2006年02月02日
カナダ・ケベック州に住むマーク・ラチャンスさんは、サビーヌのことが忘れられなかった。日ごとに恋しさが増すばかりだった。サビーヌとは、ラチャンスさんがキューバで出会ったベルギー女性のファーストネームである。
ラチャンスさんは、キューバのハバナで休日を過ごしているときに、サビーヌという女性と出会い、丸一日一緒に過ごした。だが二人は、お互いのことをほとんど詮索しなかった。互いの連絡先どころかフルネームさえ教え合うことなく、別れを告げた。
だが、カナダに帰国したラチャンスさんは、自分の失敗に気づいた。知っているのは、ファーストネームと国籍だけ。フルネームと連絡先をなぜ聞いておかなかったのかと後悔し始めた。たった一日を一緒に過ごしただけのサビーヌへの恋しさが募るばかりだった。
ラチャンスさんは物量作戦に出た。ベルギー中からサビーヌという名前の女性3700人のメールアドレスを調べ、そのすべてにメールを出したのである。だが、その3700人の中に彼が探しているサビーヌさんは含まれていなかった。
メールで彼女を探し出すことはできなかった。だが、人違いメールを受け取った“サビーヌさんたち”の誰かがラジオ局に知らせたようで、ラチャンスさんのことがベルギーのラジオ番組で取り上げられた。サビーヌさんの兄が、たまたまその番組を聴いていて、彼が探しているサビーヌとはお前のことじゃないのかと妹に知らせた。
ラチャンスさんが必死になって自分を探していることを知ったサビーヌさんは心を突き動かされ、自分からラチャンスさんの電話番号を調べ出して、彼に国際電話をかけた。
ラチャンスさんは、ベルギー・フランデレン地域圏の日刊紙De Morgenの取材を受けて、こう話している。「想い続けた彼女とこうして連絡が取れて、本当に幸せな気持ちです。彼女も、私のことをずっと想ってくれていたのだそうです。電話では手短に話をしただけですが、長いメールを書いて送ることを約束してくれました」
「ベルギーに来て欲しいと言われました。再会が実現するなら、生まれて初めてのベルギー行きになります」
互いに旅行中の男女が意気投合した場合、男性の方が“爽やか”でいようとして、あえて相手の連絡先を聞いたりしないというのは、よくあることかもしれない。ラチャンスさんの場合も、そうだったのではないかと想像する。しかも、二人はカナダとベルギーという互いに遠く離れた国からの旅行者だった。
ただ、サビーヌという名前の女性に手当たり次第にメールを送ったのは、一歩間違えばSPAM行為である。また、相手を見つけることができても、相手が自分のことを何とも思っていなかったりして温度差がある場合は、ストーカーみたいだと気味悪がられることもありうる。多少、紙一重な部分もあったといえるだろう。
ま、しかし、この二人の場合は、お互いに相手のことを想い続けていたわけなので、むしろ、紙一重で二人の縁が切れずに繋がったというポジティブな意味において、次のように評点しておこう。
たとえば、日本国内のどこかを一人旅で訪れていた二人の男女がひと時を共にしたものの、互いにフルネームと連絡先を告げずに“爽やかに”別れた場合、その二人が後から互いに恋しさを募らせても、再び連絡を取り合うことができる可能性は極めて低いはずである。もっとも、ラジオというメディアが絡んだから、紙一重で縁が繋がったともいえるので、1ポイント差し引いた。
■ Source: Lovelorn Canadian tracks down his Sabine (AFP)
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だが、カナダに帰国したラチャンスさんは、自分の失敗に気づいた。知っているのは、ファーストネームと国籍だけ。フルネームと連絡先をなぜ聞いておかなかったのかと後悔し始めた。たった一日を一緒に過ごしただけのサビーヌへの恋しさが募るばかりだった。
ラチャンスさんは物量作戦に出た。ベルギー中からサビーヌという名前の女性3700人のメールアドレスを調べ、そのすべてにメールを出したのである。だが、その3700人の中に彼が探しているサビーヌさんは含まれていなかった。
メールで彼女を探し出すことはできなかった。だが、人違いメールを受け取った“サビーヌさんたち”の誰かがラジオ局に知らせたようで、ラチャンスさんのことがベルギーのラジオ番組で取り上げられた。サビーヌさんの兄が、たまたまその番組を聴いていて、彼が探しているサビーヌとはお前のことじゃないのかと妹に知らせた。
ラチャンスさんが必死になって自分を探していることを知ったサビーヌさんは心を突き動かされ、自分からラチャンスさんの電話番号を調べ出して、彼に国際電話をかけた。
ラチャンスさんは、ベルギー・フランデレン地域圏の日刊紙De Morgenの取材を受けて、こう話している。「想い続けた彼女とこうして連絡が取れて、本当に幸せな気持ちです。彼女も、私のことをずっと想ってくれていたのだそうです。電話では手短に話をしただけですが、長いメールを書いて送ることを約束してくれました」
「ベルギーに来て欲しいと言われました。再会が実現するなら、生まれて初めてのベルギー行きになります」
互いに旅行中の男女が意気投合した場合、男性の方が“爽やか”でいようとして、あえて相手の連絡先を聞いたりしないというのは、よくあることかもしれない。ラチャンスさんの場合も、そうだったのではないかと想像する。しかも、二人はカナダとベルギーという互いに遠く離れた国からの旅行者だった。
ただ、サビーヌという名前の女性に手当たり次第にメールを送ったのは、一歩間違えばSPAM行為である。また、相手を見つけることができても、相手が自分のことを何とも思っていなかったりして温度差がある場合は、ストーカーみたいだと気味悪がられることもありうる。多少、紙一重な部分もあったといえるだろう。
ま、しかし、この二人の場合は、お互いに相手のことを想い続けていたわけなので、むしろ、紙一重で二人の縁が切れずに繋がったというポジティブな意味において、次のように評点しておこう。
紙一重指数9 | ■■■■■■■■■□ |
たとえば、日本国内のどこかを一人旅で訪れていた二人の男女がひと時を共にしたものの、互いにフルネームと連絡先を告げずに“爽やかに”別れた場合、その二人が後から互いに恋しさを募らせても、再び連絡を取り合うことができる可能性は極めて低いはずである。もっとも、ラジオというメディアが絡んだから、紙一重で縁が繋がったともいえるので、1ポイント差し引いた。
■ Source: Lovelorn Canadian tracks down his Sabine (AFP)
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