G- なんでも評点:荒廃したDQN校に単身駐在して平和と秩序の回復に成功した女性巡査の手記

2007年02月02日

荒廃したDQN校に単身駐在して平和と秩序の回復に成功した女性巡査の手記


英国のMirror紙のオンライン版に、非常に難しい使命を与えられ、期待以上の成果を上げた女性巡査の手記が掲載されている。彼女に与えられた使命とは、荒れ果てた学校に単身で駐在し、風紀と秩序を取り戻すことだった。
日本でも、小学校の学級崩壊に始まり、中学・高校の荒廃、非行、中途退学など、さまざまな問題が起きている。高校の荒廃の度合いや非行発生率は、おおむね学力レベルと反比例しているというのが一般の理解ではないかと思う。ネット用語では、学力レベルや進学率が低く、非行率や中退率が高い高校のことを“DQN校”と呼んだりする。

英国では、日本とは教育制度に違いがあり、中学と高校が“セカンダリ・スクール”として一貫化されている。手記を書いたマンディ・スタンスウッド巡査の派遣先も、英国ハンプシャー州にある札付きの“DQN”セカンダリ・スクールだった。

風紀は乱れに乱れ、バイオレンスとカオスに満ちていた。だが、同校の女性校長シェリル・ヘロン先生はまだ望みを捨てていなかった。学校を正常化する方法があるのではないかと模索していた。

そして、ヘロン校長はハンプシャー州警察に協力を仰ぐことにした。優秀な警官を校内に駐在させてもらうことはできないか、と持ちかけた。州警察側は、駐在する警官の年棒に当てる額として20,000ポンド(約477万円)を学校側に負担してもらう必要があると返答した。

校長は、その条件に同意し、マンディ・スタンスウッド巡査が同校に駐在する運びとなった。マンディ・スタンスウッド巡査は、44歳にして2児の母。彼女は、ヘロン校長の期待以上の働きを見せることになった。

彼女が着任するまで、同校では1ヶ月あたり200件の非行/違反行為が発生していた。彼女が着任して1年半で、その数は10分の1の20件まで減った(それでも、まだ20件なわけだが)。

今では、学校敷地内で喧嘩やいじめが発生することもなくなった。以前は教師たちが校門の脇に立って見張っていないと無断外出する生徒が後を絶たなかったが、その必要もなくなった。学校で問題を起こして強制帰宅させられる生徒もいなくなった。

以下、本件のソースとしたMirror紙の記事に書かれているスタンスウッド巡査の手記の内容を紹介する。

★   ★   ★


■ 9月

今日が駐在1日目だ。とにかくショックを覚えている。いったい私はどこへ来たのかと思ってしまう。騒々しい・・・数千人の子供たちが無秩序に騒ぎまわっている。あまりにやかましくて頭痛を覚える。ここで、これから毎日、何をどうすればいいのか。最悪の悪夢を見ているようだ。

廊下をうろつきまわる生徒たち。叫び声、ののしり声。休み時間のたびに喧嘩が起きる。粗暴すぎて手に負えないほどの生徒もいる。

私が覚えている学校は、こんな場所じゃない。今まで生きていて、これほど困難な状況に立たされたことはない。どうしようもない無力感。ストレスが強すぎる。なんとか乗り切れればいいのだけれど。

■ 10月

巡査部長が私の様子を見に来る。何人もの生徒たちが巡査部長に暴言を浴びせる。彼のことをブタと呼ぶ。

巡査部長は、かんかんに怒っていた。生徒たちに悪意などないのはわかっているが、権威に対する尊敬心が欠如している。

私は、暴言を吐いた生徒たちと言葉を交わし、彼らの言行が人の心をどんなふうに傷つけるかを話した。

警察官と言えども、中身は普通の人間なのだ。個人的なことも生徒たちに話して、そのことをわからせることが大切だと考えている。だから、私は自分の2人の息子のことも生徒たちに話すことにしている。私は警察官であると同時に妻であり、母なのだということを。

■ 11月

この学校では、ドラッグに関して大きな懸念がある。使用している生徒がいれば、経験からわかる。そんな生徒たちと腹を割って話をすることにしている。

それを使用したり所持したりすることが許されない行為であることをきっぱり明確に教えることにしている。見つけたら、手錠を掛けることになるのだと。

助けを必要としている生徒もいるかもしれない。だから、どこにどう相談すればよいかなどを教えておくことにしている。

率直に話し合うことで、効き目があったようだ。特定の生徒の持ち物をチェックせざるを得ない状況になったことは一度もない。でも、疑うに足る根拠があった場合は、容赦しないつもりだ。

