2006年03月20日
スペイン・バスク地方ビルバオ市近郊の病院の形成外科で、クレーンとロープを使った手術が行なわれた。患者は、極度に肥満した50代の女性。手術前の体重が何キロあったかは不明だが、手術室から運び出されてきたときには体重が60キロ減っていた。
女性が受けたのは、基本的には“タミータック(tummy tuck)”と呼ばれるタイプの手術。これは、本来、二段腹や三段腹、あるいは産後のお腹のたるみを除去する手術である。だが、この女性患者の腹部に出来ていたものは、“たるみ”などという生易しいものではなかった。
蓄積した脂肪が重さ60キロもの塊を形成し、彼女の腹部からエプロン状に垂れ下がっていた。今まで彼女が自宅で眠るときには、60キロもの重さを支えきれないため、ベッド脇にテーブルを置き、その上に“エプロン”を乗せる必要があった。
手術に当たっては、皮膚で覆われた重さ60キロの脂肪の塊をロープとクレーンで吊り上げる必要があった。そうしないと、エプロンの付け根にメスを入れることができなかったからである。病院の執刀医たちは、困難である以上に“壮大”な手術であったと表現している。
まあ確かに、腹のたるみを取る手術にクレーンとロープが必要になるだなんて、あっけに取られる話である。
塊を除去した後、腹部組織の一部を再建する必要もあった。このため、手術は9時間にも及んだが、無事終了した(この手術は3月の第2週に行なわれた模様である)。
本件は、APとAFPが共に伝えているが、AFPの記事では、この塊のことをtumourと呼んでいる。tumourは腫瘍と訳されることが多いが、この場合は、ガンを意味する腫瘍ではなく、脂肪と体液から形成された塊または出来物である。
AFPの記事によると、除去されたtumorが60キロあったからといって、ギネスブックには載らないらしい。なぜなら、1991年に米国カリフォルニア州で重さ138キロの多嚢胞性卵巣膿瘍が女性の体内から取り出されたことがあり、この記録がギネスブックに認定されているからだという。
そのカリフォルニア州の女性は、1台のストレッチャーに乗って手術室に運び込まれたが、出てくるときは2台のストレッチャーを要した。1台には女性自身が、そしてもう1台には重さ138キロの腫瘍が乗って出てきたという。
ただ、本件は前述したように“腫瘍”ではなく脂肪組織の塊なので、ギネス認定がありえないことではないと思う。ただ、米国では最近、胃バイパス手術を受けた後、急激な体重減少の結果、体中の皮膚がだぶついてしまう人が多いという。
その場合、見た目を気にする人は、だぶついた皮膚を切除する手術(body contouring)を受ける。そのときに頑固に残っている皮下脂肪も同時に取り除くことになるため、かなりの重さだという。ただ、それでも一挙に60キロもの重さの組織を取り除くことはないはずである。
■ Sources
【関連記事】
蓄積した脂肪が重さ60キロもの塊を形成し、彼女の腹部からエプロン状に垂れ下がっていた。今まで彼女が自宅で眠るときには、60キロもの重さを支えきれないため、ベッド脇にテーブルを置き、その上に“エプロン”を乗せる必要があった。
手術に当たっては、皮膚で覆われた重さ60キロの脂肪の塊をロープとクレーンで吊り上げる必要があった。そうしないと、エプロンの付け根にメスを入れることができなかったからである。病院の執刀医たちは、困難である以上に“壮大”な手術であったと表現している。
まあ確かに、腹のたるみを取る手術にクレーンとロープが必要になるだなんて、あっけに取られる話である。
意外性8 | ■■■■■■■■□□ |
塊を除去した後、腹部組織の一部を再建する必要もあった。このため、手術は9時間にも及んだが、無事終了した(この手術は3月の第2週に行なわれた模様である)。
本件は、APとAFPが共に伝えているが、AFPの記事では、この塊のことをtumourと呼んでいる。tumourは腫瘍と訳されることが多いが、この場合は、ガンを意味する腫瘍ではなく、脂肪と体液から形成された塊または出来物である。
AFPの記事によると、除去されたtumorが60キロあったからといって、ギネスブックには載らないらしい。なぜなら、1991年に米国カリフォルニア州で重さ138キロの多嚢胞性卵巣膿瘍が女性の体内から取り出されたことがあり、この記録がギネスブックに認定されているからだという。
そのカリフォルニア州の女性は、1台のストレッチャーに乗って手術室に運び込まれたが、出てくるときは2台のストレッチャーを要した。1台には女性自身が、そしてもう1台には重さ138キロの腫瘍が乗って出てきたという。
ただ、本件は前述したように“腫瘍”ではなく脂肪組織の塊なので、ギネス認定がありえないことではないと思う。ただ、米国では最近、胃バイパス手術を受けた後、急激な体重減少の結果、体中の皮膚がだぶついてしまう人が多いという。
その場合、見た目を気にする人は、だぶついた皮膚を切除する手術(body contouring)を受ける。そのときに頑固に残っている皮下脂肪も同時に取り除くことになるため、かなりの重さだという。ただ、それでも一挙に60キロもの重さの組織を取り除くことはないはずである。
■ Sources
- http://www.mg.co.za/articledirect.aspx?area=
&articleid=267105 (AP)
- http://news.yahoo.com/s/afp/20060316/od_afp/
spainhealthtumor_060316164303 (AFP)
※取り除いたtumorのX線写真あり。ただしリンク切れになる可能性高し。
【関連記事】
- 超肥満一家が合計635キロの減量に成功
- 太っていたのは脂肪のせいじゃなくて25キロの腫瘍のせいでした
- 男性は少し太っている方が事故に遭ったときに助かりやすいことが判明
- 地球上から肥満体が消える日が来る? − 食欲抑制ホルモン“オベスタチン”発見される
- 18キロの激太りで蓄えた体脂肪のおかげで34日ぶりに生還
- 腹に付いた分厚い脂肪が防弾チョッキの役割を果たした
- 女性の体内から医学史上稀に見る421個もの結石が摘出される
- 16歳少年の体内に生きた胎児が見つかる
- “石児”―18年前に妊娠した生まれざる胎児が摘出される
この記事の先頭に戻る
トラックバックURL
この記事へのコメント
2. Posted by additional resources 2014年05月11日 19:54
how to make e-liquid なんでも評点:クレーンとロープを使って重さ60キロの“たるみ”が超肥満女性の腹部から切除される