クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:チャットルームで巡り合った男女がお互いを真のソウルメイトと確信、リアルで会ってみると毎日さんざん見飽きた顔だった

2007年09月18日

チャットルームで巡り合った男女がお互いを真のソウルメイトと確信、リアルで会ってみると毎日さんざん見飽きた顔だった


ボスニアのゼニツァで32歳の夫と暮らしているサナさん(27歳)は、最近つくづく「この結婚は失敗だった」と思うようになった。満たされない心を誰かに癒してほしかった。いつしか、インターネットのチャットルームに出入りするようになっていた。
彼女は“Sweetie”というハンドル名でチャットルームに入り、ソウルメイトを探し続けた。そして、ある日、ついに互いの気持ちを分かり合える相手に巡り合った。“Prince of Joy”と名乗る彼もまた、悲惨な結婚生活を送っていた。

一方、同じくボスニアのゼニツァで27歳の妻と暮らしているアドナンさん(32歳)は、最近つくづく「この結婚は失敗だった」と思うようになった。満たされない心を誰かに癒してほしかった。いつしか、インターネットのチャットルームに出入りするようになっていた。

彼は“Prince of Joy”というハンドル名でチャットルームに入り、ソウルメイトを探し続けた。そして、ある日、ついに互いの気持ちを分かり合える相手に巡り合った。“Sweetie”と名乗る彼女もまた、悲惨な結婚生活を送っていた。

文字での会話はいくらでも弾んだ。お互い相手のことを、まさしく自分が探し求めていた真のソウルメイトなのだと確信した。もうチャット友達だけで済ますことなどできやしなかった。2人とも現在の結婚関係が冷え切っているとはいえ、配偶者を裏切ることになる。後戻りできなくなるかもしれない。だが、もうリアルで会わずにいられない。

2人は事前に写真交換もせず、電話や音声チャットを通じた肉声で会話することもなく、本名を名乗り合うこともなく、互いに一輪のバラの花を携えて、ある店の前で待ち合わせることにした。だが、そんな目印を決めておかなくても、お互いを一目で認識することができた。いくら冷え切っているとは言え、毎日、同じ屋根の下で顔を合わせている2人だったのだから。

“Sweetie”ことサナさんは言う。「一生をかけて愛せる人をついに見つけたのだと確信しました。“Prince of Joy”が私に語りかけてくれた言葉や、表現の節々に感じ取れる優しさは、今の結婚生活で満たされない私の心の隙間を埋めてくれました。

「そして、驚くべきことに、“Prince of Joy”もまた、私と同じように恵まれない結婚生活を送っていました。まさに、お互いを分かり合える2人だと感じたのです。

「そして、お互いがわかるように1輪のバラを携えて、待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは夫でした。夫も1輪のバラを持っていました。最初はあっけにとられていましたが、しばらくすると何が起きたかわかり、心がズタズタになりました。夫が自分を裏切ったのだと思うと、腹が立って仕方がありませんでした」

一方、“Prince of Joy”ことアドナンさんは言う。「自分を本当に理解してくれる女性とついに巡り合えたのだと思いました。本当に幸せな気分に満たされていました。でも、その相手は、生まれて初めて巡り合ったソウルメイトでもなんでもなかったのです。

「ただ、正直なところ、インターネット上で、あんなに素敵な言葉を投げかけてくれた“Sweetie”が妻だったとは、いまだに信じがたい気がします。妻は、もう何年もの間、あんなふうな素敵な言葉を私に投げかけてくれてはいないのですから」

結局、この夫婦は現在、離婚手続きを進めているという。妻のサナさんは「夫に裏切られた」と言っているが、それはお互い様というもの。今回はチャラにして、仲直りすればいいのに・・・という感想を持つ人もいるだろう。

互いに面識もなく始まるネットの出会いは、初めに言葉ありき、である。その言葉が真情から発せられているものである限り、ネットで出会った2人は互いの内面から相手を知ることになる。

しかし、この2人の場合は、お互いの内面のうち、あくまで現在の結婚生活に関する不満の部分でしか真情を吐露していなかったのではないかと読む。そりゃ、お互い同じ悩みを抱えている同士なのだから、会話も弾んだだろう。適切なアドバイスを与え合ったり、共感しあったりできる部分が大きかっただろう。

もっと互いに自分のことを広い範囲で語り、相手のことをもっと包括的に知ろうとしていれば、陳腐にも互いに1輪のバラを携えて待ち合わせをすることもなかったはず。その場合、お互いに相手が誰であるかに早期に気づいた可能性も高い。互いに配偶者の実名を出していれば確実だっただろうし、待ち合わせの前に写真を交換したり、本名を名乗った場合も、その瞬間、2人の夢は覚めていただろう。

むろん、今回のことでお互いを許し合って、やはり自分たちは一生の伴侶なのだと互いの関係を見つめ直して修復するというオプションもあった。だが、いったんもつれた男女関係、そうは問屋が卸さないのが十中八九ではないかと思う。

