゾビクという男に喉を掻き切られて死んでしまった。ブルマゾビクは誰あろう、テシクさんが救った少女の父親である。

本件を伝えたセルビアの日刊紙Vecernje Novostiによれば、ブルマゾビクはテシクさんを襲ったとき明らかに気がふれていたという。警察が現場に到着したとき、ブルマゾビクはテシクさんのなきがらのそばで悠然とタバコをふかしていた。

ブルマゾビクは、首都ベオグラードから120キロほどに位置するロズニツァ近郊の村ヴェリコ・セロで農場を営んでいた。その日は早朝から、農場で大事に育てていた牛(注1)を数頭射殺するという狂気の行動に及んでいた。その後、何らかの形でテシクさんと接触を持ち、凶行に及んだと思われる。

伝えられている情報は詳細に乏しい。そもそも、テシクさんがブルマゾビクの娘に腎臓を提供するより前から2人が知り合いだったのかどうかも判然としない。もしかしたら、腎臓の提供は純粋に善意だけに基づくものでなかった可能性もある。

娘が腎臓の提供を受けるに当たって、農場を営んでいて裕福なブルマゾビクがテシクさんに何らかの見返りを約束した可能性も否定できない(注2)。しかし仮にそうであったとしても、娘の命の恩人であることに変わりはないはず。“恩を仇(あだ)で返す”の究極例と言うべきか。

当の少女は、いったいどんな思いで、父の犯した罪と恩人の死を受け止めたことだろうか。

注1:通貨に不安のあるセルビアでは、牛は値打ちものである。前に取り上げたことがあるが、ペニス増大手術の手術の費用を牛で支払ってもよいクリニックが人気を集めていたりする(「関連記事」参照)。

注2:東欧では、自分の臓器を売ってお金を作ろうとする人たちがいて、たまに珍ニュースとして取り上げられていたりする。





■ Source: Serb kills man who saved his daughter

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1. 超暇つぶしブログ  [ 超暇つぶしブログ ]   2007年10月24日 06:50
 

この記事へのコメント

1. Posted by 会社員   2007年10月24日 06:44
もっと詳しく知りたいなあ
2. Posted by     2007年10月24日 12:59
なんだかもやっとする話
少女がかわいそうだっていうのは変わらないんだけど…。
3. Posted by ・   2007年10月24日 17:57
なんか乾くなぁ
4. Posted by     2007年10月27日 18:00
少女との結婚が臓器提供の条件だったとか・・・
5. Posted by 、   2007年10月28日 20:49
エホバの証人がらみかと思った
6. Posted by ぷみゃー   2014年07月17日 02:19
少女の気持ちを考えてみたら、吐き気がした・・・

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