2005年10月27日
英国で、32歳の女性が待望の赤ちゃんを授かった。だが赤ちゃんを産んだのは、彼女の姉妹である。つまり代理母出産だった。ここまでは、決して珍しい話ではない。
彼女の夫の精子を受精した卵子は、彼女の卵子ではなかった。もう1人の姉妹の体から採取された卵子だった。にもかかわらず、赤ちゃんは、彼女と同じ遺伝子を受け継いでいる。少なくとも英国では、代理母出産史上初めてのケースだという。
英国BBCが10月24日の夜、“One Life - Three Sisters Make One Baby”と題するドキュメンタリ番組で、この女性が赤ちゃんを授かるまでのストーリーを伝えた。
彼女の夫の精子を受精した卵子は、彼女の卵子ではなかった。もう1人の姉妹の体から採取された卵子だった。にもかかわらず、赤ちゃんは、彼女と同じ遺伝子を受け継いでいる。少なくとも英国では、代理母出産史上初めてのケースだという。
英国BBCが10月24日の夜、“One Life - Three Sisters Make One Baby”と題するドキュメンタリ番組で、この女性が赤ちゃんを授かるまでのストーリーを伝えた。
環境アシスタントの仕事に就きながらロンドン南東部のウーリッジで暮らしているアレックス・パトリックさん(32歳)は、4年前、28歳のときに子宮頸部がんにかかり、化学療法を受けた後、不妊と宣告された。
アレックスさんは、がんと宣告されたことより、不妊と宣告されたことの方がよほどショックだったと話している。「夫のショーンと子供たちを育てるのが夢だったのに、その夢が消し飛んでしまいました」
「それでも子供が欲しくて堪らないときがありました。どこへ行っても、ベビーカーを押している女性がいると目が釘付けになってしまったものです」。
彼女には、2人の姉妹がいる。35歳のヘレン・リッチーさんと、32歳のシャーロット・ペステルさんの2人である。年齢が同じことから分かるように、シャーロットさんとアレックスさんは双子である。
2人の姉妹は、アレックスさんが不妊であることを知ると、自分たちに何かできることはないだろうかと考えた。そして、双子の姉妹シャーロットさんがアレックスさんに、こう言ってのけた。「私の卵子を使えばいいじゃない」
双子の姉妹シャーロットさんから採取した卵子をアレックスさんの夫ショーンさんの(39歳)精子で人工授精させ、受精卵を35歳の姉ヘレンさんの子宮に入れるというプランが固まった。
3人の姉妹は、サマセットのバス不妊治療クリニックに行き、計画を話した。費用は60万円ほどかかるが、成功する可能性は25パーセントしかないと言われた。成功率が低くても、彼女らは計画を実行に移すことにした。
双子の姉妹シャーロットさんは、卵子の生産を促進するために卵胞刺激ホルモンの投与を受けた。そして、医師たちはシャーロットさんに鎮静剤を投与しながら、彼女の体内から卵子を採取した。卵子採取手術にはアレックスさんも立ち会ったが、恐くて見ていられなかったと言う。だが当のシャーロットさんは、さほど痛みがあったようには覚えていないと語っている。
次に、ヘレンさんの子宮内に受精卵が移植された。成功率が低かったにもかかわらず、一発で着床した。35歳の姉が32歳の妹の子供を身ごもったのである。
そして、9ヵ月後、3,800グラムの元気な男の赤ちゃんが安産で生まれた。チャーリーと名づけられた。もう4ヶ月になる。
代理母となったヘレンさんは、チャーリーが9ヶ月間、自分のお腹の中にいる間に強い絆を実感したと話している。「赤ちゃんがいなくなると、こんなに寂しいものとは思っていませんでした。でも、アレックスが望むなら、もう一度代理母になってもいいと思っています。自分の赤ちゃんを手放したみたいには感じていませんよ」
アレックスさんは、自分が産みの親でないことから、赤ちゃんと自分の間の関係に何か悪影響が生じるのではないかと心配していたと言う。「赤ちゃんが私のことを愛してくれないのではないかと心配でした。だから、誰よりも先に赤ちゃんに触れたかった」
一方、卵子提供者となったシャーロットさんも、自分たちが双子の姉妹であることの持つ意味は、とても大きいと話している。双子だからこそ、アレックスさんと同じ遺伝子を受け継ぐ赤ん坊が生まれたのである。
アレックスさんは、二人の姉妹への恩を一生忘れることはないと話している。
なお、アレックスさんとシャーロットさんが一卵性双生児かどうかは、ソース記事(下記)に明記されていない。だが、シャーロットさんの談話から判断するに、一卵性双生児と見て間違いなさそうである。
一卵性双生児であれば、遺伝子(DNA)は完全に一致する。よって、シャーロットさんの卵子をアレックスさんの夫の精子で受精させた結果生まれた赤ちゃんは、アレックスさんの遺伝子を完全に受け継いでいることになる。完全に共通である。
アレックスさんとシャーロットさんは、32年の時を遡ると、もともと1つの受精卵だった。それが母の胎内で2つに分離し、一卵性双生児として生まれた。同じ遺伝子のセットが2つに枝分かれしたわけだ。そして、32年の時を経て2つの枝が1つに繋がった。そう解釈すれば、チャーリーは紛れもなくアレックスさんの子供だと考えてよいのかもしれない。
