2007年07月28日
南アフリカ共和国ダーバンのウムラジには、Tセクションと呼ばれる地区がある。この地区には、女性のパンツ着用を厳禁するローカルな掟がある。最近、この掟に触れたとして、少なくとも2人の10代の少女が群集に取り囲まれて、ひどい目に遭わされたことが明らかになった。
どんな目に遭わされたかというと、まずパンツを脱がされる。次にパンツを焼かれる。さらに、住まいの小屋が焼き討ちされ、Tセクションから追放される。
ただし、普通に服を着ている女性がいわゆるノーパン状態かどうかをいちいちチェックするわけではない。ここで言う「パンツ」とは、そもそもパンティの意味ではなく、Gパンやその他のズボンのことである。
Tセクションには、ズールー族の人たちが多く暮らしている。もともとズールー族の人たちは独自の民族衣装を有していたわけだが、南アが西洋文明化した後はドレスとスカートが女性の正しい服装であるとされてきた。逆に、女性がズボンを履くことは、彼らのしきたりに触れていることになるらしい。
南アでは1990年代、ネルソン・マンデラが主導した反アパルトヘイドの政策集団ANC(アフリカ民族会議)と黒人保守政党のIFP(インカタ自由党)の間で武力衝突が続いていた時期がある。そのころに、Tセクションだけに限定して、女性がパンツを着用することを禁じるローカルな掟が敷かれたという。
去る7月21日、ザンディル・ムパンザという名の10代の少女がTセクション内でパンツを履いて歩いているところを見つかった。するとただちに群集がムパンザさんを取り囲み、一切の衣類を脱がせて、裸で町の中を練り歩かせた。その後、彼女の住まいは焼き払われた。
ムパンザさんと家主はTセクションから逃げ出した後、どこかに身を潜めているという。
ウムラジの警察当局は、被害に遭った女性が届けを出さないことには対処のしようがないらしい。ケプー・ンドロヴ警部は言う。「警察としても何とかしたいと考えており、ムパンザさんや家主の人に警察に来て届けを出してくれと呼びかけているのですがね・・・」
地元の住民たちによると、ムパンザさんより少し前にも、別の10代の少女がパンツを履いているところを見つかって同じように地区から追い出されたことがあった。
ダーバンの地元紙The Mercuryの記者が7月24日にウムラジに取材に出かけると、ウムラジ駅近くのタクシー乗り場にジーンズ姿の19歳の女性がいた。その場所はTセクションの外だったが、記者が周囲を見回しても、パンツ姿の女性はほかに誰一人としていなかった。
記者が彼女に7月21日の一件のことを尋ねると、今朝パンツを履いて家を出るまで事件のことを知らなかったという。
女性のパンツ着用を禁じる掟は、当然のことながら法に基づくものではない。あくまでローカルな慣習に過ぎない。だが、その掟に背いた女性を群集が取り囲み、私的な罰を加えるケースが続発しても、上記のように被害にあった女性が届けを出さない限り警察は指をくわえて見ているほかない。
ジェンダー権利保護団体がこの事態を深刻に受け止めている。地元の男女平等委員会も、「基本的人権と人間の尊厳をないがしろにする行為だ」とTセクション住民らの行為に真っ向から反発している。
ま、中近東の話なら、女性の服装が厳しく制限されていることもよく知られている。しかし、本件は人口の80パーセントをキリスト教徒が占める南アの話である。
なお、本稿の見出しと冒頭部分は確信犯的に紛らわしく書いたと白状しておく。パンティ着用厳禁なのかと期待して読みに来た人も少なからずいたことだろう。だが、上記の2人の少女は、どちらもパンツだけではなくパンティまで剥ぎ取られた挙句、町の中を練り歩かされたのである。
本稿は、南アのIOLサイトに掲載された2本の記事のうち、あくまでネタ的に核心となる部分だけを抽出する形で作成した。実際には、昨今の南アの社会的・政治的事情が背後に複雑に絡んだ話のようである。
ソースとして参照した2番目の記事のタイトルが“T section: No pants zone for ladies”となっている。記事の内容はシリアスに書かれているが、この見出しは確信犯的に紛らわしい気がする。南アの英語は英国系だが、イギリス英語ではpantsをパンティの意味で使うことが多いからである。
■ Sources:
【関連記事】
