2004年12月22日

“国別アダルトサイト・ランキング” − アフリカ第一位の小国には寝耳の水(そして日本の順位は?)


サントメはここアフリカ大陸西岸の沖合いにSao Tomeという小さな島国がある。ついつい「さおとめ」とローマ字読みしたくなるが、ポルトガル語の名前なので「サントメ」と読む。サントメの人口は、約14万8千人(この数字、この話のポイントなので、よく覚えておいてくださいよ)。

この国の大臣の一人Deolindo Costa de Boa Esperanca氏は、今月、南アフリカで開かれたインターネット関連の会議に出席して、あるレポートを初めて読み、驚愕の事実を知ることとなった。そのレポートには、“Germany, UK Domains lead the pack, tiny Sao Tome leads all of Africa(世界で一位と二位を争うのはドイツとイギリス、アフリカの首位はサントメ)”という副題が付いているので、大臣は最初喜んだかもしれない。次のレポートである。


これは、インターネットのアクセス制御サービスを提供しているSecure Computing社が世界100ヵ国のドメインにおけるポルノ(アダルト)コンテンツの分布状況を報告している文書である。Sao Tome leads all of Africaとは、「アフリカで一番アダルト・ページが多いのはサントメ」という意味だったのだ。

具体的には次のような記述がある。

The .ST domain suffix of the smallest country in Africa, the island nation of Sao Tome, hosts 307,000 pages of pornography ? three quarters of all of the 389,000 pages of pornography with African suffixes contained in the SmartFilter v4 database.


アフリカで最も小さい国サントメのドメイン .STには、307,000 ページ分のアダルト・コンテンツが含まれているというのだ。しかも、これは、アフリカ諸国のドメインに登録されている全アダルト・ページの4分の3に相当する。

アダルト・ページの数がサントメの全人口を凌駕している。サントメのドメインには、なんと一人当たり1.7ページもアダルト・コンテンツが含まれているのだ。

大臣にしたら、まさに青天の霹靂だったに違いあるまい。小国でありながらアフリカのポルノ需要を一手に引き受けている“国民総ポルノ国”だと誤解されてしまいかねない・・・と大臣は狼狽したかもしれない。

青天の霹靂度9■■■■■■■■■□


ただし、レポートが公開されたのは今年の6月のことである。インターネットがほとんど普及していない当のサントメの人は誰もそのレポートを見たことがなかったのかもしれない。大臣が見なくても、サントメの誰かの目に留まれば絶対耳に入るような情報だったし。

さて、このレポート、実は筆者も初めて目にしたのだが、なかなか興味深い情報が含まれている。たとえば、国別の“アダルト・ランキング”は下記のとおり(単位はページ数)。


  1. ドイツ 10,030,200
  2. イギリス 8,506,800
  3. オーストラリア 5,655,800
  4. ニウエ 2,947,800
  5. 日本 2,700,800
  6. オランダ 1,883,800
  7. ロシア 1,080,600
  8. ポーランド 1,049,600
  9. スペイン 852,800
  10. トンガ 848,800


我らが日本は堂々の5位である。livedoorBlogの「その他カテゴリ」も多少は貢献しているのだろうか。それともその他への改名が利いて、除外されているのだろうか(だったら、ホリエモン一派の思う壺であろう)。

しかし日本の1つ上には、ニウエという見慣れない国名がある。なんと、人口2千人にも満たない太平洋上の小国なのである。つまり、国民一人あたりのアダルト・ページ数は、サントメをはるかに上回っている。1600ページ/人を超えている。サントメの大臣もこれを知って少しは安心したかもしれない。

ところで、上のランキングを見て、もやもやしたものを感じている人もいるだろう。ポルノやアダルトと言ったら、米国の右に出る国なんてなさそうなのに・・・と。

これはいたしかたないところである。米国だけ国ドメインが存在しない。だから、Secure Computing社による国ドメイン別調査の対象から除外されているのだ。

そうそう、小国にアダルト・サイトが集中する理由は、国ドメインを欧米などの業者にリースすることで外資を稼ぐ小国が多いからである。ニウエやトンガの場合は、国ぐるみの計画なのだろう。これで大成功を収めたのはドメイン.TVのツバルだが、アダルト・サイトにはあまり使用されていないからランキング上位にには出ていないのだろう。

サントメの場合は、個人が勝手に話をまとめていたようで、ややこしい経緯があるようなのだが、ここでは深く触れない。(下記のニュース記事には、このへんの事情が詳細に示されている)。

【追記】

コメント欄で、米国の国ドメインは.usではないかという指摘をいただいた。ご指摘のとおり、2002年から一般の個人や企業が.jpや.ukのような国ドメインとして“.us”を使用できるようになった。それ以前は、使用に制限があったため、ほとんど使われていなかった。

下記Web ページ(英語)に詳細な説明あり。



【当ブログ内の参考記事】






■ Source: We were sold into porn slavery, cry African islands | The Register

【余談】上の記事の題名を日本語に敢えて訳すなら、「自分たちが知らぬ間にポルノ奴隷市場に売り飛ばされていたことを知って絶叫するアフリカの島国」とでもなるだろうか。

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1. まぐまぐ1位のはずなのに、なんで入ってないの?  [ 『斬りまくり★情事日記』 (by gakkun@プチセレブ♀) ]   2004年12月23日 20:32
 ■新作メールマガジン発行部数ベスト10@ライフスタイル が発表されましたが、もーうんざりです。 私、1位に入ってるはずなんだけど。 また私だけ抜かすんですか? いい加減にしてよ!

この記事へのコメント

1. Posted by at   2004年12月22日 20:23
> 米国だけ国ドメインが存在しない。

米国は「.us」ですよ。
それを調査対象に含めても結果は変わらなかったでしょうけど。
だって、そーゆー問題じゃないもん。
2. Posted by 最強ナンパ師   2004年12月22日 21:45
アメリカ=ポルノってイメージがあるので驚きました!
3. Posted by miccckey   2004年12月23日 00:01
>atさん

ご指摘ありがとうございます。2002年から、一般個人/法人による.usドメインの取得が可能になったのでした。後で、問題箇所の記述をちょっと直しておきます。ただ、.usドメインは資格条件が厳しいので、アダルトサイトに使用されていることはほとんどないと見てよいのではないでしょうか。



4. Posted by 黄泉   2004年12月30日 00:11
今更ながらのコメントで恐縮ですが、
TOドメイン(トンガのドメイン)の利用に関する規制は、
"自由"な空間であるインターネットに相反する感じがしますが、
実際には、これほどインターネットの現状にあった内容は無いと思われる方針だと思います。

"自由"と"無秩序"とは別物であり、
自由とは、一定のルールやマナーの中で与えられるものだと、私は思っているのですが、
TOドメインは、そのルールやマナーを最大限に尊重した利用を求めており、
不適切な利用が行なわれれば、ドメインの継続利用が出来なくなるという、
"無秩序・無軌道"になりがちな、インターネット内での状況を、自国のドメインに関しては抑止しています。

同様の利用規約を、各ドメイン管理組織が、導入したならば、
spam問題も含め、ネット内での迷惑行為を、ある程度抑止出来るのではないかと思うんですけどね・・・

特に、礼節の国である"日本"のドメインである"JP"にも、
未成年者の利用が不適切なサイト(アダルトサイトに限らず)への利用を禁止する一文と、
スパムを強く禁止する文章を加えて貰いたいです。

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