2006年01月30日
面白い女が男にモテないのはなぜか? カナダのウエスタンオンタリオ大学、同じくカナダのマクマスター大学、米国のマサチューセッツ州立大学の研究者たちが興味深い合同調査を行い、その結果が科学ジャーナル誌“Evolution and Human Behaviour”の今週号に発表されている。
この合同研究プロジェクトでは、20代の男女数百名を対象として調査を行った。ユーモアのセンスは女性の魅力の1つになるかと質問すると、ほとんどの男性はYESと回答した。しかし、ジョークを連発する女性と付き合いたいと思うかと質問すると、圧倒的多数がNOと回答した。
この合同研究プロジェクトを率いたロッド・マーティン心理学博士(ウエスタンオンタリオ大学)は、こう説明している。「男性は、人を笑わせるのは(女らしいことではなく)自分たち男の領分に属することだと見ているのです」
「恋人になってくれそうな異性が二人いるとします。一人は笑わせるのが得意、もう一人は笑わされるのが好き。どちらを選択しますかと聞くと、女性は笑わせるのが得意な男性を選び、男性は笑ってくれる女性を選びます」
調査に協力してくれた男性のうち、「人を笑わせるのが得意な女性は真面目な恋愛の対象にならない」と回答した人が半数を超えた。マーティン博士は、男性たちにとって笑いを作り出すのは男の領分に属することであり、笑わせるのが得意な女性がいると脅威に感じるのだと分析している。
笑わせるのが得意な女性は、長く付き合う相手として選ばれにくいということになる。ところが、その一方で、期間限定の遊びや行きずりの関係なら、笑わせるのが得意な女性を好む傾向があることもわかった。つまり、ジョーク好きの女性は、男性に適当に遊ばれて捨てられやすいということを意味していることになる。
当ブログでは「笑いは一種の武器であり、ユーモアには常に攻撃性が秘められている」と考えている学者が編み出した“笑いの方程式”のことを以前、記事にしたことがある。方程式を編み出したクリシュタフォビッチ博士は、次のようなことを言っている。
マーティン博士の分析は、クリシュタフォビッチ博士の説とかなりの部分が一致しそうである。つまり、人を笑わせることは男性の能力の1つだから、その能力に長けている女性を異性として見ることができない・・・ということになりそうだ。
BBCの人気コメディ番組“Goodness Gracious Me”の脚本を担当している女性脚本作家のミーラ・サイヤルさん(同番組にコメディアンとしても出演している)は、本件に関して次のようにコメントしている。
研究を率いたマーティン博士は、この研究結果には、男性ファンの獲得に苦労してきた女性スタンダップコメディアンにとって打開策となるヒントが含まれているかもしれないと話している。
マーティン博士は言う。「女性コメディアンが男性に受けにくい理由の1つは、ユーモアは男性の専売特許だと見る傾向が男性たちの間にあるからです」
飲料水のペリエ社が1981年からペリエ賞を設けて優秀なコメディアンを毎年表彰しているが、その25年の歴史の中で、ペリエ賞に輝いた女性コメディアンはわずかに2名しかいない。うち1名は、昨年度のペリエ賞を受賞したローラ・ソロンさんという女性コメディアン。彼女は次のように話している。
「お笑い業界は、女性コメディアンにとって苦労の多い業界です。しかも、女性は少数派。でも、私はこうして受賞できたわけで、ユーモア精神が災いして負け組になったりなんかしていませんわ」
さて、「笑わせるのが得意な女性は男性に遊ばれやすい」という件については、女性スタンダップコメディアンのルーシー・ポーターさんが次のようにコメントしている。「素人の男性から、やたらと馴れ馴れしく話しかけられます。ステージの上で大胆不敵にジョークを連発する女は、あっちの方も大胆不適だろうと思われているからなのかもしれません」
また、その他の女性コメディアンの多くも、「男性が女性を誘惑するときはジョークが武器になるが、女性が男性を魅惑しようとするときにジョークが武器になることなどほとんどない」というようなことを話している。
