2006年10月22日
今年の5月、オーストラリア・クイーンズランド州の州都ブリスベン北部のバーペンガリーで暮らしている1組のカップルの間に褐色の肌と白い肌の双子の娘が生まれた。母親はジャマイカ人と英国人の混血、父親はドイツ出身である。
今年の2月に、イギリスで1人の母から褐色の肌と白い肌の双子の娘が生まれた話を取り上げたことがある。双子の母と父は、共に白人と黒人の混血だった。簡単に図式化すると、◆◇+◆◇の両親から、◆◆の娘と◇◇の娘が同時に二卵性双生児として生まれたわけだった。
今回は微妙に違う。◆◇+◇◇の両親から、◆◇と◇◇の二卵性双生児が生まれたということになりそうである。ただ、ソース記事(リンクは末尾)に掲載されている写真を見ると、◆◆&◇◇のように見えてしまう。それはさておき、説明を進めることにしよう。
双子の母は、ジャマイカ人(その多くはアフリカ黒人の子孫)と英国人の両親を持つ混血女性ナターシャ・ナイトさん(35歳)。父は、ドイツ出身の白人男性マイケル・シンジャールさん(34歳)。生まれた双子のスペックは次のとおり。
遺伝学の専門家によると、白人と黒人の混血女性の体内で作られる卵子には、ほとんどの場合、白人と黒人の遺伝形質がまんべんなく混ざっている。だが、ごくまれに白人または黒人のいずれか一方の遺伝形質が支配的な卵子が作られることがある。
今回、母親のナターシャさんがアリカちゃんとジャスミンちゃんを身ごもったときには、次の2つの卵子が同時に排卵されていたと考えられる。
そして、卵子A(◆)と卵子J(◇)が同時に父親マイケルさんの精子(◇)を受精した。こうして、卵子Aはアリカちゃん(◆◇)として、卵子Jはジャスミンちゃん(◇◇)としてナターシャさんの胎内に宿った。
ただし、臨床遺伝学者のステファン・ウィザーズ氏によると、上のように白人の遺伝形質が支配的な卵子と黒人の遺伝形質が支配的な卵子が混血女性の体内で作られる可能性は非常に低く、しかも、その2つが同時に排卵されて、なおかつ受精・着床する確率は「100万分の1」ほどしかないという。
さて、母親ナターシャさんは、生まれたわが子2人の姿を最初に見たときに衝撃を受けたという。「2人の違いに、ただただ驚くばかりでした。(髪や瞳や肌の)色がまったく違うのですから。マイケルも私も、にわかには信じられませんでした。
「アリカは髪が黒く、瞳がブラウン。ジャスミンは髪が白っぽくて、瞳がブルー。ジャスミンの髪も眉毛も、とても色が薄くて、判然としないほど。
「妊娠中に、マイケルと冗談交じりに話していたんです。双子の1人が私に似ていて、もう1人がマイケルに似ていたらどうかしら? 淡い色の子と濃い色の子が生まれたら面白いかもね、って。それが現実のことになったので、本当にびっくりでした。
「病院で取り違えがあったんじゃないのと聞いてくる人もいました。でも、取り違えなんてありません。あの子たちは、紛れもなく私の娘。2人共、可愛くてたまりませんわ。
「学校に通う年齢になったら、あの子たちはどんなふうに感じるでしょうかね。お互いの外見がこんなに違うことを不思議に思うでしょうね。そのときは、お母さん似とお父さん似の2人が同時に生まれたのよ、と説明してあげようかな」
なお、ナターシャさんとマイケルさんは入籍はしていないが婚約中で、2人の間には5歳の長女タイラーちゃんがいる。タイラーちゃんは、金髪で青い目をしているが、肌は薄い褐色。タイラーちゃんの場合は、双子の妹とは違い、白人と黒人の遺伝形質がまんべんなく混じったナターシャさんの卵子がマイケルさんの精子を受精したわけである。
ともあれ、ソース記事に掲載されているアリカちゃん&ジャスミンちゃんの写真は必見である。
■Source: Baby sisters' colour mix a rare phenomenon
【関連記事】
今回は微妙に違う。◆◇+◇◇の両親から、◆◇と◇◇の二卵性双生児が生まれたということになりそうである。ただ、ソース記事(リンクは末尾)に掲載されている写真を見ると、◆◆&◇◇のように見えてしまう。それはさておき、説明を進めることにしよう。
