クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:目が覚めると自宅が警官隊に包囲されていた

2005年02月19日

目が覚めると自宅が警官隊に包囲されていた


米国インディアナ州エバンズビルで暮らしているジョー・パーシンガーさんは、2月15日の夜、喉が渇いて目が覚めるまで、自分の家がエバンズビル市警のスワット部隊に取り囲まれていることに気がつかなかった。

彼は普段から眠りが深く、その夜は電話の呼び出し音をオフにして眠っていた。彼が目覚めるよりだいぶ前から、彼の自宅周辺の道路が閉鎖され、ネゴシエーター(人質交渉人)まで現地に派遣されていたのだが、そんなこと露知らずに眠っていたのである。

ところが外にいる警官やスワット部隊は、パーシンガーさんが電話に出ずに家に立て篭もっていると思っていた。自殺する可能性、家族や第三者に危害を加える危険性を危惧していた。

パーシンガーさんが喉の渇きを潤して寝床に戻ろうとしたとき、外から拡声器を介した大きな音声が聞こえてきた。「ジョー! ジョー! 電話に出なさい」。

ジョー・パーシンガーさんには何がなんだかわらかない。寝ぼけ眼で受話器を取ると、警察官(おそらく交渉人)が説得口調で話しかけてくる。電話の内容は、ほかの警官たちも聞いているようだった。

「外に出て来いという意味ですか?」
「そう。そうなんです。お願いだから外に出てきてもらえますか。ただし、両手は頭の上に添えること」。

この騒ぎの翌日、パーシンガーさんは地元のNEWS 25のインタビューに答えている。「本当にびっくりしました。ショックを受けました。こんな途方もない嘘っぱちを聞かされたのは生まれて初めてのことですよ。ここまで完璧に、徹頭徹尾馬鹿げた話なんてあったものじゃない」。

娘を愛してやまない自分がどうして自殺したり、誰かを傷つけたりしようものか・・・とパーシンガーさんは怒りが収まらない様子。

ただまあ、こんな大騒ぎになった発端に関して彼にまったく心当たりがなかったわけではない。最近、パーシンガーさんの自宅周辺では窃盗事件が連発していた。「うちにはショットガンがあるから、泥棒が入ってきたらこれで撃退してやるさ」みたいなことを自分の姪に話したという。

まあ、実際にはもっと過激な表現をしたのかもしれない。警察に緊急通報をしたのは、その話を聞いた姪だったのだから。

とはいえ、本当にスワット部隊を派遣する必要があるほどの通報だったのかどうかが大いに疑問である。その点をNEWS 25の取材陣がエバンズビル市警に問いただしたところ、スポークスパーソンは「それが最善の対応だった」と答えた。自殺してやるとか、誰かを殺してやるとか、そういうことを口にする精神状態の人がいたとして、それを知りながら放置していて本当に事件が起こったら取り返しがつかないことになる。だから、スワット部隊を派遣して、最悪の事態になるのを未然に阻止する必要があったのだ・・・というような説明である。

しかし、ただ眠っていただけなのに、自殺しようとしていると決め付けられ、ご丁寧にも交渉人まで交えて大勢の警官隊に自宅を取り囲んでもらうなんて“青天の霹靂”であることもさることながら、“ありがた迷惑”の極致のような話である。

ありがた迷惑さ10■■■■■■■■■■


スワット部隊に取り囲まれているというシチュエーションが逆に引き金になってしまうことだってあるのではないか。パーシンガーさんの場合は幸いこれに該当しなかったのだが、自分が何もやましいことをしていなくても、スワット部隊に自宅が取り囲まれていることに気づいた瞬間、いままで抑圧していたもう1人の自分が目を覚ますこともあるだろう。

多少やましいことがある人の場合は、その“やましいこと”が発端になって、とんでもない事態に発展してしまったのだと思い込み、絶対に警察に捕まってはいけないと思い込むかもしれない。

あるいは、こんなに大勢の方々に物々しく集まってもらって、期待を裏切るのは申し訳ないという気になる人だっているかもしれない。期待に添えられるように頑張ろう。とりあえず、呼びかけを無視して、これからしばらく立て篭もってみようかなとか。外に向けてショットガンを一発撃ってみようかなとか。電話がかかってきたら逃走用の車両を要求してみようかなとか。




■ Source: Man Sleeps Through Police Standoff; NEWS 25 Questions Police

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1. 目が覚めると……  [ どうでもいいこと ]   2005年02月19日 23:27
目が覚めるとそこにいたのは……。 これはぞっとしますな。 なんでも評点:目が覚め...

この記事へのコメント

1. Posted by 玲子   2005年02月19日 17:30
米国ならではの出来事ですな・・・
死傷者がでなくてよかったです。

それにしても、彼の姪の心理を考えると
勘違いで射殺された故服部剛丈さんを思い出さずにはいられないです。

ムーア氏の「ボーリング〜」を観ても思ったけど
銃社会って怖いなぁ。。。

以下は昔私が創った詩の一節です。

A氏:「銃は単純です。生きるか死ぬか、殺すか殺されるかですから」
B氏:「そのとおり。銃は脳髄を退化させる」//

銃そのものよりも、それを扱う人間の想像力のなさの方が怖い。。。
2. Posted by なかやん   2005年02月19日 19:02
これって、今回は自殺ってことだけど、自分のみに覚えのない罪で取り囲まれていて拘留されたらって思うと・・・しかもわが身に降りかかったらと思うと夜も眠れないですね。

よくよく考えると怖い話だなぁ。
3. Posted by miccckey   2005年02月20日 02:55
>玲子さん

そうですね。この出来事の最大のキーパーソンは、彼の姪だと思います。よほど切羽詰った通報をしたのかもしれませんね。

銃に頼る人間は想像力が欠如しているかもしれないけど、姪は想像力が豊か過ぎたのかも。

>なかやんさん

おっしゃるようなことは、現代日本でも皆無とはいえないでしょうね。
4. Posted by けい   2009年10月02日 12:42
>いままで抑圧していたもう1人の自分が目
>を覚ますこともあるだろう。

ないない。
5. Posted by あ   2010年09月07日 08:27
え?
6. Posted by just click the up coming web site   2014年05月10日 19:17
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