女性コメディアンのオリアネ・メシナさんは、こう話す。「男が笑いで女を落とすことなんかざらにあるでしょうけど、私が笑いで男を落としたことなんて一度もありませんわ。私の場合、状況に応じて自分のユーモアを調節することがあります。たとえば、魅力的な男性と話しているときがそうです。男性によっては、面白い女を疎んじることがあるんです」
さて、日本のお笑い業界に目を向けると、人気獲得に成功している女性芸人も少なくない。しかも、最近では、男でありながら女性のキャラに化けて笑いを取っている芸人も目に付く。ただ、女性芸人の場合も女性に化けている男性芸人の場合も、ファンの大多数は女性ではないかと思われる。
男性お笑い芸人には女性の追っかけファンがたくさんいたりするが、女性お笑い芸人が男性ファンに追っかけられているという話はほとんど聞いたことがない。
一般社会に目を向けると、笑わせるのが得意な女性は、男性に異性として見てもらいにくいという傾向が確かにあると思う。
黙っていると近寄りがたい気品すら感じさせる美形の女性の口からジョークが連発する場合など、いつの間にか周りの男性は彼女がとびきりの美人であることを忘れていたりもするだろう。ただ、そういう二面性が魅力になることもあるから面白い。
「笑わせる女は男にパートナー候補として見てもらえない」の法則自体を次のように評点しておこう。
欧米では、この法則がほぼ確実に的中するのではないだろうか。上記の評点は満点と評価してもよさそうなくらいだ。
欧米のユーモアは“突っ込み”が主体である。だが、日本の場合は欧米とは違い、“ボケ”による笑いもある。“ボケ”で笑いを取る女性(特に天然ボケの女性)は、日本では人気者になる。このへんを考慮して、的中確率を8ポイントくらいと評価した。
■ Source: Independent Online Edition - Why men don't fancy funny women
【関連記事】
この合同研究プロジェクトを率いたロッド・マーティン心理学博士(ウエスタンオンタリオ大学)は、こう説明している。「男性は、人を笑わせるのは(女らしいことではなく)自分たち男の領分に属することだと見ているのです」
「恋人になってくれそうな異性が二人いるとします。一人は笑わせるのが得意、もう一人は笑わされるのが好き。どちらを選択しますかと聞くと、女性は笑わせるのが得意な男性を選び、男性は笑ってくれる女性を選びます」
調査に協力してくれた男性のうち、「人を笑わせるのが得意な女性は真面目な恋愛の対象にならない」と回答した人が半数を超えた。マーティン博士は、男性たちにとって笑いを作り出すのは男の領分に属することであり、笑わせるのが得意な女性がいると脅威に感じるのだと分析している。
笑わせるのが得意な女性は、長く付き合う相手として選ばれにくいということになる。ところが、その一方で、期間限定の遊びや行きずりの関係なら、笑わせるのが得意な女性を好む傾向があることもわかった。つまり、ジョーク好きの女性は、男性に適当に遊ばれて捨てられやすいということを意味していることになる。
当ブログでは「笑いは一種の武器であり、ユーモアには常に攻撃性が秘められている」と考えている学者が編み出した“笑いの方程式”のことを以前、記事にしたことがある。方程式を編み出したクリシュタフォビッチ博士は、次のようなことを言っている。
人は何のためにジョークを飛ばすのか? 自分のスタータスを高め、相手より優位に立つことがジョークの真の狙いである。ジョークは、言葉だけで仕掛けられる一種の攻撃である。
皆を笑わせることが出来れば、この戦いに勝利したことになる。可笑しいジョークを飛ばした本人が一番大笑いすることが多いのは、勝利の快感に浸っているからである。
マーティン博士の分析は、クリシュタフォビッチ博士の説とかなりの部分が一致しそうである。つまり、人を笑わせることは男性の能力の1つだから、その能力に長けている女性を異性として見ることができない・・・ということになりそうだ。