双子の母は、ジャマイカ人(その多くはアフリカ黒人の子孫)と英国人の両親を持つ混血女性ナターシャ・ナイトさん(35歳)。父は、ドイツ出身の白人男性マイケル・シンジャールさん(34歳)。生まれた双子のスペックは次のとおり。
- アリカちゃん:黒い髪、茶色の瞳、褐色の肌。
- ジャスミンちゃん:銀髪、青い瞳、白い肌。
遺伝学の専門家によると、白人と黒人の混血女性の体内で作られる卵子には、ほとんどの場合、白人と黒人の遺伝形質がまんべんなく混ざっている。だが、ごくまれに白人または黒人のいずれか一方の遺伝形質が支配的な卵子が作られることがある。
今回、母親のナターシャさんがアリカちゃんとジャスミンちゃんを身ごもったときには、次の2つの卵子が同時に排卵されていたと考えられる。
- 卵子A ― 黒人の遺伝形質が支配的な卵子。後のアリカちゃんである。
- 卵子J ― 白人の遺伝形質が支配的な卵子。後のジャスミンちゃんである。
そして、卵子A(◆)と卵子J(◇)が同時に父親マイケルさんの精子(◇)を受精した。こうして、卵子Aはアリカちゃん(◆◇)として、卵子Jはジャスミンちゃん(◇◇)としてナターシャさんの胎内に宿った。
ただし、臨床遺伝学者のステファン・ウィザーズ氏によると、上のように白人の遺伝形質が支配的な卵子と黒人の遺伝形質が支配的な卵子が混血女性の体内で作られる可能性は非常に低く、しかも、その2つが同時に排卵されて、なおかつ受精・着床する確率は「100万分の1」ほどしかないという。
意外性9 | ■■■■■■■■■□ |
注:ただまあ、この100万分の1(“a million to one”)という表現は、可能性が低いことに言及するときに使われる(英語の)常套句のようなもので、アバウトな数字である。実際、イギリスの双子のケースでも、共に白人と黒人の混血であるカップルから白い肌と褐色の肌の双子が生まれる確率は100万分の1という話になっていた。
実は当ブログで取り上げてきた珍しい話には、「100分の1」と形容されているものが他にもいくつかある。末尾の「関連記事」にまとめておく。
さて、母親ナターシャさんは、生まれたわが子2人の姿を最初に見たときに衝撃を受けたという。「2人の違いに、ただただ驚くばかりでした。(髪や瞳や肌の)色がまったく違うのですから。マイケルも私も、にわかには信じられませんでした。
「アリカは髪が黒く、瞳がブラウン。ジャスミンは髪が白っぽくて、瞳がブルー。ジャスミンの髪も眉毛も、とても色が薄くて、判然としないほど。
「妊娠中に、マイケルと冗談交じりに話していたんです。双子の1人が私に似ていて、もう1人がマイケルに似ていたらどうかしら? 淡い色の子と濃い色の子が生まれたら面白いかもね、って。それが現実のことになったので、本当にびっくりでした。
「病院で取り違えがあったんじゃないのと聞いてくる人もいました。でも、取り違えなんてありません。あの子たちは、紛れもなく私の娘。2人共、可愛くてたまりませんわ。
「学校に通う年齢になったら、あの子たちはどんなふうに感じるでしょうかね。お互いの外見がこんなに違うことを不思議に思うでしょうね。そのときは、お母さん似とお父さん似の2人が同時に生まれたのよ、と説明してあげようかな」
なお、ナターシャさんとマイケルさんは入籍はしていないが婚約中で、2人の間には5歳の長女タイラーちゃんがいる。タイラーちゃんは、金髪で青い目をしているが、肌は薄い褐色。タイラーちゃんの場合は、双子の妹とは違い、白人と黒人の遺伝形質がまんべんなく混じったナターシャさんの卵子がマイケルさんの精子を受精したわけである。
ともあれ、ソース記事に掲載されているアリカちゃん&ジャスミンちゃんの写真は必見である。
■Source: Baby sisters' colour mix a rare phenomenon
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