2005年08月21日

真面目な女性が犯罪者と恋に落ちるのはなぜか − 人生のスパイス? 同情心? 美化? 脆弱性?


犯罪者に恋愛感情を抱き、のめりこんでしまう女性たち。最初は相手が犯罪者だとは知らずに恋に落ちてしまうこともあるが、ここで取り上げているのは最初から犯罪者だとわかっていて恋に落ちるケースである。昨年、死刑が執行された宅間守も実は獄中結婚していた。

アメリカでは、男性刑務所に勤務する女性が多いためだろうか、刑務所の女性職員が服役者に恋愛感情を抱くケースが少なくない。たとえば、刑務所勤務の女性精神分析医が夫を捨てて犯罪者と恋に落ち、彼の逃亡を手助けした事件があった。

さらに8月9日、テネシー州で、刑務所の守衛が服役者の獄中結婚妻によって射殺されるというショッキングな事件が起きた。その女性ジェニファー・ハイアットは、もともと刑務所でナースとして働いているときに、服役者のジョージ・ハイアットに恋心を募らせ、獄中結婚に踏み切った。だが、それにとどまらず、彼を脱獄させようとして守衛を殺害してしまった。

ジェニファーが守衛を射殺した後、二人はいったんは逃亡に成功したが、翌日、オハイオ州で逮捕された。

犯罪心理などの専門家たちに言わせると、女性がわざわざ犯罪者と恋に落ちるのは驚くべきことに見えるが決して珍しいことではないらしい。筆者に言わせても、あまり意外性は高いと感じない。

意外性4■■■■□□□□□□


自分の現状に生きがいを見出すことのできない女性が新しい生きがいを求めているときに、犯罪者に恋愛感情を募らせるケースが多いという指摘がある。また、そういう恋愛感情の対象となる犯罪者は、往々にして心理操作術に長けている。

以下のような例がある。

  • 女性精神分析医エリザベス・フェイルは、1999年、勤務先のメリーランド矯正所で服役者と性的関係を持った後、その服役者の脱獄を手助けした。このとき、有罪判決が確定している殺人犯も一緒に脱獄した。逃亡した2人はまもなく逮捕されたが、エリザベスは懲役6ヶ月の刑に服することになった。

    エリザベスの情交を知った夫が起こした訴えに対し、エリザベスの弁護人はこう主張した。「彼女は、生まれてこの方、自分に自信を持ったことがなかったのです。そのために自分が担当している服役者に巧みに操られる結果になったのです」。

  • カナダの著名な女流詩人スーザン・マスグレーブは、有罪が確定し、獄中にいた銀行強盗犯ステファン・レイドと入籍した。彼が出所した後、2人の子供をもうけた。ステファンは自分の半生を小説にし、ベストセラーとなった。その小説の執筆時にスーザンがステファンを大いに手助けしたようである。

    しかし、1999年にステファンは再び犯罪者の一味に加わり、銀行強盗を企てる。警察の追跡に遭い、銃撃戦の後、彼は逮捕されてしまった。懲役18年の刑が言い渡された。

  • テネシー州の刑務所の守衛として働いていた51歳の女性ビッキー・サンフォードは、昨年、彼女の結婚24周年記念日からわずか3週間後に、殺人未遂で収監されていた男性と一緒に逃走した。6日後に、その脱獄囚と共にテキサスのモーテルにいるところを発見された。

    彼女の身内が語ったところによると、ビッキーは服役者と二人で逃げる前に、その服役者とまったく同じタトゥーを体に彫ったという。


さて、アメリカの犯罪学者たちや心理学者たちは、犯罪者との恋愛にのめり込む女性がいることについて、どんなふうに分析しているのだろうか。

  • 人生のスパイスを求めた結果が...

