G- なんでも評点:姉牛が生まれたわずか21日後に妹牛が生まれる ― 人間の場合もありえなくはない異父重複受精

2006年04月01日

姉牛が生まれたわずか21日後に妹牛が生まれる ― 人間の場合もありえなくはない異父重複受精


3月27日、米国ネブラスカ州ミンデンの農場で雌の子牛が生まれた。農場主のジム・ジェンセン氏は我が目を疑った。母牛は、21日前の3月6日に同じく雌の子牛を出産したばかりなのだ。

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ネブラスカ大学リンカーン校(UNL)の畜牛専門家たちが本件に関心を寄せ、調査に当たった。双子が時間差で生まれたのではないかとする説もあったが、さすがに21日という時間差は長すぎる。

UNLの畜牛専門家リック・ラズビー氏によると、3月6日に生まれた子牛と3月27日に生まれた子牛は互いに父親(雄牛)が異なっている可能性が高いという。ジェンセン農場では、雌牛が雄牛と交わるに任せている。

これが正しければ、“異父重複受精”(heteropaternal superfecundation)によって妊娠したということになる。猫や犬のように多産の動物の場合は、父親が違っていることも多いらしいが、人間のように通常は1頭ずつ出産する牛の場合は珍しいということのようだ。

だが、ラズビー氏は、2頭の子牛の父親が異なることよりも、1頭目の出産時に2頭目が流産または胎内死しなかったことの方がよほど珍しいと言う。

「(牛における異父重複受精は)そんなに頻繁に起こることではありませんが、一般に信じられているほど発生確率の低いことではなさそうです。しかし、大勢の牛を放牧している場合は、なかなか発見しにくいし、最初の出産時に2番目の子供を流産してしまうことが多いはず」とラズビー氏は言う。

農場主のジェンセン氏も、21日前に出産したばかりの雌牛がもう1頭をまだ妊娠中だとは想像すらしていなかった。最初、1頭目の子牛のそばに生まれたての2頭目がいるのを見ても、にわかには信じられなかった。

だが、母牛が両方の子牛の世話をしているのを見るに及んで、その雌牛が両方の子牛を生んだのだと確信したという。(注: 出産現場自体を目撃したわけではないようだ)。

意外性9■■■■■■■■■□


さて、この異父重複受精、人間の場合にも稀に起こると言われている。

たとえば、1992年にイタリアで発表された論文によると、39,000件の親子鑑別結果が記録されているデータベースを分析したところ、異父重複受精と思われる例が3件見つかった。父親認知訴訟の対象となった双子のうち2.4パーセントは、父を同じくする双子ではなく異父重複受精による多胎児だという。

排卵中に複数の卵子がほぼ同時に受精することがある。普通は、2つの卵が同じ父親の精子を受精し、二卵性双生児を妊娠することになる。だが、何らかの理由により二人以上の男性の精子が相前後して女性の体内に入ると、異父重複受精が生じる可能性があるということのようだ。

同時受精の発生率は、一卵性以外の多胎妊娠が起こる確率とほぼ同じだろう。同時受精自体がきわめて稀だというわけではなさそうだ。異父同時受精に至るシチュエーションが稀にしか起こらないから、人間の場合の異父重複受精は発生率がきわめて低い・・・ということになるのではないだろうか。

逆に言うと、そういうシチュエーションが増えれば、異父同時受精の発生率が通常の多胎妊娠の発生率に近づいてくるということになるのかもしれない。




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この記事へのコメント

1. Posted by 新海   2006年04月10日 20:42
3 『僕は妹に恋をする』って漫画は異父重複受精の双子の話でしたよ。
確か24時間以内に別の男性と性的交渉を持つと、今回の牛の例みたいになるんですよね。
人間は感情がある分、バレたら複雑だろうな…

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