2007年09月21日

末期ガンで余命数ヶ月と宣告された46歳の教授が沈痛さのかけらもなく元気たっぷりに「人生最後のレクチャ」


米国ペンシルベニア州ピッツバーグ市のカーネギーメロン大学で、9月18日の午後、46歳のランディー・パウシュ教授(コンピュータ・サイエンス)が最後の教壇に立った。大講義室には、400人もの聴講者が集まった。400人の中には、学生だけでなくパウシュ教授の同僚たちも大勢含まれていたし、そもそもこれは教授にとって「人生最後のレクチャ」だった。
パウシュ教授は、専門とするコンピュータ・サイエンスの講義をしようとしていたわけではないのだ。まもなくこの世を去ろうとしている者が、自分のこれまでの人生で得てきた知恵と叡智をこの世に残る者たちに授けるための講義だった。

パウシュ教授の余命は数ヶ月しかない。だが、最後の教壇に立った教授は、まさか末期ガンに冒されているとは信じられないほど、陽気でエネルギッシュである。

下のビデオは「最後のレクチャ」の様子を収めたものだが、再生時間1:07あたりで、教授は床に手を突いて腕立て伏せを始めてしまう。途中で片手腕立てさえ試みるし、両手腕立てでも両手を床から浮かせる瞬発力を見せている。

だが、そのシーンに入る少し前に、教授の体内でガンがどこまで進行しているかを如実に示すCTスキャン画像が大写しになる。すい臓に生じたガンは既に肝臓に転移しており、CT画像には10個もの腫瘍が写し出されている。

だが、パウシュ教授は聴衆に向かって、こう言ってのける。「沈痛な表情の私を予想していた人がいたら、がっかりさせてごめんなさいね」(“If anyone expected him to be morose, I'm sorry to disappoint you”)






再生時間1:27あたりで、3人の我が子たちに囲まれている教授の写真が映し出される。その後、彼は自分が子供だったころの夢について語っている。カーニバルで大きな縫い包みをゲットすること、無重力空間を歩くこと、ディズニーランドの乗り物を設計すること、ワールドブック百科事典の執筆者になること。そして、それらの夢をすべてかなえてしまった。

だが、彼のキャリアは、順風満帆たるスタートを切ったわけではなかった。むしろ、壁にぶち当たってばかりだった。その当時の不合格通知が何通かスクリーンに映し出される。

再生時間3:08あたりで、煉瓦の壁の画像を配したスライドが現れる。このスライドを見せながら、教授は言う。「煉瓦の壁が行く手を阻むのには、ちゃんと理由があるんですよ。チャンスを与えてくれているんです。われわれが、どれほど何かを切望しているかを自ら証明するチャンスをね」

こうして、徹頭徹尾ユーモアたっぷりな雰囲気でパウシュ教授の「人生最後のレクチャ」は終わりを迎える。拍手喝采の中、壇上に上がって教授と熱い接吻を交わしているのは、彼の奥さんである。講義の前日が誕生日だった。

上のビデオに収められているのはレクチャのごく一部だが、教授は全内容を録音しながら講義を進めた。1歳、2歳、5歳の子供たちがやがて大きくなって、父が残した声と言葉を聴くことになるだろう。

揺るぎない秩序の船に乗ってカオスの海を行く ― ランディ・パウシュの『最後の授業』書評(2008年6月21日)





■ Source: A Beloved Professor Delivers The Lecture of a Lifetime

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この記事へのコメント

1. Posted by ▲   2007年09月27日 11:53
5 このレクチャDVD化してほしいです。
2. Posted by UNO   2007年12月06日 06:46
これは、凄い・・・。
人生で最後、自分の全てを詰められるだけ詰めて後世に伝えるためのレクチャー。
そんな舞台が用意されるのはごく僅かの方しかいないでしょうが、この方の場合それが叶った。きっと内容はとても実が詰まっていて充実した素晴らしいものだったのではないでしょうか。
是非、全てを聴いてみたいですね。
3. Posted by 常盤   2008年05月19日 13:33
はじめまして。
ランダムハウス講談社の常盤と申します。
ランディ・パウシュ先生について検索していてたどり着きました。

パウシュ先生の動画に日本語字幕をつけました。
お時間のあるときにぜひご覧ください。

ランディ・パウシュの『最後の授業』」というタイトルで1〜9までに分割してあります。

http://jp.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA

パウシュ先生の講義には、私もとても感動いたしました。一人でも多くの方にこのメッセージが届くといいですね。

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