    ノースイースタン大学の犯罪学者ジェームズ・アラン・フォックス氏は、次のように指摘している。「人生にスパイスがほしい女性もいるわけです。仕事でも家庭でも成功している女性が実は自分の人生を退屈に感じていて、ありふれた日常から抜け出すために危険な道を選んだりもします」。

    フォックス氏は、最近、シリアル・キラー(連続殺人犯)に関する本を上梓したばかりだが、彼によると、一部の女性は殺人犯とのロマンスに抗し難い魅力を感じるらしい。

    彼女らは、殺人犯の内面に思いがけず“素晴らしい人間性”を見出したと感じてしまう。その部分は自分にしか見えない。だから、彼と私だけが共有できる部分なのだと信じ込んでしまう。そして、他の人が彼に対して抱く“殺人犯”というイメージが消し飛んでしまう。

    また、相手は実際には罪を犯しておらず、冤罪なのだと信じ込む女性もいるという。その場合は、彼の冤罪を晴らすために自分のすべてを捧げようとする。

  • 同情心に付け込まれて...

    フロリダ州立大学の犯罪学者クリスティ・ホルトフレター女史は、刑務所でナースとして働いていたジェニファー・ハイアットが夫を逃亡させるために殺人を犯したことを聞いても自分自身は驚かなかったと断った上で、次のように語っている。

    「看護職や教職など、誰かを“助ける”ことを職業としている女性は、相手が危険人物だからといって敬遠することなく、むしろ同情心のような感情を抱く傾向があります」。

    刑務所の服役者たちや職員のカウンセリングを担当した経験のあるワシントン在住の心理学者ロナ・フィールド女史によると、刑務所という閉じた世界であるがゆえに、外の世界では考えられないような特殊な人間関係が形成されがちだという。

    服役者たちの悩みを聞ける立場にあるナースは、服役者たちは辛い目に遭っているのだ感じて同情を寄せることが多い。だが、もし相手が心理操作に長けた男だったらどうなるか。彼女の心をいとも簡単に手玉にとってしまう。

  • 危険な相手との“恋”を美化して陶酔

    アパラチア州立大学の犯罪学者エリカ・ピーターソン女史は、女性の犯罪は、自分の愛する男のためであったり、男との共犯であったりすることが多いと指摘している。「実に意外なことですが、相手の男性よりはるかに知的レベルが高く見える女性に限って、危険な男の“とりこ”になってしまいがちです。周囲の人に認めてもらえない関係だからこそ、逆にのめり込んでしまうのです」。

    「彼女らは、そういう状況を自分の中で美化し、陶酔していきます。“こんなにも違う私たち二人が、こんなにも愛し合っている。あなたを理解できるのは私だけ”というふうに」。

  • 内気な女性ほど反社会的人物の餌食に

    フロリダ州で心理学者およびトラウマ専門家として活動しているチャールズ・フィグレイ氏は、このようなケースでは、一部の女性が持つ“脆弱性”が、反社会的傾向のある男によって悪用されていることが多いと指摘している。

    彼はこう言う。「私に言わせれば、社会的良心がまるっきり欠如している人たちが及ぼす影響力は、そんなに高くありません。彼らは単に目標を定め、そのために手段を選ばずに突き進むだけです。ところが気が弱かったり、内気だったりする女性がいると、たちまち反社会的な男たちの餌食になってしまいます」。


女性が犯罪者と恋に落ちるのには、ほかにもパターンがあるだろうが、上記の4つを代表的なパターンと見てよいかもしれない。特に「スパイス」と「美化」は、飛んで火に入る夏の虫っぽい印象を受ける。自業自得度が低くない。ナルシスト女性ほど、はまりやすい罠かもしれない。

だが「同情」と「脆弱性」のケースは、可哀想な気がする。とりわけ、自分の脆さをたちまち反社会的な男に悪用されてしまい逃れられなくなる女性の場合は、一方的な被害者であるように思える。

まあ、実際には4つのパターンが複合していることが多いのだろう。




■Source: Why women fall for hard-core criminals (AFP)

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(評)意外性 | 《性と愛》

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この記事へのコメント

1. Posted by 8   2005年08月24日 06:36
宅間守の獄中結婚に関しては、上記の件とあまり関連性は見られないようです。

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