なんでも評点:体内に置き去りにされた異物による痛みを我慢していた女性が帰らぬ人に

2006年03月09日

体内に置き去りにされた異物による痛みを我慢していた女性が帰らぬ人に


パキスタン南部のハイデラーバード市で、2月18日のこと、シャーザディ・シャヒダ・スルタナさんという35歳の女性が腹部の激痛を訴えて、リアカト医科大学付属病院に運び込まれてきた。シャーザディさんには、自転車タクシーで生計を立てている夫と二人の子供がいた。二人目の子供は、昨年、同病院で帝王切開術を受けて出産したのだった。
だが、その出産以来、腹痛に悩まされるようになった。痛みがひどくなると、その都度病院で受診していたが、鎮痛剤を処方してもらうだけだった。本来なら、エコー検査やX線検査で詳しく調べてもらうべきところだった。だが、シャーザディさんの弟によると、彼女の家庭は経済的余裕がなく、精密検査を受けることは選択肢になかった。

原因をはっきり調べないで鎮痛剤でごまかしているうちに、シャーザディさんの腹痛はどんどん悪化していった。そして、2月18日にリアカト医科大学付属病院に担ぎ込まれることになった。医師たちは最初、エコー検査を実施したが、特に異状は認められなかった。ところがX線写真を撮影してみると、ピンセットのような形をした金属がくっきりと映し出された。

緊急手術が行われ、彼女の体内から異物が取り出された。それは、長さ25センチほどの鉗子だった。昨年、彼女が帝王切開術を受けたときに、体内に置き去りにされたものだった。

だが、緊急手術後もシャーザディさんは重篤な容態が続き、生命維持装置にかけられていた。約3週間後の早朝、合併症から容態が急変し、帰らぬ人となってしまった。

シャーザディさんの体内に鉗子が置き去りにされた過誤については、緊急手術後に審問が行われた。シャーザディさんが昨年の出産時に受けた帝王切開手術には、2名の医師と3名の研修医がかかわっていた。3名の研修医が、鉗子を彼女の体内から取り除くのを怠ったことが判明している。

これにより、2名の医師は、監督不行き届きであったとして既に停職処分を受けている。研修医たちは、義務を怠ったとして警察に追求されており、逮捕される可能性が高い。

ともあれ、体内に鉗子やガーゼが置き去りにされる医療過誤は日本でもしばしば報告されているわけだが、いったん退院して普通に生活していた患者が体内の異物を原因とする何らかの症状を悪化させて死に至った例は皆無に近いのではないかと思われる。(かなりの年数が経ち、患者が別の手術を受けたときに体内に異物が残されていることが発覚するケースが多いようだ)。

高い検査費を払う余裕がなく、鎮痛剤で痛みをしのいでいるうちに、体内で起きている異変がどんどん悪化していったのだろう。今となってみれば明白な原因から生じていた症状であっただけに、処置が遅れたことが悔やまれる話である。シャーザディさんは一方的な被害者だが、身体の異変を抱えながら鎮痛剤に頼って騙し騙し生きていると、こんな悪循環に陥ることもあるわけである。

悪循環指数10■■■■■■■■■■





■ Source: http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/
south_asia/4782576.stm


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この記事へのコメント

1. Posted by aisurukokoro   2006年03月09日 09:13
ブラックジャックでも本間先生が体内にメスを置き忘れてしまった事がありましたが、身近にこう言う事件が起こりえることを改めて知りました。

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