2006年02月14日

「幸せはお金で買えない」ことが証明された? ― 豪州全土を対象とする調査の結果


人は、お金があれば幸せになれるのだろうか? 豪州ディーキン大学の研究チームは、豪州全土の各地域(150区の選挙区)を対象として、経済的な豊かさと幸福感の相関を2001年から長期にわたって調査してきた。聞き取り調査に応じてくれた人数は、2万3千人近くにも上る。
生活水準、健康、人間関係、生活の充実感、安全、コミュニティとのつながり、および将来への安心感の各項目について個人の満足度を回答してもらった。その結果を地域別に集計すると、以下のようなことが明らかになった。

  • 豪州でも特に裕福な人が多いはずのシドニー市民が最も“不幸せ”な日々を過ごしている。

  • 所得水準が低い地域の人々の方が、自分たちの暮らしにはるかに満足している。

  • 最も所得水準が低いとされているワイドベイ地域が“幸福度”ではトップクラスにランクしている。

  • 幸福度が高い地域には、次のような傾向がある。

    • 人口密度が低い。
    • 55歳以上の中高年者比率が高い。
    • 女性比率が高い。
    • 結婚率が高い。
    • 貧富の差が少ない。


いろんな解釈ができそうな調査結果である。筆者に言わせれば、やはり「幸福」とか「満足」の観念が田舎と都市部とでは異なっていそうに思う。平凡に人並みに暮らすことで満足するか、それとも上昇志向で人生を突き進むか。上昇志向の人は、多少目標に近づいたところで、まだまだ自分が幸せだとは感じなかったりもするはず。

日本ではなく豪州の話とはいえ、都市部には、上昇志向の人が集まってくるはずである。地方から都市部に移動してきた人たちである。だから、田舎の人口密度はますます低くなり、平均年齢も高くなるということを上のデータが裏付けていそうに思う。

この調査に携わった人たちの間で、解釈が分かれているのも面白い。

調査チームの一員であるリズ・エッカーマンさんは、ラジオ局のインタビューを受けて、次のように話している。「お金が何らかの影響を持つとしても、それは非常に表層的なレベルでの話ですし、あくまで緩衝装置の役割を果たすだけです。お金では幸福は買えません。これまで、2万3千人近い人々を対象に聞き取り調査してきたわけですが、その結果が如実にそのことを裏付けていますね」

一方、この調査の結果を集計したロバート・カミンズ教授は、都市部の住居費と人口密度の高さが大きな要因だと考えている。

教授は新聞の取材を受けて、こう話している。「田舎では、住居費をはじめとする生計費が安くて済む傾向があります。このため、地方で暮らしている人たちの方が、収入のうち、自分の自由になる割合が高いといえるでしょう」

つまり、この2人の間には、次のような解釈の違いがありそうだ。ま、ソースに書かれている情報(記者が恣意的に情報を取捨選択しているかもしれない)だけから判断しているので、実際はもっと違うことも話しているのかもしれないが。

  • エッカーマン女史 ― お金で幸せや人の心を買うことはできない。

  • カミンズ教授 ― 田舎は所得以外の部分で、豊かな要素やゆとりがある。都市部と田舎の違いは、相対的なものである。


お約束の評点を付けにくい話題だが、日本でも同様な調査を実施したとしたら、そこそこ似通った結果が得られるのではないだろうか? その共通性を次のように評点してお茶を濁しておこう。

共通性7■■■■■■■□□□





■ Source: Sydney - Money doesn't buy happiness, and now there's a study to prove it. (AFP)

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この記事へのコメント

1. Posted by 枷   2006年02月15日 02:32
5 興味深い内容ですな。
私もお金では買えないと思いますね。
幸せの価値観は人によって違うものだが…その意味を履き違えてる人間は多い。

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