2005年10月08日
「僕は、給料を貰いすぎています」なんてことをわざわざ公言する人は非常に珍しい。内心貰いすぎていると思っていても普通は黙っているだろう。
英国ノッティンガムのNHS(国民健康サービス)病院で研修医(ジュニア・ドクター)をしている24歳のマーク・ジョプリングさんがNew Statesmanという論壇誌に投稿した記事が物議をかもしている。
医師の給料を減らし、ナースなど、仕事の割りに給料が少ない医療スタッフに再分配すべきではないかと主張する内容だ。記事には “I'm paid too much”(僕は給料をもらいすぎている)という表題が付いている。
英国ノッティンガムのNHS(国民健康サービス)病院で研修医(ジュニア・ドクター)をしている24歳のマーク・ジョプリングさんがNew Statesmanという論壇誌に投稿した記事が物議をかもしている。
医師の給料を減らし、ナースなど、仕事の割りに給料が少ない医療スタッフに再分配すべきではないかと主張する内容だ。記事には “I'm paid too much”(僕は給料をもらいすぎている)という表題が付いている。
「病院の医師の中で、最も資格レベルが低く、技能も低く、最も安月給。それが僕の置かれている立場。日々の仕事と言ったら、カルテに抜けがないかチェックしたり、使い走りをしたり、血液検査の結果を追いかけたり。役に立っているかもしれないが、代わりはいくらでもいる」
そんな自分の年収が37,000ポンド(日本円で約740万円)もあるのは、もらいすぎではないかと言う。
現在研修医のジョプリングさんが病院の常勤医になると、年収は9万ポンド(日本円で約1800万円)に跳ね上がる。また、家庭医(Famility Practice Doctor)になると、10万ポンド(約2000万円)を超える可能性すらある。
イギリスの国民保健サービス(NHS)は国営であり、公費が投じられている。市民がNHSに加入すれば、NHS病院における診察、入院、手術の費用全額が保険でカバーされる。しかし毎年巨額の赤字を出している。
ジョプリングさんが自ら“もらいすぎ”と形容する700万以上の年棒もNHSから支払われているわけである。一方、NHS病院のナースの場合、初任給が16,000ポンド/年ほどで、その後、どんなに昇給しても研修医の年収を超えることはないらしい。
ジョブリングさんは、ある程度“敵を作る”ことも覚悟の上、記事を書いたという。実際、英国医師会から反論を浴びている。
ともあれ、英国の保健行政や医療事情のことはともかく、黙ってキャリアを積んでいけば良い身分が保証されているのに、わざわざ“I'm paid too much”と題した記事を書いて一石を投じた(つもりでいる?)ジョブリングさんは、けなげなのか、世間知らずなのか、純粋なのか、それとも英雄気取りだったり、売名狙いだったりするのか?
ジョブリングさんの投稿記事を見ると、学校の先生やソーシャルワーカーも大変な仕事なのに、人の命がかかっていないという理由だけで医師と比べて給料に格差がありすぎる・・・という下りもある。思想的なものが根本にありそうだが、当ブログの守備範囲を逸脱しているので言及はしない。
ま、医者の年収が高いのは、その良し悪しや不公平さはともかくとして、少なくとも先進諸国では当然のこと。何を今さらな部分もある。研修医の彼が敵を作ったり、孤立したりするリスクを犯してまで実名で記事を投稿しなくても、ジャーナリストたちがいくらでも指摘してくれるはず。
日本の研修医の給料は、それだけでは生活していけないほど低いという話をよく耳にする。日本の医療関係者がこの話を聞くと、740万は確かに高すぎるとびっくりするのかもしれないが。
■Sources:
そんな自分の年収が37,000ポンド(日本円で約740万円)もあるのは、もらいすぎではないかと言う。
現在研修医のジョプリングさんが病院の常勤医になると、年収は9万ポンド(日本円で約1800万円)に跳ね上がる。また、家庭医(Famility Practice Doctor)になると、10万ポンド(約2000万円)を超える可能性すらある。
イギリスの国民保健サービス(NHS)は国営であり、公費が投じられている。市民がNHSに加入すれば、NHS病院における診察、入院、手術の費用全額が保険でカバーされる。しかし毎年巨額の赤字を出している。
ジョプリングさんが自ら“もらいすぎ”と形容する700万以上の年棒もNHSから支払われているわけである。一方、NHS病院のナースの場合、初任給が16,000ポンド/年ほどで、その後、どんなに昇給しても研修医の年収を超えることはないらしい。
ジョブリングさんは、ある程度“敵を作る”ことも覚悟の上、記事を書いたという。実際、英国医師会から反論を浴びている。
ともあれ、英国の保健行政や医療事情のことはともかく、黙ってキャリアを積んでいけば良い身分が保証されているのに、わざわざ“I'm paid too much”と題した記事を書いて一石を投じた(つもりでいる?)ジョブリングさんは、けなげなのか、世間知らずなのか、純粋なのか、それとも英雄気取りだったり、売名狙いだったりするのか?
ジョブリングさんの投稿記事を見ると、学校の先生やソーシャルワーカーも大変な仕事なのに、人の命がかかっていないという理由だけで医師と比べて給料に格差がありすぎる・・・という下りもある。思想的なものが根本にありそうだが、当ブログの守備範囲を逸脱しているので言及はしない。
ま、医者の年収が高いのは、その良し悪しや不公平さはともかくとして、少なくとも先進諸国では当然のこと。何を今さらな部分もある。研修医の彼が敵を作ったり、孤立したりするリスクを犯してまで実名で記事を投稿しなくても、ジャーナリストたちがいくらでも指摘してくれるはず。
何を今さら度7 | ■■■■■■■□□□ |
日本の研修医の給料は、それだけでは生活していけないほど低いという話をよく耳にする。日本の医療関係者がこの話を聞くと、740万は確かに高すぎるとびっくりするのかもしれないが。
■Sources:
- New Statesman - I'm paid too much: a doctor writes
(ジョブリングさんの投稿記事本文)
- I'm paid too much - doctor (AFP)
当ブログの全記事一覧を見る |
この記事の先頭に戻る
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 日本の研修医 2005年10月10日 02:03
日本の研修医の初任給は、NHS病院ナースの初任給と同じくらい。
それで早朝から夜中まで、土日も仕事してる。
普通の常勤医でこのジョブリング氏ぐらいの給料じゃないか。
というわけで、ジョブリングさん、日本で研修しなさい。
あなたの望む環境があるだろうから。
それで早朝から夜中まで、土日も仕事してる。
普通の常勤医でこのジョブリング氏ぐらいの給料じゃないか。
というわけで、ジョブリングさん、日本で研修しなさい。
あなたの望む環境があるだろうから。
2. Posted by ななし 2005年10月10日 11:00
この国では医者やりたくねぇなw
どっかほかの国へ行って医者やりたいww
どっかほかの国へ行って医者やりたいww
3. Posted by SW 2005年12月05日 22:17
でもやっぱり医者以外の職種の給料は低すぎると思います。
僕はソーシャルワーカーですけど、ナースさんの3/4位ですかね。
アメリカってすごいですねー
僕はソーシャルワーカーですけど、ナースさんの3/4位ですかね。
アメリカってすごいですねー
5. Posted by あー 2009年12月04日 23:57

6. Posted by 名無し 2012年03月17日 02:51
何を今さら度7
ってちょっと可哀想だなあ
ってちょっと可哀想だなあ
7. Posted by Related Homepag 2014年05月11日 06:44
fantasia hookah pen なんでも評点:「僕は給料をもらいすぎている」と英国の若い医師