■ 12月

廊下をうろつきまわっているとか、暴言を吐くなどという比較的軽いレベルの品行不良から、喧嘩などの重大な非行に至るまで、実際に発生している生徒の非行に関する監査を完了した。

初めのころは、自分自身が送った学校生活とのあまりにも大きな差に愕然とさせられたものだ。でも、最近になってわかってきた。この学校の生徒たちも、普通の子らと変わりないのだということが。

■ 1月

本当にひどい喧嘩があった。悪意に満ちて野蛮。当事者の生徒は2人とも退学処分となった。耐え難いほど悲しい出来事だった。でも、シェリル・ヘロン校長に退学処分以外の選択肢があったとは思えない。みんな、がっかりしている。私たち全員にとって、最悪な一日だった。いっときは裁判沙汰になりそうな勢いだったが、攻撃を受けた側の生徒が証拠を出すのをいやがった。

■ 2月

校舎および敷地内には、75基のCCTVカメラが設置されている。私が着任する以前は、あまり上手く活用されていなかった。

私は、警察官としての自分の経験と大局観に基づいて、改善に取り掛かった。今では、カメラをトランシーバーと組み合わせて使用している。生徒たちの休み時間中、私はカメラ映像を監視している。そして、何かトラブルが発生していたり、喧嘩寸前の状況にある生徒たちを発見すると、当番の教師にトランシーバーで連絡を取り、現場へ向かわせる。到着した教師は、カメラに向かって手を振ってごらんと生徒に促す。カメラが見ているのだということを思い出させるために。

小競り合い程度のことなら、いまだに発生するが、それ以上に発展することはなくなった。

■ 3月

校門付近にたむろしている生徒がいるという問題に対策を講じた。彼らがたむろしているそばを通り過ぎる生徒たちは、びくびくしている。びくびくするような雰囲気が精神衛生に良いはずがない。

当番制のパトロール・チームを編成し、不必要にたむろしている生徒がいないかどうかを常時監視することにした。

■ 4月

不登校という頭の痛い問題もある。そこで、パトロール・チームの機能を強化し、不登校生徒の家庭を直接訪問している。教育福祉担当官と長期欠席生徒調査官の2人に私が同行することにしている。門前払いを食らったことは一度もない。私たちに会いたがらないのが普通だが、別段危害を加えてくるわけでもない。

このように先を見越して積極的に活動することにして以来、長期不登校生徒の数は減り始めた。今も減少は続いている。

■ 5月

巡査部長が久しぶりに現れた。以前のようなことはなく、平和である。巡査部長は学校で数時間過ごした。彼は、見違えるような改善ぶりに、いたく感動していた。すれ違った生徒は全員が「おはようございます」と挨拶をした。

■ 6月

最近では、どの生徒も携帯電話を持っているようだが、その分、盗難も起きやすくなる。携帯電話を盗られた生徒は、半狂乱になる。これもまた頭の痛い問題だ。盗難を防ぐのは、ますます難しくなりそうだ。

■ 7月

今月は、学校の年度が終わる月だ。私も休みを取れるので嬉しい。今の私は、達成感に満ち溢れている。ここにやって来た当初は、半月で191件もの非行/違反行為が発生していた。だが、昨月中の発生件数は、たったの17件である。

■ 9月

新年度が始まった。ここに駐在するようになって、もう1年が過ぎた。生徒たちは、もうあんなに生意気じゃなくなった。それどころか、学ぶことに一生懸命になっている。

■ 10月

今の校長が赴任した当初、彼女はなんとか完璧なシステムを確立しようとした。生徒たちからボランティアを募り、教職員側の目となり耳となる役目を負わせることにした。だが、そんな方法はうまく行かなかった。

ほかの生徒に密告者みたいに見られたくないからだった。だが、今はまったく違う。志願者が続出しており、キャンセル待ちの状態だ。

■ 11月

私は、今、全生徒分のロッカーを用意する資金を出してくれないかと働きかけているところだ。全員にロッカーがあれば、盗難件数を減らすことができるはず。1日の授業が終わるまでロッカーに携帯電話を入れて鍵をかけておけば、盗まれるのではないかと心配する必要もなくなる。

■ 12月

学校の秩序を乱し、学校管理側の怒りを買っている生徒のリストを作成し、これらの生徒については、太極拳のレッスンを週2回受けさせることにした。

まだ始まったばかりだが、効き目がありそうに思われる。レッスンはうまく進んでおり、生徒たちも熱中している。以前よりも落ち着いてきた感じだ。

数ヶ月後に、どのくらいの成果が得られたかを確認する予定だ。

■ 1月

見た目の変化だけではなくて、実感できる違いだ。学校中の生徒たちが改心したというわけではなく、天使などととうてい呼べそうもない生徒たちがいまだにたくさんいるが、私がこうして駐在しているからこそ、彼らは行動する前によく考えるようになったのだと思う。

