2006年05月07日
米国オハイオ州コロンバスの建設現場で、奇跡の生還を果たしたカメがいる。そのカメは、ビルの5階部分に打ったコンクリートの中に閉じ込められていた。締め固め機で仕上げを終えた作業員がコンクリート表面を見ると、1箇所盛り上がりがあるのに気づいた。
最初は、コンクリートの中に紛れ込んだ金網のように見えた。だがよく見ると、その盛り上がり部分は、かすかに震えていた。養生がほぼ完了し、250キロの荷重で打ち固められたコンクリートの中から、何か生き物らしきものが脱出しようともがいていた。
その部分のコンクリートをはがすと、体長5センチほどの小さなカメが現れた。カメは脚と尻尾を動かしていたが、目と口はコンクリートで固められてしまっていた。カメは、現在、現場事務所で保護されており、順調に回復している模様。
このカメは、いったいどういう経緯でコンクリート固めになってしまったのだろうか? 現場の工事を請け負っているゼネコンMesser Construction社のプロジェクト管理責任者ジェフ・ルショウ氏と、現場にコンクリートを供給しているAnderson Concrete 社のアート・マーチ営業部長の推理によると、このカメはもともと建設現場にいたものではない。
池の岸辺でのんきに甲羅干しをしていただけなのに、とんだ巻き添えを食らったらしいのだ。しかも、絶体絶命のピンチの連続である。
そのプロセスをまとめると次のようになる。
コンクリート会社のアート・マーチ氏が言うには、このカメのように、何らかの生き物がコンクリートの中に紛れ込んでしまうこと自体は珍しくないらしい。ヘビが見つかったこともあるという。(ただ、たいていは死骸として見つかるはず)。
コロンバス動物園のドン・ウィンステル氏は、このカメがコンクリート漬けにされ、ほとんど呼吸できないままも生き延びた理由を次のように分析している。
「一般に、ミズガメは泥の中に埋もれて冬眠します。そのとき、呼吸のために外に出てくる必要がないのです。このカメが生き延びたのも、この能力のおかげでしょうね。このカメは(コンクリート漬けになった後たまたま)代謝が低下し、あまり酸素を必要としなくなっていたのでしょう」
ともあれ、たった体長5センチの子亀がここまで過酷な条件によくぞ耐え続けたものである。カメにとっては青天の霹靂な部分もあっただろうし、生き延びたこと自体紙一重だったわけだが、やはり“けなげ”だったということにして締めくくろう。
■ Source: The Columbus Dispatch - Plucky turtle a concrete stowaway
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その部分のコンクリートをはがすと、体長5センチほどの小さなカメが現れた。カメは脚と尻尾を動かしていたが、目と口はコンクリートで固められてしまっていた。カメは、現在、現場事務所で保護されており、順調に回復している模様。
このカメは、いったいどういう経緯でコンクリート固めになってしまったのだろうか? 現場の工事を請け負っているゼネコンMesser Construction社のプロジェクト管理責任者ジェフ・ルショウ氏と、現場にコンクリートを供給しているAnderson Concrete 社のアート・マーチ営業部長の推理によると、このカメはもともと建設現場にいたものではない。
池の岸辺でのんきに甲羅干しをしていただけなのに、とんだ巻き添えを食らったらしいのだ。しかも、絶体絶命のピンチの連続である。
そのプロセスをまとめると次のようになる。
- カメは、砂利置き場のそばの池に住んでいた。いつものように池から上がって甲羅干しをしながら眠っていたところ、付近の砂利もろともベルトコンベヤに乗せられ、コンクリート製造プラントの攪拌槽の中に投入されてしまった。セメント、砂利、砂、水を攪拌して作られるスープ状の生コンクリートの中、カメは耐え続けた。
- カメが紛れ込んだ生コンクリートは、やがてミキサー車に移された。コンクリートが固まらないように回転し続けるタンクの中で、カメは耐え続けた。
- ミキサー車が建設現場に到着すると、今度は、亀入りコンクリートがチューブを通して5階部分まで吸い上げられた。この時点で、カメがコンクリートの中に混入してから少なくとも4時間が経過していたと思われる。その間、カメはほとんど呼吸できていなかったはずである。
- 5階部分にコンクリートが打たれた後、コンクリートがある程度まで固まる(養生する)までカメはコンクリートの中に閉じ込められたままだった。ソースに記載がないが、数時間は放置されていたのではないだろうか? その間も、カメはほとんど酸素を摂取できなかったはず。
- コンクリートがある程度まで固まった後、今度は、回転ブレードを有し、250キロの負荷でコンクリートを叩き固める“締め固め機”の登場である。その衝撃と圧力にもカメは耐え続けた。そして、この後、ようやくカメはコンクリートの中から救出されたのである。
コンクリート会社のアート・マーチ氏が言うには、このカメのように、何らかの生き物がコンクリートの中に紛れ込んでしまうこと自体は珍しくないらしい。ヘビが見つかったこともあるという。(ただ、たいていは死骸として見つかるはず)。
コロンバス動物園のドン・ウィンステル氏は、このカメがコンクリート漬けにされ、ほとんど呼吸できないままも生き延びた理由を次のように分析している。
「一般に、ミズガメは泥の中に埋もれて冬眠します。そのとき、呼吸のために外に出てくる必要がないのです。このカメが生き延びたのも、この能力のおかげでしょうね。このカメは(コンクリート漬けになった後たまたま)代謝が低下し、あまり酸素を必要としなくなっていたのでしょう」
ともあれ、たった体長5センチの子亀がここまで過酷な条件によくぞ耐え続けたものである。カメにとっては青天の霹靂な部分もあっただろうし、生き延びたこと自体紙一重だったわけだが、やはり“けなげ”だったということにして締めくくろう。
けなげさ9 | ■■■■■■■■■□ |
■ Source: The Columbus Dispatch - Plucky turtle a concrete stowaway
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この記事へのコメント
2. Posted by おお… 2008年05月01日 01:07
亀…なんてけなげな…