なお、本件に非常に類似した例を以前に取り上げて、「別居中の夫婦が別人を演じて互いに気づかぬままバーチャル恋愛」という記事にしたことがある(リンクは下記「関連記事」)。ストーリーとしては上記とかなり似ているが、それ以外に実に不思議な符合がある。旦那さんの方がチャットで使っていたハンドル名が“アドナン”なのである。

【追記:以前の類似事例と名前が奇妙に一致している件】

2005年の2月にヨルダンでも上記と類似の事例があり、AFPが伝えたものを当ブログでも取り上げたわけだが、上記の話と名前が一致しているのは夫の方だけではなかった(コメント欄で指摘あり)。

上記のボスニアの夫婦の話では、2人の姓を記していなかったが、Ananovaの記事にはKlaric(クラリチ)と記されている。ヨルダンの夫婦は、Melhem(メルヘム)という姓だった。姓は異なっているのだが、ハンドル名とファーストネームに関して、実に奇妙な一致がある。

  • Adnan(アドナン) ― ボスニアの話では夫のファーストネームがアドナンだが、ヨルダンの話では夫のハンドル名がアドナン。

  • Sana(サナ) ― ボスニアの話では妻のファーストネームがサナだが、ヨルダンの話でも妻のファーストネームは同じくサナ。


Ananovaは、おそらくボスニアのローカル紙に掲載された記事に基づいて英語の記事を作成・掲載したと思われる。そのボスニアの記事がヨルダンでの実話に基づく作り話だったのではないかと疑う人もいるだろう。

まあしかし、夫婦がたまたまインターネット上のチャットで同室になる確率自体、相当に低い。ましてや、2人が互いの正体に気づかずバーチャル恋愛に落ちてしまう確率にまで言及すれば、天文学的な数を分母に置かねばならなくなるだろう。それに比べれば、たまたま名前が一致する確率の方がまだ高い・・・ということにして、あえてソースの信憑性に目くじらを立てずに釣られてみるのもいいかもしれない。




■ Source: Couple divorce after online 'affair'

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1. ホーム/2007-09-18  [ とんかつ3号 隠れ亭 ]   2007年09月18日 07:13
おはようございます。 チャットルームで巡り合った男女がお互いを真のソウルメイトと確信、リアルで会ってみると毎日さんざん見飽きた顔だった(なんでも評点) そしてその結末やいかに。 というか、チャットでも合コンでも同じだと思うけど、「この相手とやってけそうだ」...
2. 互いに相手が自分の伴侶だと気づかず、チャットルームで不倫していた夫婦 他  [ 神楽書堂‐ニュースログ‐ ]   2007年09月18日 21:39
互いに相手が自分の伴侶だと気づかず、チャットルームで不倫していた夫婦 【詳細記事】 【詳細記事】 機内トイレを風呂と勘違いし、服を脱いで体を洗って叱られた三十代の男性 【詳細記事】 夏休み明けに校長が性転換―
3. 9/19  [ サイド9 ]   2007年09月19日 06:50
◆チャットルームで巡り合った男女がお互いを真のソウルメイトと確信、リアルで会ってみると毎日さんざん見飽きた顔だった(なんでも評点さん) なんだかんだいって相性良かったんじゃない....
4. ニュース  [ 超暇つぶしブログ ]   2007年09月19日 21:11
チャットルームで巡り合った男女がお互いを真のソウルメイトと確信、リアルで会ってみると毎日さんざん見飽きた顔だった http://rate.livedoor.biz/archives/50413671.html
5. [ラノベ][その他]責難は成事にあらず  [ 不動産屋のラノベ読み ]   2007年09月23日 19:47
「責難は成事にあらず」は小野不由美の十二国記の中で登場する言葉です。原典があるかどうかは知りません。 華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 作者: 小野不由美, 山田章博 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2001/09/05 メディア: 文庫 「何事かを

この記事へのコメント

1. Posted by     2007年09月18日 04:32
妻の名前も両方サナさんですね
2. Posted by 赤   2007年09月18日 15:50
お互いチャット中に話していた事を反省して、
また仲良く、とまでいかなくても、今後に繋げ
ていければ良いですね。
こう、人のせいにする性格の方って、自分の理
想に都合が悪くなったらまた不満を溜めて・・・
いつまで経っても進歩がないなぁと思ってしまいます。
3. Posted by     2007年09月19日 04:59
チャットじゃないですが、ヤフーの知恵袋で、妻の質問に私が答えてベストアンサーになっていた…ということはありました。

ネットは意外と広大ではないのかもしれません。
4. Posted by 奈々   2007年09月19日 22:28

上の方の体験、良いお話ですね!!ブラボーです。
5. Posted by ルー   2007年09月20日 02:32
結局2人は嫌でもソウルメイトなんだと思います;仲直りすれば良いのに勿体無いなぁ。
6. Posted by     2007年09月20日 05:14
ハリウッドだったらハッピーエンドだったろうに・・・
7. Posted by Mi-Na   2007年11月19日 02:25
3 この奥さん、人のせいにばっかする性格でイライラしちゃいましたお互い様なのに、なんで旦那さんは許せなかったんでしょうね
8. Posted by ひれみん   2011年07月18日 17:04
凄い話です(^_^)
どのくらいの確率なんだろう。。。
磁石みたいにくっついちゃうことがあるんですね

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