クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:シングルマザーと結婚する男はその心意気を讃えられるべきなのか

2005年12月03日

シングルマザーと結婚する男はその心意気を讃えられるべきなのか


このブログの読者の中にも、きっとシングルマザーの女性が含まれていると思う。マレーシアの国会議員がシングルマザーの人にとって朗報なのか、それともありがた迷惑なのか、どちらかよくわからない法案を提出した。
イドリス・ハルン議員が提案したのは、シングルマザーと結婚した男性に報奨金を与える制度である。シングルマザーと結婚しようという男性には、その“善行”を讃えるための何らかの報奨を与えて然るべきではないかというのが彼の主張。

しかし、女性家庭省担当のチュー・メイ・ファン政務次官がこの法案を聞いて、烈火のごとく猛反対。こんな制度が出来てしまうと、未婚の母を巡る諸問題がさらに悪化すると指摘する。

チュー政務次官は反対の理由をこう説明する。「私が仮にシングルマザーだったとして、そんな制度が出来てしまうと、極度に疑い深くなってしまうでしょうね」

「だって、男性からプロポーズされても、裏に別の意図がありそうな気がするじゃないですか。その男性は、本当に私のことを愛しているから結婚したいのか、それともお金がほしいだけなのか」

チュー政務次官が男性だったら説得力に欠けるかもしれないが、チュー政務次官は女性である。

どちらの言い分が正しいのか、筆者には何とも言えない。だが、シングルマザーと結婚する男性に報奨金を与える制度を考え出したイドリス・ハルン議員の視点は、あくまで男性の側に置かれているようである。元記事には彼の言い分が次のように記されている。

...men who marry single mothers ought to be given "some kind of incentive for their good deed....


シングルマザーとわざわざ結婚してあげようという殊勝な男性には、その心意気を讃える報奨金を与えてやろうじゃないか・・・というようなニュアンスである。こう解釈する限りは、筆者もどちらかといえば反対派である。

マレーシアは、イスラム教徒が多勢を占める国。未婚の母という存在は、イスラムの教義と相容れない。よって、シングルマザーたちは社会的に疎外された立場にある。報奨金制度案の根本にあるのは、彼女らを疎外された立場から脱却させるには、誰かと結婚させればよい・・・という発想のようだ。

しかし、マレーシアにも、シングルマザーが置かれている社会的立場を改善しようと活動している女性団体が存在する。また、それらの女性団体では、シングルマザーに政府から補助金を引き出すための活動も続けている。それはつまり、シングルマザーが誰かと結婚しなくても、社会的にも経済的にも支障なく暮らしていけるようにすることを目標としているわけだ。

こう考えると、やはりシングルマザーたちにとっても“ありがた迷惑”な部分が大きい話かもしれない。ただし、シングルマザーの中には、早く結婚(もしくは再婚)したいと切望している人だって少なくないはずだ。よって、本件の“ありがた迷惑さ”は次のように評点しておこう。

ありがた迷惑さ6■■■■■■□□□□





■ Source: Marry single mom, get reward! (DPA)

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1. 世界システム論(1)  [ デイリー京産らいふ ]   2005年12月03日 03:36
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