まあ、しかし、よからぬことがふと頭に浮かんでしまうのは、筆者だけだろうか? アレックスさんの双子の姉妹シャーロットさんから取り出した卵子をアレックスさんの夫ショーンさんの精子で受精させ、受精卵を35歳の姉ヘレンさんの子宮に移植する・・・という複雑なプロセスをもっと簡略化することも実は可能なのではないかと。
代理母と卵子提供者の両方をシャーロットさんが兼ねることも可能なのではないのかと。しかも、不妊クリニックのお世話になる必要もなかったのではないかと。せっかくの美談に水を差しては悪いので、これ以上は言うまい。というか、既にほとんど全部言ってしまっているが。
■Source: Guardian Unlimited - Three sisters unite for surrogate birth
【関連記事】
アレックスさんは、がんと宣告されたことより、不妊と宣告されたことの方がよほどショックだったと話している。「夫のショーンと子供たちを育てるのが夢だったのに、その夢が消し飛んでしまいました」
「それでも子供が欲しくて堪らないときがありました。どこへ行っても、ベビーカーを押している女性がいると目が釘付けになってしまったものです」。
彼女には、2人の姉妹がいる。35歳のヘレン・リッチーさんと、32歳のシャーロット・ペステルさんの2人である。年齢が同じことから分かるように、シャーロットさんとアレックスさんは双子である。
2人の姉妹は、アレックスさんが不妊であることを知ると、自分たちに何かできることはないだろうかと考えた。そして、双子の姉妹シャーロットさんがアレックスさんに、こう言ってのけた。「私の卵子を使えばいいじゃない」
双子の姉妹シャーロットさんから採取した卵子をアレックスさんの夫ショーンさんの(39歳)精子で人工授精させ、受精卵を35歳の姉ヘレンさんの子宮に入れるというプランが固まった。
3人の姉妹は、サマセットのバス不妊治療クリニックに行き、計画を話した。費用は60万円ほどかかるが、成功する可能性は25パーセントしかないと言われた。成功率が低くても、彼女らは計画を実行に移すことにした。
双子の姉妹シャーロットさんは、卵子の生産を促進するために卵胞刺激ホルモンの投与を受けた。そして、医師たちはシャーロットさんに鎮静剤を投与しながら、彼女の体内から卵子を採取した。卵子採取手術にはアレックスさんも立ち会ったが、恐くて見ていられなかったと言う。だが当のシャーロットさんは、さほど痛みがあったようには覚えていないと語っている。
次に、ヘレンさんの子宮内に受精卵が移植された。成功率が低かったにもかかわらず、一発で着床した。35歳の姉が32歳の妹の子供を身ごもったのである。
そして、9ヵ月後、3,800グラムの元気な男の赤ちゃんが安産で生まれた。チャーリーと名づけられた。もう4ヶ月になる。
代理母となったヘレンさんは、チャーリーが9ヶ月間、自分のお腹の中にいる間に強い絆を実感したと話している。「赤ちゃんがいなくなると、こんなに寂しいものとは思っていませんでした。でも、アレックスが望むなら、もう一度代理母になってもいいと思っています。自分の赤ちゃんを手放したみたいには感じていませんよ」
アレックスさんは、自分が産みの親でないことから、赤ちゃんと自分の間の関係に何か悪影響が生じるのではないかと心配していたと言う。「赤ちゃんが私のことを愛してくれないのではないかと心配でした。だから、誰よりも先に赤ちゃんに触れたかった」
一方、卵子提供者となったシャーロットさんも、自分たちが双子の姉妹であることの持つ意味は、とても大きいと話している。双子だからこそ、アレックスさんと同じ遺伝子を受け継ぐ赤ん坊が生まれたのである。
アレックスさんは、二人の姉妹への恩を一生忘れることはないと話している。
なお、アレックスさんとシャーロットさんが一卵性双生児かどうかは、ソース記事(下記)に明記されていない。だが、シャーロットさんの談話から判断するに、一卵性双生児と見て間違いなさそうである。
注: 一卵性双生児かどうかを確定するには、DNA鑑定が必要だという。「金さん&銀さん」や「まな&かな」などは、どう見ても一卵性に見えるわけだが、厳密には、DNA鑑定してみないと一卵性と断定することはできないそうだ。 |
一卵性双生児であれば、遺伝子(DNA)は完全に一致する。よって、シャーロットさんの卵子をアレックスさんの夫の精子で受精させた結果生まれた赤ちゃんは、アレックスさんの遺伝子を完全に受け継いでいることになる。完全に共通である。
共通性10 | ■■■■■■■■■■ |
アレックスさんとシャーロットさんは、32年の時を遡ると、もともと1つの受精卵だった。それが母の胎内で2つに分離し、一卵性双生児として生まれた。同じ遺伝子のセットが2つに枝分かれしたわけだ。そして、32年の時を経て2つの枝が1つに繋がった。そう解釈すれば、チャーリーは紛れもなくアレックスさんの子供だと考えてよいのかもしれない。
まあ、しかし、よからぬことがふと頭に浮かんでしまうのは、筆者だけだろうか? アレックスさんの双子の姉妹シャーロットさんから取り出した卵子をアレックスさんの夫ショーンさんの精子で受精させ、受精卵を35歳の姉ヘレンさんの子宮に移植する・・・という複雑なプロセスをもっと簡略化することも実は可能なのではないかと。
