2007年06月28日

「僕には特別な力がある。刃物で切られても平気なんだ」と恋人に試し切りさせた若者、その力が全く効かず帰らぬ人に


めったに使う機会はないが、自分には特別な能力がある。今まで人前でその能力を実演して見せたことは一度もないが、彼女だけには見せておきたい。きっと惚れ直してくれるだろうし、もうすぐ伴侶となる彼女にはそれを知る資格と権利がある。ガーナ共和国ボルタ地区のヅェクポイア村で暮らす若者ファグベ・コヅィさんは、きっとそんなふうに考えたのだろう。
その日、18歳のファグベ・コヅィさんは同い年の恋人と2人で、薪刈りに出かけた。2人は結婚を約束し合った仲。その道中、彼は自分に秘められた特別な能力のことを彼女に打ち明けた。

僕の体は、特別なスピリチュアル・パワーで守られている。ナイフとか刃物で攻撃されても、全然平気なんだ

当然のことながら、婚約者は彼の言葉を真に受けようとしない。すると、ファグベさんは、そのパワーを実際に試してみることにしようと言い出した。婚約者は、薪を刈るためのナタを携えていた。それを使って試してみようというのだ。

「僕の言っていることが本当かどうか、実際に試してみてほしい。ほら、そのナタで遠慮なく僕に切りつけてごらん」

むろん、婚約者は彼のけしかけに応じようとしない。だが、ファグベさんは、婚約者が聞いたこともないような奇妙な呪文を唱え始めた。そして、左腕を空に突き出し、「さあ、ここに切りつけてごらん」と彼女を促した。

淀みない呪文の詠唱。自信たっぷりの言葉と態度。婚約者はついにファグベさんの言葉に従うことにした。ナタを振り上げ、彼の左腕めがけて振り下ろした。

婚約者が振るったナタは、見えない力ではじかれることもなく、ファグベさんの腕に命中した。

腕が一刀両断にされるほどの威力はなかったものの、左の肘の部分に深い傷が刻まれた。出血が止まらなかった。病院に向かうことにしたが、途中でファグベさんは力尽きて倒れ、帰らぬ人となった(失血性ショックが死因だったと思われる)。婚約者の女性は現在、警察で取調べを受けている。

ファグベさんは、本当に自分がそんなパワーで守られていると思い込んでいたのだろうか。それとも、プライドがあまりに高く、虚勢を張り出すと撤回できない性質だったのだろうか。そのどちらだったのかは、ファグベさん亡き今となっては定かではない。

しかし、豊富に金を産出したことから15世紀に黄金海岸と名づけられて以降、西洋文明との接触がかなり濃密であったにもかかわらず、古来のアニミズムが人々の心に脈々と受け継がれているガーナという国には、いまだに魔術的な力の存在を信じる人が多い。

そんな彼らの視点に立てば、もっと別の解釈も可能だろう。たとえば、ふだんは有事に備えてファグベさんの体を守り続けていた聖なる力が、その瞬間だけ機能していなかったのだ、という解釈も成り立ちそうだ。

このパワーは、あくまで敵意や悪意を持つ相手から自分を守るための力として設計されていた。逆に、自分と攻撃者の間に愛が存在する場合は機能しない仕様だったのだ、と。

ただ、傷を負ったのが肘の部分だったので、正しい止血処置さえしていれば、ファグベさんは命を落とさずに済んだ可能性が高い。婚約者は気が動転して、それどころではなかったのかもしれないが、魔法が効力を持たなかったのなら、そこで合理的・科学的な知恵を援用すればよかったのに。

【補足】

ファグベさんが主張していたのと似た能力を持つ男性が実際にオランダにいたとされる。下のYoutubeビデオにその実演の模様が克明に映し出されている。詳細については、X51: ミリン・ダヨ ― 不死身の身体を持つ"奇蹟の男"を参照されたい。






■ Source: Magic fails lover boy

【関連記事】


この記事の先頭に戻る
Google
WWW を検索 評点

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. ホーム/2007-06-28  [ とんかつ3号 隠れ亭 ]   2007年06月28日 07:08
おはようございます。 「僕には特別な力がある。刃物で切られても平気なんだ」と恋人に試し切りさせた若者、その力が全く効かず帰らぬ人に(なんでも評点) 婚約者が振るったナタは、見えない力ではじかれることもなく、 ファグベさんの腕に命中した。 信じた恋人もアレだな...
2. 本当にスピリチュアルな存在になった若者―ガーナ共和国  [ CELESTIAL FORTUNE-21st wayイラスト投稿者東陽子の雑記帖 ]   2007年06月28日 13:38
「僕には特別な力がある。刃物で切られても平気なんだ」と恋人に試し切りさせた若者、その力が全く効かず帰らぬ人に(なんでも評点) http://rate.livedoor.biz/archives/50392986.html  
「僕の体は特別な力で守られているんだ」恋人に自らの体を試し切りさせて死亡した若者 【詳細記事】 「壁だと思ってたらパンケーキでした」刑務所内に穴を発見 女囚の行き来に使用か 【詳細記事】 頭痛で救急訪れた米男??
4. スピリチュアル・パワー  [ みかん箱 ]   2007年06月29日 11:53
「僕には特別な力がある。刃物で切られても平気なんだ」と恋人に試し切りさせた若者、その力が全く効かず帰らぬ人に[なんでも評点さん] きっと、「コイツ、痛いな、、、」ってまず思うかもだけど。 それでも、きっと、心から信じちゃってたんだろうなぁ。 「僕の体は....
5. 自分が不死身と思い込み、恋人に鉈で殺害される(ガーナ)  [ 豪の黒い部屋(三度の飯よりバカが好き)三部屋目 ]   2007年07月04日 13:45
{{{ 人間誰しも、 特に男性は子供のときに思ったはずです 「自分には特別な力があるかもしれない」 日本だと『かめはめ波』が打てる気がしたりする気持ちです。 今回、ガーナのとある男性が 何を勘違いしたのか 「僕の体は、特別なスピリチュアル・パワーで守られ...

この記事へのコメント

1. Posted by    2007年06月28日 18:51
なんという邪気眼w
2. Posted by    2007年06月29日 07:40
命懸けなコント、ご苦労様です。
3. Posted by     2007年06月29日 07:49
イインダヨ!

ミリンダヨ!
4. Posted by     2007年06月30日 18:54
これさ、彼女が殺人の理由として作った嘘だとしたら・・・?

信じるか信じないかは、貴方次第・・・。
5. Posted by     2007年06月30日 20:23
信じる信じないも即死じゃないから一応喋れる間はあったわけだし
6. Posted by     2007年07月01日 20:50
刺したってことは、彼女も信じたってことか?
7. Posted by    2007年07月02日 00:17
これは良い中二病。
8. Posted by 、   2007年07月02日 06:53
MPが足りなかったんじゃね?
9. Posted by     2007年07月03日 23:34
非童貞だったからだろ
10. Posted by     2007年07月05日 22:43
中二病きめぇww

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