BBCの人気コメディ番組“Goodness Gracious Me”の脚本を担当している女性脚本作家のミーラ・サイヤルさん(同番組にコメディアンとしても出演している)は、本件に関して次のようにコメントしている。
- 「誰かに笑わされるより、誰かを笑わせる方を好む傾向が男性の間に強いと聞かされても、さほど驚きませんよ。女性は、ユーモアのセンスがある男性のことを危険でセクシーな異性だと感じますが、男性はそういう男を見ると警戒心を抱きます。根本的なとろこまで突き詰めて言えば、ユーモアは知性の証なのです。男性は、人前で相手に引けを取って劣等感を味わうことを怖れるわけです」
- 「以前、“Goodness Gracious Me”の公開収録ツアーに出たときのことです。男女2名ずつの出演者がいました。男性の出演者が舞台裏の通用口から外に出るときは、多数の女性ファンが群がっていました。でも、女性出演者を待ち構えている男性ファンは一人もいませんでしたね」
- 「とは言っても、私のパートナーは、ユーモアのセンスがある私のことを心から好きになってくれた人です。結局、こういうことは、相手の男性の考え方次第でしょう。互いに笑い合えることを第一に考える男性だっているわけです」
- 「私も若いころは、魅力的な殿方と話しているときは、自分のユーモアをトーンダウンさせたことがあったかもしれません。でも、今では、そんなこともありません」
研究を率いたマーティン博士は、この研究結果には、男性ファンの獲得に苦労してきた女性スタンダップコメディアンにとって打開策となるヒントが含まれているかもしれないと話している。
マーティン博士は言う。「女性コメディアンが男性に受けにくい理由の1つは、ユーモアは男性の専売特許だと見る傾向が男性たちの間にあるからです」
飲料水のペリエ社が1981年からペリエ賞を設けて優秀なコメディアンを毎年表彰しているが、その25年の歴史の中で、ペリエ賞に輝いた女性コメディアンはわずかに2名しかいない。うち1名は、昨年度のペリエ賞を受賞したローラ・ソロンさんという女性コメディアン。彼女は次のように話している。
「お笑い業界は、女性コメディアンにとって苦労の多い業界です。しかも、女性は少数派。でも、私はこうして受賞できたわけで、ユーモア精神が災いして負け組になったりなんかしていませんわ」
さて、「笑わせるのが得意な女性は男性に遊ばれやすい」という件については、女性スタンダップコメディアンのルーシー・ポーターさんが次のようにコメントしている。「素人の男性から、やたらと馴れ馴れしく話しかけられます。ステージの上で大胆不敵にジョークを連発する女は、あっちの方も大胆不適だろうと思われているからなのかもしれません」
また、その他の女性コメディアンの多くも、「男性が女性を誘惑するときはジョークが武器になるが、女性が男性を魅惑しようとするときにジョークが武器になることなどほとんどない」というようなことを話している。
女性コメディアンのオリアネ・メシナさんは、こう話す。「男が笑いで女を落とすことなんかざらにあるでしょうけど、私が笑いで男を落としたことなんて一度もありませんわ。私の場合、状況に応じて自分のユーモアを調節することがあります。たとえば、魅力的な男性と話しているときがそうです。男性によっては、面白い女を疎んじることがあるんです」
さて、日本のお笑い業界に目を向けると、人気獲得に成功している女性芸人も少なくない。しかも、最近では、男でありながら女性のキャラに化けて笑いを取っている芸人も目に付く。ただ、女性芸人の場合も女性に化けている男性芸人の場合も、ファンの大多数は女性ではないかと思われる。
男性お笑い芸人には女性の追っかけファンがたくさんいたりするが、女性お笑い芸人が男性ファンに追っかけられているという話はほとんど聞いたことがない。
一般社会に目を向けると、笑わせるのが得意な女性は、男性に異性として見てもらいにくいという傾向が確かにあると思う。