代理母と卵子提供者の両方をシャーロットさんが兼ねることも可能なのではないのかと。しかも、不妊クリニックのお世話になる必要もなかったのではないかと。せっかくの美談に水を差しては悪いので、これ以上は言うまい。というか、既にほとんど全部言ってしまっているが。
■Source: Guardian Unlimited - Three sisters unite for surrogate birth
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1. 3人の女性が1人の赤ちゃんを作ったという謎? [ i☆Letter ] 2005年10月28日 03:00
なんでも評点さんのところで読んだのですが…英国で、32歳の女性が待望の赤ちゃんを
この記事へのコメント
1. Posted by yuucyo 2005年10月27日 03:10
金さん銀さんは知りませんが、マナカナは2卵生だそうです。
本人たちがテレビで言っていましたので間違いないです。
本人たちがテレビで言っていましたので間違いないです。
2. Posted by Y 2005年10月27日 08:29
この話はきっと、「姉妹(二人)で力になりたかった」んだと思いますよ。
確かに受胎可能な女性が1人いれば済む話だとは思いますが、姉妹の絆の深さが伺える、あたたかいお話だと思います(^ ^)
確かに受胎可能な女性が1人いれば済む話だとは思いますが、姉妹の絆の深さが伺える、あたたかいお話だと思います(^ ^)
3. Posted by halcyon 2005年10月28日 01:21
Yさんの言うとおりだと思います。
もし双子の姉妹の方だけが協力する、となれば
最終的に「夫は妻の双子の姉妹と普通に性交して子供を作ればよい」
というところまでいってしまって、なんだか嫌な話になってしまうので
姉妹の一人が卵子提供、一人が出産と
姉妹みんなで協力し合ったからこそ幸せな結果になったのではないでしょうかね。
もし双子の姉妹の方だけが協力する、となれば
最終的に「夫は妻の双子の姉妹と普通に性交して子供を作ればよい」
というところまでいってしまって、なんだか嫌な話になってしまうので
姉妹の一人が卵子提供、一人が出産と
姉妹みんなで協力し合ったからこそ幸せな結果になったのではないでしょうかね。
4. Posted by えに 2005年10月31日 23:46
なぜ姉妹が2人とも関わったのかという点について、最近出産を経験した者の立場から。
シャーロットさんが仕事を持っていたとか、シャーロットさんには出産経験がなくヘレンさんのほうは経産婦であったとか(初産で代理出産というのは精神的にも負担が大きいと思いますし、そもそも経産婦であることが代理母となる資格のひとつのようです)、またはシャーロットさんが、近い将来に自分自身の子供を妊娠することを希望していて、ヘレンさんはそうではなかったとか・・・いろいろな理由が考えられると思います。
女性にとって、妊娠・出産は(自然なこととはいえ)やはりたいへんな負担であり、姉妹であるから、協力の意思があるからといって、それだけで出来るものではありません。
シャーロットさんが仕事を持っていたとか、シャーロットさんには出産経験がなくヘレンさんのほうは経産婦であったとか(初産で代理出産というのは精神的にも負担が大きいと思いますし、そもそも経産婦であることが代理母となる資格のひとつのようです)、またはシャーロットさんが、近い将来に自分自身の子供を妊娠することを希望していて、ヘレンさんはそうではなかったとか・・・いろいろな理由が考えられると思います。
女性にとって、妊娠・出産は(自然なこととはいえ)やはりたいへんな負担であり、姉妹であるから、協力の意思があるからといって、それだけで出来るものではありません。
5. Posted by r 2006年04月04日 17:24
確かに美談というより医学的にヘレンさんのが代理母に向いていたってだけだったのかもね。卵子提供者はどうせなら同じ遺伝子持ってるってことで双子の相方であるシャーロットさんが引き受けたんだろうけど。
6. Posted by _ 2006年12月08日 03:13
マナカナちゃんたちは、今年テレビ番組の中で
DNA検査を受けて、一卵性だと言う事が発覚していました。本人たちもビックリしてましたよ。
DNA検査を受けて、一卵性だと言う事が発覚していました。本人たちもビックリしてましたよ。
7. Posted by な 2006年12月21日 19:41
wikipediaも更新されてますね>マナカナ
ヤボダナァww>管理人さん
しかしこのネタ、そのうち世界仰天ニュースでとりあげられるんじゃないかw
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8. Posted by go to website 2014年05月10日 12:25
best e cigarettes なんでも評点:3人の女性が1人の赤ちゃんを作った
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