ただし、普通に服を着ている女性がいわゆるノーパン状態かどうかをいちいちチェックするわけではない。ここで言う「パンツ」とは、そもそもパンティの意味ではなく、Gパンやその他のズボンのことである。
Tセクションには、ズールー族の人たちが多く暮らしている。もともとズールー族の人たちは独自の民族衣装を有していたわけだが、南アが西洋文明化した後はドレスとスカートが女性の正しい服装であるとされてきた。逆に、女性がズボンを履くことは、彼らのしきたりに触れていることになるらしい。
南アでは1990年代、ネルソン・マンデラが主導した反アパルトヘイドの政策集団ANC(アフリカ民族会議)と黒人保守政党のIFP(インカタ自由党)の間で武力衝突が続いていた時期がある。そのころに、Tセクションだけに限定して、女性がパンツを着用することを禁じるローカルな掟が敷かれたという。
去る7月21日、ザンディル・ムパンザという名の10代の少女がTセクション内でパンツを履いて歩いているところを見つかった。するとただちに群集がムパンザさんを取り囲み、一切の衣類を脱がせて、裸で町の中を練り歩かせた。その後、彼女の住まいは焼き払われた。
ムパンザさんと家主はTセクションから逃げ出した後、どこかに身を潜めているという。
ウムラジの警察当局は、被害に遭った女性が届けを出さないことには対処のしようがないらしい。ケプー・ンドロヴ警部は言う。「警察としても何とかしたいと考えており、ムパンザさんや家主の人に警察に来て届けを出してくれと呼びかけているのですがね・・・」
地元の住民たちによると、ムパンザさんより少し前にも、別の10代の少女がパンツを履いているところを見つかって同じように地区から追い出されたことがあった。
ダーバンの地元紙The Mercuryの記者が7月24日にウムラジに取材に出かけると、ウムラジ駅近くのタクシー乗り場にジーンズ姿の19歳の女性がいた。その場所はTセクションの外だったが、記者が周囲を見回しても、パンツ姿の女性はほかに誰一人としていなかった。
記者が彼女に7月21日の一件のことを尋ねると、今朝パンツを履いて家を出るまで事件のことを知らなかったという。
女性のパンツ着用を禁じる掟は、当然のことながら法に基づくものではない。あくまでローカルな慣習に過ぎない。だが、その掟に背いた女性を群集が取り囲み、私的な罰を加えるケースが続発しても、上記のように被害にあった女性が届けを出さない限り警察は指をくわえて見ているほかない。
ジェンダー権利保護団体がこの事態を深刻に受け止めている。地元の男女平等委員会も、「基本的人権と人間の尊厳をないがしろにする行為だ」とTセクション住民らの行為に真っ向から反発している。
ま、中近東の話なら、女性の服装が厳しく制限されていることもよく知られている。しかし、本件は人口の80パーセントをキリスト教徒が占める南アの話である。
なお、本稿の見出しと冒頭部分は確信犯的に紛らわしく書いたと白状しておく。パンティ着用厳禁なのかと期待して読みに来た人も少なからずいたことだろう。だが、上記の2人の少女は、どちらもパンツだけではなくパンティまで剥ぎ取られた挙句、町の中を練り歩かされたのである。
本稿は、南アのIOLサイトに掲載された2本の記事のうち、あくまでネタ的に核心となる部分だけを抽出する形で作成した。実際には、昨今の南アの社会的・政治的事情が背後に複雑に絡んだ話のようである。
ソースとして参照した2番目の記事のタイトルが“T section: No pants zone for ladies”となっている。記事の内容はシリアスに書かれているが、この見出しは確信犯的に紛らわしい気がする。南アの英語は英国系だが、イギリス英語ではpantsをパンティの意味で使うことが多いからである。
■ Sources:
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今日の気になったニュースはiPhone初の集団告訴ですかね。
日本でもこれから発売になるでしょうし、新しい分野での製品としていろいろ問題が発生するのではないでしょうか。
Mac=ウイルスと無関係と言われているけど、iPho
この記事へのコメント
1. Posted by な 2007年08月05日 13:25
>本稿の見出しと冒頭部分は確信犯的に紛らわしく書いたと白状しておく
チックショー!!!!!!!!w
チックショー!!!!!!!!w