クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:議員や弁護士など高級紳士ご用達の秘密倶楽部で使われていた演出物の数々がオークションに(ロンドン発)

2004年12月16日

議員や弁護士など高級紳士ご用達の秘密倶楽部で使われていた演出物の数々がオークションに(ロンドン発)


1987年にイギリスで“Personal Services”という映画が制作された。この映画は、実話を基にしていた。この映画は日本では上映されず、ビデオが販売されただけだった。しかも、とんでもない邦題(後述)が付けられていた。

この映画の宣伝ポスターには、次のようなキャッチ・コピーが書かれていた。

Love between two people can be beautiful.
With a crowd, it's sensational!


映画Personal Servicesの宣伝ポスターたとえば「二人だけで美しく愛し合うのもいいけど、多人数で楽しむ愛ほど興奮するものはない」みたいな意味である。この映画のモデルになったのは、1970年代から1980年代にかけて、“マダム・シン”(本名:シンシア・ペイン)というマダムが取り仕切っていた秘密倶楽部。

マダム・シンは1980年に懲役18ヶ月を言い渡された。当時のタブロイド紙は、マダム・シンの秘密倶楽部のことで持ちきりだった。この倶楽部には入会資格があり45歳以上の男性でないとお断りだったのだが、マダム・ペインの主張によれば、国会議員、弁護士、ジャーナリスト、警察高官など、社会的地位の高い人たちが頻繁に“多人数での愛の営み(orgie)”に参加していたというのだから。

マダム・シンの表現に基づけば、牧師のお茶会のように上品に始まりながら、やがて興奮のるつぼと化すようなパーティを繰り返していたという。

結局、マダム・シンは1986年にも別の有罪判決を受け倶楽部から手を引いた。その翌年に彼女の倶楽部をモデルにした映画が封切られたわけだ。

さて、イギリスでは、このマダム・シンことシンシア・ペインさんのことが再び話題に上っている。かつてさまざまな“パーティ”に使用されていたさまざまな演出物が、ロンドンのオークション・ハウスで競売に掛けられることが決まったからである。これらは1つのロットにまとめて出品されるが、たとえば以下のようなアイテムが含まれている。

  • フランス風のメイド・コスチューム ― 中年男性の客が着用していたとされる代物。

  • 写真 − 何の写真なのかは元記事(下記)では明らかにされていない。プレイ中の写真だと、新たなスキャンダルの火種にもなるかもしれないが、なんせ20年以上も前のものだから、撮られた人物が既にこの世にいない可能性もある。

  • 新聞の切り抜き ― これも詳細不明。

  • ミンクのコート

  • 映画の上映に使用してた旧式の映写機 − どのような映画を上映していたかは、あえて言うまでもない。

  • 通貨代わりに使用していた食券 − 英国企業が社員に与えていた食券を模したものとして有名。各種パーティの支払いは、これで行われていたらしい。


シンシア・ペインさんは、このオークションで得たお金を飼主から捨てられた可哀想な猫ちゃんたちの救済に充てるという。Streatham Cat Rescueという猫の保護団体にすべて寄付されるそうだ。今さら売名行為でもなさそうだが、少しは“汚名”を挽回して、憂さを晴らそうとしているのかも。よって、次のように評価しておこう。

売名行為度3■■■□□□□□□□


前述したように、“Personal Services”という映画は日本では上映されず、ビデオが販売されただけだった。しかも、とんでもない邦題が付けられていた。日本語Web上でこの映画のことを取り上げているサイトは数少ない。数少ないうちの1つが次のサイト。



よくぞ、こんな邦題を付けたものである。制作者側にこの邦題を逆翻訳して見せたら激怒されそうな勢いだ。受けを狙ってこんな邦題を付けたのだろうが、逆にこの映画が正しく評価されず埋もれてしまう原因になったのかもしれない(私自身、中身を見ていないので、あまり決め付けたことは言えないが)。

お気づきかもしれないが、当エントリでは映画の邦題以外、アダルト規制にひっかかりそうな語句を意図的に排除している。“節度のない話を節度のある表現で”というテーマのもとに文を綴ってみた。

上記サイトでは、節度のない邦題に惑わされず映画の内容をちゃんと評価しているようで、次のような解説文がある。

ウェイトレスをしていたクリスティーンは家賃の支払いに困り売春を始める。それもSMや制服を着た特殊なもの。それが老人に大受けし商売も波に乗り始めるのだが……。女を買うのは法律的には悪い事だが、人間的には当然の欲求のように描いていて面白い。変態的な行為を子供のような純粋さで求める姿も愉快だ。“モンティ・パイソン”を手掛けた監督だけあって、そのブラックなユーモアといつしか感じる暖かい人情は絶品だ。主人公を演じるJ・ウォルターズは英国アカデミー賞受賞者でもあり、その子供っぽさを残したおばさん的な演技もなかなかいい味を出している。


ちなみにJ・ウォルターズは、ハリー・ポッター・シリーズの映画にも出演している。もう結構なお年のようだが。




■ Source: IOL - A Step Beyond - Madam to sell sex memorabilia to help pussies

【余談】上のニュース記事のタイトル、一種の駄洒落になっていそうだ。


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