私が目を光らせていることを知っているから、彼らは非行に走りにくくなった。

骨の折れる仕事が続いてきたけれど、実りも多い。生徒たちは、私のことを信頼してくれているようだ。

この学校に一生駐在していろと言われたって、喜んで引き受けたいくらいだ。警察の仕事をして20年になるが、ここまで目に見えて違う変化をもたらすことができたのは今回が初めてだ。

でも、やるべき仕事はまだまだある。

★   ★   ★


上記の手記の部分は、当ブログにしては珍しく演出や脚色もしていなければ、補足情報も加えておらず、原文のニュアンスにできるだけ忠実に“翻訳”した。

手記の内容については、読者の方の感想にお任せしたい。今、学校に在学している人、教育現場で働いている人、どちらでもない人、それぞれの立場で異なる感想があろうかと思う。フィクションやロールプレイングゲームの題材になりそうな話でもある。

セカンダリ・スクールに巡査が駐在することが英国ではよくあることなのか、それとも特例的なことなのかは、筆者も知らない(日本では絶対にありえないことなわけだが)。

不良がうようよしていて、荒廃しきった学校に女性が1人で乗り込み、学校を立ち直らせた・・・と聞くと、まさしく“けなげ”系のストーリーのように思える。だが、忘れてはならない点が1つある。マンディ・スタンスウッド巡査は、違法行為の疑いがある者を逮捕する権限を有しているのだ。それが生徒であっても、である。

ただ、彼女は、生徒たちに「警官も普通の人間だ」とわからせるところから始めている。大上段に振りかぶって生徒を押さえつけるようなアプローチではなかったと思われる。それが成功に結び付いたのだろう。ただし、ちょっとでも歯向かえば痛い目に遭うということも十分にわからせていたのだろう。

微妙な面もあるが、一応、“けなげ”系ストーリーに分類しつつ、かなり辛目のポイントを付けておこう。

けなげさ5■■■■■□□□□□





■ Source: EXCLUSIVE: THE COP WHO HAS TURNED A SCHOOL AROUND

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この記事へのコメント

1. Posted by F   2007年02月02日 03:33
5 素晴らしいお話ですね。
生徒指導に苦労している教師の友人が何人かいますが、是非とも教えてあげたいです。
また、私自身にとって、自己啓発や育児に役立ちそうな手記でした。
2. Posted by 詠み人知らず   2007年02月02日 03:39
5 日本でも校内交番可にしてほしく体罰不可ならぜひともぜひとも
3. Posted by      2007年02月02日 12:36
子どもとはいえ、人を傷つけたり物を盗んだりすることは犯罪ですからね。
日本の学校も、もっと警察の介入があってもいいような気がします。
4. Posted by (´・ω・)   2007年02月02日 14:47
5 最近はネットの普及もあってかDQN思考の人が増えてきていますから
こういうニュースはうれしい(?)ものですね。
日本でもいじめだとかモラルの低下だとかが問題になってますね。

今の日本の学校での一番の問題は、よほど酷いことでなければ
どんなことをしても生徒に罰を与えられないことだと思います。

個人的には
アメリカで成功したというゼロ・トレランスを導入してみれば(もちろんそれなりに改良は必要ですが)だいぶ改善されると思います。

ただ親のDQN化も進んでますから教育機関の再生は非常に難しいものだと思いますが・・・(´・ω・)=3
5. Posted by #   2007年02月02日 15:49
5 素晴らしいですね。
生徒にとっても最高の学生生活になったことでしょう。
6. Posted by kk   2007年02月03日 22:35
3 日本でも現行犯に限れば警察官以外の人間(教師、生徒、事務員、用務員等)にも逮捕権があります。
捜査権は無いので鞄の中身のチェックだ携帯の着信のチェックだのは違法です。
7. Posted by n   2007年02月05日 23:37
監視カメラを使ったりパトロールチームを編成したり、それだけの権限があれば大概のことは出来るでしょ
8. Posted by 1=1   2008年08月25日 23:24
それだけの権限があっても、
それに見合った分の思いやりが無ければ無理でしょう
恐怖政治と更生は似て異なるものです
権限だけで人は動きませんよ
少なくともnさんにこれだけの権限が与えられても、
更生する子供はいないでしょうね(笑)

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