黙っていると近寄りがたい気品すら感じさせる美形の女性の口からジョークが連発する場合など、いつの間にか周りの男性は彼女がとびきりの美人であることを忘れていたりもするだろう。ただ、そういう二面性が魅力になることもあるから面白い。
「笑わせる女は男にパートナー候補として見てもらえない」の法則自体を次のように評点しておこう。
ありえる度8 | ■■■■■■■■□□ |
欧米では、この法則がほぼ確実に的中するのではないだろうか。上記の評点は満点と評価してもよさそうなくらいだ。
欧米のユーモアは“突っ込み”が主体である。だが、日本の場合は欧米とは違い、“ボケ”による笑いもある。“ボケ”で笑いを取る女性(特に天然ボケの女性)は、日本では人気者になる。このへんを考慮して、的中確率を8ポイントくらいと評価した。
■ Source: Independent Online Edition - Why men don't fancy funny women
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- これが笑いの方程式だ
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1. 笑わせると言っても色々だけどね。 [ 妙訝のはてな記 ] 2006年01月30日 19:02
この合同研究プロジェクトを率いたロッド・マーティン心理学博士(ウエスタンオンタリオ大学)は、こう説明している。「男性は、人を笑わせるのは(女らしいことではなく)自分たち男の領分に属することだと見ているのです」 「恋人になってくれそうな異性が二人いるとしま...
2. 女性コメディアンや笑わせ好きな女が男にモテない理由 [ ごちゃ箱ニュース ] 2006年02月04日 10:49
女性コメディアンや笑わせ好きな女が男にモテない理由[なんでも評点]
うーん・・・
僕は笑わせてくれる女の人の方がどっちかというと好きなんだけど・・・
3. モテるためには、笑わせろ [ カーフィルム・アートフィルムのカーテック・ニッポー 店長のきまぐれ日記 ] 2006年02月25日 10:56
カナダと米国の大学で、調査した結果、
女性はユーモアのある男性を好むが、
男性は女性に対し、ユーモアより、外見を重視する傾向らしい。
つまり、笑わせてくれる女性より、
自分のギャグに笑ってくれる女性をパートナーとして、望んでいる訳だ。
吉本の若手お笑いの芸人...
4. 会話DEモテよう。 [ 月夜の宝石箱(写) ] 2007年02月21日 12:12
モテない理由の話を前にしたけど、第一印象・第二印象がダメだと失格ですよね。見た目が99%と言えど、そんな見た目がよい人はなかなかいない。美形ばかりと付き合ってきたなんて僕みたいなのはそんなにいないし、僕だって見た目がよいわけじゃない・・・悪くはないけど...
この記事へのコメント
1. Posted by ハンナ 2006年02月03日 02:08
初めまして。
ブログ仲間から聞いて参りました。
ハーレクイーンロマンス社のデータについて記事にしたのですが、カナダ人の相手に求めるものの結果に違いがありますね。
なかなか興味のある記事ですので、関連記事も後でゆっくり読ませていただきますね。
ブログ仲間から聞いて参りました。
ハーレクイーンロマンス社のデータについて記事にしたのですが、カナダ人の相手に求めるものの結果に違いがありますね。
なかなか興味のある記事ですので、関連記事も後でゆっくり読ませていただきますね。
2. Posted by ビスケ 2006年02月27日 12:24
確かに、なんかモーションかけてきてんなー、
というときに怒涛のようにお笑いキャラを発揮すると
生臭い空気が消えて平穏に戻りますねwww
この研究結果に裏づけされたようで安心しましたw
というときに怒涛のようにお笑いキャラを発揮すると
生臭い空気が消えて平穏に戻りますねwww
この研究結果に裏づけされたようで安心しましたw