なんでも評点:空き地の土管をめぐる錯覚 − 頭部を砕かれることもある

2005年06月03日

空き地の土管をめぐる錯覚 − 頭部を砕かれることもある


土管が置かれている空き地。『ドラえもん』の中によく出てくる風景である。本当に土管が置かれた空き地で遊んだ記憶がある人って、このブログを読んでくれている人のなかで、いったいどれくらいの比率を占めているのだろうか?

漫画『ドラえもん』が小学館の子供向け雑誌に連載されるようになったのは1970年前後のことである。その当時は、確かに“空き地”に土管が無造作に置かれていることが多かった。子供が中に入って座ったり、中腰で歩いたりできる太さの土管が並べて置かれていたり、ピラミッド状に積み重ねられていたりした。

ただ、厳密に言うと「空き地」ではなく、工事現場の横の資材置き場だったケースがほとんどのはず。高度経済成長期には、町を美化/衛生化し、道路空間を確保するために水路(生活用水垂れ流しのドブから堀や運河に至るまで)を地下に埋めて暗渠(あんきょ)にする工事があちこちで行われていた。そのために土管が使われていた。
資材置き場の土管の上に登ったり、中に入って遊んでいるのを工事現場の人に見つかると、たいていは大声でどやしつけられたはずである。断面が丸くて転がりやすい土管は取り扱い注意の危険物だからだ。

確かに土管の内部空間は母体回帰願望をくすぐる。とりわけ子供たちは土管の中が好きだ。土管をコンクリートで固めてトンネルにしたものを児童公園などでよく見かける。たいがいは、チェーンや滑り台を外面に設けた人工の山に、そんなトンネルが穿たれている。

空き地に置かれた土管の中で遊んだ記憶のある人の多くは、空き地の土管ではなく、公園の土管を覚えているだけではないだろうか? 『ドラえもん』でおなじみの光景が頭に焼きつくことによって、記憶が作り変えられた可能性がある。資材置き場などに固定せずに置かれた土管は、かなり危険な代物なのだから。

筆者など、子供のときに友達が資材置き場の土管の上から転倒するのを目撃した。土管が固定されていなかったため、わずかな角度転がったのだ。転倒した友達は前歯がほとんど折れていた。

さて、海の向こう、しかも南半球の話だが、土管の危険さを思い知らせる事故が起きた。

南アフリカ共和国のフリーステート州で、小学生の男子児童たち数名が古い建設現場に取り残された土管を見つけた。彼らは、つい10年ほど前にこの世に生を受けるときに通過した産道を思わせる土管の内部空間に興味を示すよりは、むしろ転がりやすい外形に興味を示したようである。

進行方向には急なスロープがあったが、全員で力を合わせて土管を転がした。坂のほぼ頂点に達したところで、10歳のモーゼス・モフォケング君が土管の上によじ登って、どうだと言わんばかりに仁王立ち。そのとき、ほかの子供たちが土管から手を離した。

まだ少し傾斜があったようで、土管が転がり始めた。モーゼス君は、土管の進行方向に転倒。土管は、彼の頭部をクラッシュさせてから、スロープの下まで転がり去った。仲間たちが救急車を呼んだが、救急車が到着したときには既に死亡していた。

痛ましい事故である。危険物という認識がなかったのだろうが、次のように評ずるほかない。

危険物取り扱い不注意度8■■■■■■■■□□





■Source: News24.com - South Africa - Water pipe crushes boy's head

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この記事へのコメント

1. Posted by 植木屋の恋愛事情・株式上場2005   2005年06月03日 11:55
本当に痛ましい事故です。

こういうものがおかれている場所に子供が簡単に立ち入ることが出来るのは

考え物です。
2. Posted by 黄泉   2005年06月03日 20:28
> miccckeyさん
幼い頃、土管で遊んだ事がありますよ、私。

近所に資材置き場があったんですよね、
そこでよく遊んでいました。

怪我する子って、そんなに居なかったですね。

ってか、もっと危ない所で、平気で遊んでいましたし、私。(^^;)
燃えないゴミか何かを集積している所を秘密基地にしたり、
自動車をスクラップにする所で遊んだり、
潰れてしまった紡績工場に忍び込んで遊んだりと、滅茶苦茶でした。

> 植木屋の恋愛事情・株式上場2005さん
> こういうものがおかれている場所に子供が簡単に立ち入ることが出来るのは
> 考え物です。
う〜ん・・・
私としては、余りにも危険物が周りに無い状態で育つ子ばかりで、
危険を察知する能力の欠けた子が増えているんじゃないかと心配です。

「アレで事故が起きたから撤去」とかばかり言っていないで、
何が危険なのかを、大人が教える事が大事な気がします。
3. Posted by    2005年06月08日 00:20
>>黄泉さん
そうですね。理由も教えずに片付けてしまう方が問題ですよね。
私の場合は回転する丸いジャングルジムでした。
勢い良く回す事が出来、高さもあったので子供が転落し、死傷者がまま出たので撤去されるか、固定されてしまいましたが、理由は親に質問しない限り誰も教える気配はなかったです。
あと、それを切っ掛けに遊具狩りとしか思えない遊具の整備、解体が進んで、子供心に非常に残念でした。

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